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小さな暗殺者を探し出せ 前編
しおりを挟む『有名な造船家、キャロル・マースン誘拐』
昨夜、造船家のキャロル・マースン氏(49)が誘拐された可能性がある。犯人への手がかりはなく、また、金銭等の要求もない。警察は全力でこの事件を追っている。
私は新聞の一面に書かれた見出しを読み、車の外の景色を見た。
車の外では、人々が青空の下、賑やかに行き交っている。
「平和、ね」
思わずそう呟くと、運転席でハンドルを握る、エミル・クイーンが微笑んだ。
「貴女、一体いつまでこんな事してるのよ?」
鍵の報酬を受け取り、それを全額寄付として、銀行で振込んだ帰り道であった。
今日の外出の付き添いは、クイーンだけであり、ヴィルは屋敷の方に置いてきた。何やら、ヴィルには用事があるのだとか。
こちらは振込みだけだし、終われば早く戻るつもりだった。
「“いつまで”なんて決めてないわよ」
私は再び、手に持つ新聞に視線を落とした。
「そんな所まで、貴女のお祖母様にそっくりねえ。無鉄砲で、一度言い出したら聞かない。おまけに自由奔放」
クイーンが懐かしむように言った。
クイーンはお婆ちゃんの旧友であった。
「貴女のお祖母様に出会ったのは、私がまだハンサムな若僧のときだったワ。私は日本でとっっっても偉い人の護衛を任されてね。お祖母様はその偉い人の秘書をしていたの」
私はまた始まった、と苦笑した。この話は、小さいときから何度も聞かされていた。
「私のお爺ちゃんが日本に行って、お婆ちゃんと会って、一瞬で両想いになっちゃったんでしょう」
「そうよ~。あれは、運命の出会いだったんだから。お祖父様が国に帰った後、いきなり仕事辞めて追いかけて行っちゃって。こっちで式まで挙げたんだから、驚いたワよ。あの人には」
お爺ちゃんは、お婆ちゃんより早くに亡くなってしまったけれど、二人とも最期には「幸せだった」と言い残して逝った。
お婆ちゃんの姿を思い出し、しんみりとしていたときであった。
「伏せて!!」
クイーンが緊張感のある声を上げて、急ブレーキを踏んだ。
体が前に飛び出しそうになったが、何とか座席にしがみついた。クイーンにも怪我はなさそうだ。一先ず、安心する。
「どうしたのよ?」
私は後ろから、運転席に身を乗り出して、クイーンに聞いた。
「急に子どもが飛び出してきたのよ!」
「子ども?」
前を確認しようと、車を降りてみたが、子どもの姿はないように見えた。
「あらぁ?おかしいわね」
クイーンがエンジンを切って、車から出た。そのとき、私たちが降りた反対の方から、男の子が飛び出してきた。
男の子の手には、果物ナイフが握られており、クイーンにめがけて走ってくる。
「クイーン!!」
私は咄嗟に叫んだ。
「もお~。クイーンじゃなくて、エミルって呼んで頂戴」
「じゃなく……っ」
ナイフが届きそうになった直前で、クイーンが振り返り、男の子を高く持ち上げた。
男の子は、いきなり高い高いされた状態になり、顔が困惑している。
「こら、ボク。駄目じゃない、そんなことしちゃあ」
「は!離せ!!化け物」
「化け物?酷いこと言うわね。そんな子には、エミルからたっぷり愛情あげちゃう」
クイーンはそう言うと、男の子を全身で力一杯に抱き締めた。
「ぐ………るし」
男の子の華奢な体では、クイーンのハグに耐えられるはずもない。私は慌てて止めに入った。
「クイーン、ストップ!死んじゃうわよ?!その子」
解放された男の子は、地面に手をつき、しばらく咳き込んだ。
「ごめんなさいね。つい可愛い子だから、やりすぎちゃったワ」
“つい”であの世行きになったら、堪ったものではないだろう。私は哀れに思った。
男の子は、よろよろと立ち上がると、私を睨みつけて呼びかけてきた。
「おい!お前が連れている奴隷男はどうした!?」
奴隷男?
私にいつもついてるとしたら、心当たりは一人しかいない。この子が言う、奴隷男とはもしかして。
「ヴィル?」
クイーンが吹き出して笑った。
♢♢♢
屋敷の庭に出たヴィルは、何かを感じて足を止めた。
「どうかしたの?」
ガーデンチェアに座ったクレイスが、ヴィルを見上げて聞いた。
「……いや」
ヴィルは、きっと気のせいだろう、と思い直し、彼女の向かいにある花壇の縁に腰かけた。
「私をこんな所に招いて、怒られるんじゃないの?」
クレイスは、貼り付けたような笑みを作った。
「俺はここを離れるわけにはいかない。それより……」
俺が彼女をここに呼び出したのには、理由があった。まさか、本当に来るとは思っていなかったが。
「ロマノフの屋敷にいた、マーヤ・ナタリは、お前だったんじゃないか?違うか?」
部屋の中で銃撃戦となったとき、マーヤ・ナタリの動きは、非常に彼女の戦い方と似ていた。それに、俺は銃弾をかわしたというより、どう避けるかを事前に予測されていたように思えた。
「さあね。でも、もしそうだったと仮定して、貴方は何が聞きたかったの?」
クレイスの殺気に近い、鋭い視線を受け、俺は言葉を詰まらせた。
「クレイス。お前があの男に従う目的は何だ?」
その言葉に彼女の表情が僅かに曇った。
「これが契約だからよ」
「俺たちを追う組織から逃してもらうための、か?」
「そうよ」
「それだけか?」
彼女ほどの力があれば、あの男、リス・ライムの助けなんかは必要ないはずだ。
俺は身を乗り出し、クレイスの腕を掴んだ。
♢♢♢
クイーンが果物ナイフを取り上げたので、もう危険はないだろうと、私は男の子の前でしゃがんだ。
男の子は小さな穴が空いた、継ぎ接ぎだらけの服を着ていた。身長はちょうどネアと同じくらいだろうか。
「ねえ、君。どうして、ヴィルのことを知っているの?」
しかし、男の子は答えようとはしなかった。
どうして、この子の口を割らせようか、と考えていると、男の子は私の首に下がっているものーーエメラルドのペンダントをじっと見た。
すると、ペンダントを掴み、強引に引きちぎった。
ブチリ、という音ともに、首に痛みが走る。
「ちょっと!返しなさい!」
私は慌てて、逃げる男の子を追いかけた。
あのペンダントだけは、絶対に返してもらわなくてはならない。
なぜなら、あれは……。
「どこ行ったのかしら?あの子」
クイーンが街の中を見渡して言う。
すばしっこく走り回るものだから、私もクイーンも完全に男の子の姿を見失ってしまった。
「何としても、あの困ったお子様を探し出すわよ!」
そして、もう二度と盗らないよう、きっちりとお灸を据えさせてやる所存だ。
「首飾りの一つくらい、あの坊やにあげたら?」
私はクイーンの言葉に首を振った。
「あれは、お爺ちゃんがお婆ちゃんに贈ったもので、私が譲り受けた大事な思い出の遺品よ?!」
そう簡単に諦めてあげることなんかできるはずもない。
「わかったワ。だけど、あの子は刃物を持って襲ってきたんだから、次は貴女が狙われるかもしれない。私から離れちゃ駄目よ」
「ありがとう、クイーン」
私たちはもう一度来た道を戻り、男の子を探すことにした。
♢♢♢
クレイスは腕を振り払った。
「今更、何よ?ヴィル、貴方のせいで、私もネアも追われることになったのよ?貴方の軽率な行動のせいで」
確かに。彼女の言う通り、あのとき助けなければ、俺たちが追われることも、彼女だけを苦しめることもなかったのかもしれない。
それでも、俺は……。
「クレイス、教えて欲しい。お前が言った、“生かした責任”は何だ?それも、もう今更かもしれないが……教えてくれ」
一度背中を向けてしまった俺にできることならば、何でもしよう。それで、少しでも彼女の気が晴れるというのならば。
「それは……これでも?」
クレイスは銃を抜き、銃口を俺に突きつけた。
そうか、と声には出さず、唇だけで呟く。
「俺はもうお前と殺し合う気はない。殺りたければ、殺ればいい」
「本気?」
彼女は指をかけた引き金を半分引いた。
「ああ。その代わり、一つだけ約束しろ。ネアを連れて、リスから離れろ」
「……っ」
彼女の瞳が苦悶に揺れた。
♢♢♢
お腹が空腹を知らせて、大きく鳴る。
「腹……減ったぁ」
ゴーリはふらふらとした足取りで、街の中を当てもなく歩いていた。
「おっさん退いて!」
突然、狭い路地の中から男の子が飛び出してきた。
退けと言われたが、それは間に合わず、二人でぶつかって転んでしまった。
「いたた……大丈夫か?ボク」
ゴーリは親切で言ったつもりだったが、男の子は顔をムッとさせた。
「俺をガキ扱いすんな!」
「ガキをガキ扱いして何が悪い!」
「俺は途中で成長が止まっちまっただけだ!おっさん!」
「おっさんだとぉ?!」
そこで、ゴーリは我に返り、咳払いをした。
こんなガキに何をむきになっていたのだろう。いくら、お腹が空いていたといえど、小さい子を相手に喧嘩をしても仕方がない。
「今のは、私が悪かったよ。君、名前を言いなさい」
そのとき、男の子の手に持つ物を見て驚いた。
「そ、それは!エメラルドの宝石ではないか」
これがあれば、ご飯がたらふく食べられるだけではなく、一年は遊んで暮らせるはずだ。
そのエメラルドがなぜ、こんな価値もわからなそうな小僧の手にあるのかは謎であったが、今すぐ喉から手が出るほどに欲しかった。
「おっさん、これ欲しいの?」
「すっごく欲しい!」
男の子の口元が、ニヤリと歪んだ。
「俺の名前は、コルン。コルン様と呼べ!奴隷」
ゴーリは平伏した。
♢♢♢
向けられていた銃口が降ろされる。
「その約束は、できないわ。ヴィル」
やはり、クレイスは何か大きな目的を隠している。
「それは、お前自身の為か?誰かの為か?」
彼女がガーデンチェアから立ち、俺に背を向けた。
「両方。私と、あの人の」
「あの人……?」
昔、一度だけ聞いたことがあった。彼女には、“師匠”と呼んでいた人が居たということ。その男のことを言っているのか、確証はないが、ふと思い出した。
行き場のない幼かった彼女を育てた親であり、殺し屋としての技を教えた師。
「フォート・カーティ」
その名前を聞いたとき、愕然となった。
彼女が口にした名前は……。
「私の師匠。そして、貴方の兄」
信じられなかった。クレイスは兄のことを知っていた。しかも、彼の愛弟子だったとは。
フォート・カーティは、とても面倒見のいい兄で、強くて優しい人柄だったと記憶している。俺にとっては自慢の兄で、憧れの存在でもあった。けれど、彼は突然、俺たち家族の前から姿を消した。
俺は兄が殺し屋をやっていると噂で聞き、彼を探す為に、自ら進んで同じ世界に入った。
だが、結局見つけられず、探すことを諦めていた。
もし、フォートに会えたならば、聞きたかったことがあった。
それは、どうして突然いなくなり、殺し屋になったのか。
俺はクレイスの肩を掴み、強引に振り向かせた。
「フォートは今どこにいる?」
しかし、彼女は答えようとはしなかった。
彼女は紺青色の瞳を揺らし、愛おしそうに目を細めた。
時々こういう表情を見たとき、感じることがあった。
クレイスは俺を見ているけれど、俺ではない誰かを見ている。
今になってようやくわかった。
あのとき、彼女が俺だけを殺さなかったのは、気まぐれなんかではない。彼女は、俺がフォートの弟だったから、“殺せなかった”のだ。
伸びてきた両手にそっと頬を包まれ、額同士が軽く触れ合う。
「私は、貴方に会えて、幸せだった」
その言葉は、俺に向けたものなのか、フォートに向けたものなのか、わからなかった。
俺は彼女の手を掴もうとしたが、するりとかわされ、彼女は俺から離れた。
「行くな、クレイス!」
一人で死刑を受け入れようとしたあの日の彼女と重なる。
クレイスの表情は、冷たいものに戻っていた。何も感じさせない目だ。
「ネアがリスに利用されているの。リスは本気で貴方たちを潰す気なのよ」
それが、ネアが言っていた“嵐”であった。
リスが何を企んでいるのかは知らないが、とても嫌な予感がした。
「今度は私の話よ、ヴィル。私は貴方と契約をしに来たのよ」
「……契約?」
クレイスが話した契約内容は、驚くものだったが、俺は迷うことなく承諾した。
♢♢♢
前を歩くコルンが振り返った。
「おっさん、何か飯が食べたい。買ってきてよ」
ゴーリは心の中で舌を打った。
今、お金があれば、命令していたのは俺のはず。なのに、どうしてこんな貧乏餓鬼を相手に。これも全て、あの女が悪い。
あの女のせいで、散々な目にあっている。
金と仕事を失い、偽の泥棒役までやらされ、挙げ句に捨て去られていた。
アリータという優しい女性が逃してくれたから良かったものの、もしかしたら一生あの汚く狭い場所に閉じ込められていたかもしれない。そう思うと、ぞっとした。
「おい、おっさん!聞いてるのか?飯だよ、飯!買ってこいって」
コルンはもう一度偉そうに、ゴーリに言った。
「申し訳ございません、コルン様。すぐに買ってきますので、お金を渡していただけますかな?」
ゴーリは奴隷になった振りをし、コルンが持つエメラルドのペンダントを狙っていた。
「お金は、おっさんが出せ。俺は持っていないからな!」
「はっはっは、何をおっしゃいます?その手に持っているではありませんか?それをお金に替えて、ご飯を買ってきましょう」
エメラルドが手に入れば、小僧に要はない。一人だけで優雅な暮らしに戻るだけだ。
「駄目だ。これはまだ渡せない」
コルンはエメラルドのペンダントをポケットの中に入れてしまった。
あながち馬鹿な子どもではないらしい。
「では、ご飯は食べれませんよ。コルン様」
「それは……」
そのとき、「あ!」という女の声が近くでした。
その女の横には、フリルのブラウスを着た男がいて、思わず目を見張った。
知らない女とオカマがこちらに向かって走ってくる。
「何だ?!何だ?!」
ゴーリは隣のコルンを見たが、すでにコルンの姿はなかった。
「おっさん!あいつらを足止めしろ!」
足止めするって、どうやって?片方は化け物なんだぞ?
ゴーリは狼狽えた。
「……エメラルドをよこせぇぇえええ」
ヤケになったゴーリは、コルンに従い、二人に向かって突っ込むことを選んだ。
♢♢♢
「……エメラルドをよこせぇぇえええ」
探していた男の子を見つけたと思ったら、なぜかゴーリが一緒にいた。そして、そのゴーリが何かを言われ、向かいから勢いよく走ってくる。
「ゴーリ?!何でここにいるのよ?」
すると、ゴーリは急に足を止めた。
「ん?どうして俺のことを知っている?」
そう聞かれて、ようやく気づいた。ゴーリはロリアかコナに変装した姿しか知らないのだ。
それに、目印となっていたヴィルも今ここにはいない。
ロマノフの屋敷に、置き忘れたことを問い詰められても面倒なので、私は赤の他人を演じることにした。
「いえ、やっぱり貴方のことは知りません。人間違いでした」
私は早口で言った。
「そうだろうな。俺に、こんな化け物の知り合いはいないんだからな」
ゴーリがクイーンを指差す。
貴方のメイド服姿もなかなかのものだったけど、と私は苦笑いした。
「まあ、酷い人ね。でも、貴方とは友達になれる気がするワ」
クイーンは指差すゴーリの手を掴むと、無理やり握手をし、上下に千切れんばかりの強さで振った。
骨が軋む音とともに、ゴーリが悲鳴をあげる。
「いでででででぇ」
「こんなことしている場合じゃないわ。行くわよ、クイーン」
「はぁーい」
クイーンに気に入られたゴーリは、顔を小脇に抱えられ、街中を引きずり回されることとなった。
(「小さな暗殺者を探し出せ 前編」終)
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