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minato

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動く歩道

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私は今、「動く歩道」に乗っている。
この路上に立つ人は大体決まって2種類に分類される。何もせず、ただ機械のスピードに身を任せ進む人と、歩道の上を歩き、規則的なペースにうまく速度を乗せて足早に進む人だ。
私は、どちらかを選択することを迫られている。いや、どちらも選ぶことはできないのかもしれない。だが、少なくとも今は、この2つから選ぶことのみ許されているようだ。
例え隣の男が突然、規則正しい歩調に辟易し、域外の我が道を行く人間に憧れ、手すりを越えようとするならず者と化したとしても。
例え目前の女が、ハイヒールの先をベルトの先に挟み、身動けが取れなく踠きながら、意図せず公然の邪魔者になってしまったとしても。
不変のリズムをもつ無機物と共に行くしかできない。
私はこの、果てしないベルトの上に乗ることを選択してしまったのだから。
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