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「ありがとう、チル。助かったよ」
「いえ、どういたしまして。それよりもカイさん、本当にギルド職員になるつもりなんですか?」
「いや、どうするかはこれから考えるところだな」
その方がギルド長がやりやすそうだから問題さえなければやっても良いかもしれない。
「いえ、確かになるのは簡単と言いましたけど、一応ギルド職員になる前に身分をしっかり調べられるんですよ。カイさんの場合はその――」
カイ自身が暗殺者をしていることを言っているのだろうか?
確かにそれなら困る可能性があるな。
ただ、そっちは普通の一般人さえ装えばどうにでもなる気もする。
ブラークに要相談だな。
あとはギルド長に直接調べられることだけ避ければどうにかなりそうだ。
「因みに直接ギルド長にあって説明したりとかはあるのか?」
「さすがにそれはなかったですよ」
それなら当面の問題は大丈夫そうだ。
「ありがとう、助かったよ」
「いえ、カイさんのお役に立てたのなら良かったです」
チルが嬉しそうに微笑む。
そして、俺たちは二人眠りについた。
◇
翌日、チルをブラークのお店へと連れて行く。
そのついでに彼にギルドのことを相談してみることにした。
「なに、ギルドで働きたいだと!? ど、どうしたんだ? まさか今の仕事を辞めるわけじゃないだろうな」
ブラークは冷や汗を流しながら確認してくる。
「いや、ただ標的に近付くために必要なことだから頼みたいだけだ。無理そうなら別の方法を考える」
「……なんだ、それならそうと早く言ってくれ。相手はギルド長だろう? 逆に近付きすぎると怪しまれないか?」
「それなら問題ない。大丈夫なように行動すれば良いだけだからな」
「お前がそう言うならそうなんだろうな。でも、そうなるとお前の新しい経歴が必要になるんだな。わかった、数日待ってくれ。その間に色々と準備しておく」
「あぁ、よろしく頼むよ」
こういうことはとても頼りになるな。
カイは安心してブラークの準備が終わるのを待っていた。
◇
数日が過ぎ、カイはギルドで働いていた。
「おい、新人! 早く料理を運んでくれ!」
「かしこまりました」
ギルドで料理運ぶ役をしていると嫌でもギルドの情報を仕入れることができる。
まず、ギルド長なのだが、ここ最近何かに取り憑かれたように青白い顔をしているらしい。おそらくあまり眠っていないことが原因だな。
それと夜起きていられる理由もわかった。
ここ最近は昼、それも周りに信頼できる人間をおいて眠っているらしい。
おそらくそれで夜にやってきた暗殺者を罠にかけるつもりなんだろう。
よほど自分の腕に自信がないとできないことだな。
まぁ、それならば信頼できる人物にまで成り上がればいいわけだが、それだと時間がかかりすぎる。
結局今のまま隙をうかがって行くしかないと言うことになってしまう。
「お待たせしました。こちらご注文の肉盛り合わせです」
「おう、よく運んでくれた」
冒険者達は誰がものを運んでくるかは全く興味がないようで顔を見ることなく料理を受け取っていた。
これならいつの間にかカイが仕事を辞めていたとしても気づくことはないだろうな。
すこし安心しながら一日働いていると夕方頃に奥の部屋からギルド長が出てくる。
そして、周囲を見渡しているようだったのでカイは緊張した様子でなるべく顔を見せないようにしながら警戒する。
すると、ギルド長は近くにいた女性職員に何か一言二言話した後に再び奥の部屋へと戻っていった。
何をしていたんだ?
ギルド長と話していた職員をジッと見ていると彼女はそのまま厨房の方へと向かっていった。
もしかして食事を注文していたのだろうか?
確認するためにもカイも厨房の方へと向かっていく。
「いえ、どういたしまして。それよりもカイさん、本当にギルド職員になるつもりなんですか?」
「いや、どうするかはこれから考えるところだな」
その方がギルド長がやりやすそうだから問題さえなければやっても良いかもしれない。
「いえ、確かになるのは簡単と言いましたけど、一応ギルド職員になる前に身分をしっかり調べられるんですよ。カイさんの場合はその――」
カイ自身が暗殺者をしていることを言っているのだろうか?
確かにそれなら困る可能性があるな。
ただ、そっちは普通の一般人さえ装えばどうにでもなる気もする。
ブラークに要相談だな。
あとはギルド長に直接調べられることだけ避ければどうにかなりそうだ。
「因みに直接ギルド長にあって説明したりとかはあるのか?」
「さすがにそれはなかったですよ」
それなら当面の問題は大丈夫そうだ。
「ありがとう、助かったよ」
「いえ、カイさんのお役に立てたのなら良かったです」
チルが嬉しそうに微笑む。
そして、俺たちは二人眠りについた。
◇
翌日、チルをブラークのお店へと連れて行く。
そのついでに彼にギルドのことを相談してみることにした。
「なに、ギルドで働きたいだと!? ど、どうしたんだ? まさか今の仕事を辞めるわけじゃないだろうな」
ブラークは冷や汗を流しながら確認してくる。
「いや、ただ標的に近付くために必要なことだから頼みたいだけだ。無理そうなら別の方法を考える」
「……なんだ、それならそうと早く言ってくれ。相手はギルド長だろう? 逆に近付きすぎると怪しまれないか?」
「それなら問題ない。大丈夫なように行動すれば良いだけだからな」
「お前がそう言うならそうなんだろうな。でも、そうなるとお前の新しい経歴が必要になるんだな。わかった、数日待ってくれ。その間に色々と準備しておく」
「あぁ、よろしく頼むよ」
こういうことはとても頼りになるな。
カイは安心してブラークの準備が終わるのを待っていた。
◇
数日が過ぎ、カイはギルドで働いていた。
「おい、新人! 早く料理を運んでくれ!」
「かしこまりました」
ギルドで料理運ぶ役をしていると嫌でもギルドの情報を仕入れることができる。
まず、ギルド長なのだが、ここ最近何かに取り憑かれたように青白い顔をしているらしい。おそらくあまり眠っていないことが原因だな。
それと夜起きていられる理由もわかった。
ここ最近は昼、それも周りに信頼できる人間をおいて眠っているらしい。
おそらくそれで夜にやってきた暗殺者を罠にかけるつもりなんだろう。
よほど自分の腕に自信がないとできないことだな。
まぁ、それならば信頼できる人物にまで成り上がればいいわけだが、それだと時間がかかりすぎる。
結局今のまま隙をうかがって行くしかないと言うことになってしまう。
「お待たせしました。こちらご注文の肉盛り合わせです」
「おう、よく運んでくれた」
冒険者達は誰がものを運んでくるかは全く興味がないようで顔を見ることなく料理を受け取っていた。
これならいつの間にかカイが仕事を辞めていたとしても気づくことはないだろうな。
すこし安心しながら一日働いていると夕方頃に奥の部屋からギルド長が出てくる。
そして、周囲を見渡しているようだったのでカイは緊張した様子でなるべく顔を見せないようにしながら警戒する。
すると、ギルド長は近くにいた女性職員に何か一言二言話した後に再び奥の部屋へと戻っていった。
何をしていたんだ?
ギルド長と話していた職員をジッと見ていると彼女はそのまま厨房の方へと向かっていった。
もしかして食事を注文していたのだろうか?
確認するためにもカイも厨房の方へと向かっていく。
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