次は悪役になってやる!〜なのに勘違いされてどんな行動も賞賛されてしまう件〜

ウルアース王国の王子、ユーリ・ライナ・ウルアースは前世の記憶をもっていた。

お人好しで、騙されて命を落とした絶望的な前世を――。

「他人のことなんて知ったことか。俺は悪人になってやる!」

贅沢をするために食材を買い占めると、その後すぐに飢饉が襲ってきて買い占めた食材で国が救われ、英雄扱いされてしまう。

使えない種と交換で金を巻き上げると、たまたま最適な土壌だったために大量の作物が育ち、周りの人間から称賛されてしまう。

それらが積み重なって、破滅の道に進んでいた王国すらもいつの間にか救っていた。

――どうしてだ? 俺はただ悪人になろうとしただけなのに。
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