32 / 33
魔物襲来! 壊された城壁(4)
しおりを挟む
そして、研吾たちはモロゾフの家の前へとやってくる。扉を軽くノックすると中から「誰だ」という声が聞こえ、扉が開く。
「なんだ、先生か? どうしたんだ?」
「実は――」
研吾はモロゾフに土魔法のことを相談する。
「確かに俺は土魔法が使えるが、この町の周り一体に堀を作るのか……。出来なくはないが少し大変そうだな」
「出来るのですか?」
「あぁ、ただ日にちと労力が必要だな。一月くらいは見て欲しい」
(一月か……魔物が襲ってくるまでの期日次第だな)
ただ、魔物襲撃の期日までにさえ間に合えばできるということは研吾の自信につながった。これで問題のうちの一つ、安全に撃退するという部分はクリア出来たわけだ。
城壁だけでなく、堀の二段構えになるとすぐに城壁にダメージがいかないし、水でも張っておけば魔物の進行を抑えることもできるだろう。
その間に遠距離からの攻撃で魔物を倒してしまえばいい。
この倒し方ならそうそうけが人も出ないだろう。
ただ、周りに堀を作るなら橋も作っておかないとね。門の前の部分に……。
これは土魔法で掘り始めた時に同時進行で作っていこう。
一通り考えをまとめた研吾はモロゾフに話がまとまったらまた連絡することだけを伝えて、壊れた城壁の部分を見に行くことにした。
バルドールに指示は出したけど、果たしてちゃんと工事してるだろうか?
どうしても自分がいる見ているわけじゃないので不安を隠しきれない研吾。
しかし、そんな心配はどうやら杞憂だったようだ。
バルドールは大臣が手配してくれた人たちを使い、壊れていた城壁を修復していってくれていた。
ただ、使っている素材……それがおおよそ壁を構成してるものに見えなかった。水より少し粘り気がある液体。それをその部分にかけるとコンクリート壁のような灰色の壁が盛り上がってくる。これを何度も繰り返し、壊れた部分を修復していっていた。
「あれはなに?」
その液体を指差してミルファーに聞いてみる。
「あれは凝石液ですね。かけた部分に土の魔力を集めて、そのまま壁にする薬にだよ」
そんな便利なものが……あれっ、それなら——。
「今まで家を作るのもその薬で作れば簡単だったんじゃないの?」
「いえ、あの薬はとても高価なものになるんですよ。今回の壁の補修は緊急ですから大臣様が用意してくれたんでしょうね」
高価……、あまり聞きたくないが念のためミルファーに値段を聞いてみると、それ一本で研吾が今まで直してきた家が全て直せ、その上でお釣りが帰ってくるほどの値段だった。
「それはさすがに普通の家には使えないね。でも、あれを使ってるならとりあえず壁の修復は問題ないね。応急処置だから本格的な修繕もしないといけないだろうけど。あっ、そうだ。ミリス、念のためにあの薬をかけて直した部分の壁——。あれも調べといてくれない?」
少し気になることがあったので一緒についてきていたミリスに探知の魔法を頼む。
「探知の魔法? わかったよー、その代わり晩御飯おごってね」
あっさりと対価を求めてくるところがミリスらしい。苦笑いを浮かべながら研吾は頷いた。
新しくできた壁の部分を調べてもらうと研吾の想像通り、とある事実がわかった。
「あの壁、魔力耐性が殆どないね。 魔法で攻撃されたらすぐに壊れるよ」
壁を作るのに魔力を使ってるからもしかしたらと思ったけど、やはり壁本体には殆ど魔力耐性が残されていないようだった。
「ならやはり魔力耐性を引き上げることは優先しないとね」
研吾は紙を取り出すと達成の見込みがついたものに横線を入れていき、『魔力耐性が低下した壁の強化』の隣に最優先の文字を書き加える。
「ただ魔力耐性を強化するには魔吸石が必要だから、それだけの量を集められるか……」
「聞きに行くしかないですね。モロゾフさんのところに行きますか?」
「どうしてモロゾフさん?」
前、魔吸石を買ったのはただの道具屋さんだ。
「だって、魔吸石といえばドワーフの町の名産物ですよ?」
あっ、そうだったんだ……。
「なら大量に準備できるかをモロゾフさんに聞いてみれば——」
「はい、もしかしたらこの問題も解決できるかもしれませんね」
ということで早速モロゾフの家に向かう研吾たち。
モロゾフはちょうど旅立つ準備をしていたようで研吾は間一髪、家を出る前のモロゾフを捕まえることができた。
「おや、先生か。どうしたんだ? これから昨日話していた土魔法が使えるものを集めに行くんだが……」
「その前に少し聞きたいことがあるんですよ」
研吾は壁の補修に魔吸石が足りないことを説明する。
「わかった。向こうに行ったときに聞いておいてやるよ」
「ありがとうございます」
これであとは返事待ちだな。
今できることはしたので、そのことを大臣に説明しに行く。
「ケンゴ様、どうかされましたか?」
すでに研吾に見つかったからか、大臣は手作りのお城を目の前に置いたまま対応する。
「実は城壁のことなんですけど——」
「あぁ、バルドールから聞いてるよ。相変わらず仕事が早いな」
いきなり褒められる。どういうことだろう?
「あっ、いえ、その話ではなくて……、というかまだ仕事もこれからかかるのですけど?」「でも今朝方にバルドールが凝石薬を持って行ったぞ。あれで早速壁の修繕を始めたのだろう?」
「確かに壁の修繕は始めましたけどあれは応急処置ですよ」
「どういうことだ?」
「あの薬を使うと壁は出来ますけど、その壁は魔力の耐性が低いんですよ。だからあくまでも応急処置なんですよ」
そして、研吾は今のところ準備していることを大臣に説明する。
「魔力耐性を上げるために必要な魔吸石。あと、周りの堀を掘るための人材を集めるためにドワーフ族のモロゾフさんが動いてくれています。今はそれを待っている状況です。ただ、魔法を使ってくるような魔物が現れたらそのときは警戒してくださいね」
「あぁ、わかった。伝えておこう」
これでひとまず問題はないだろう。
「ではまた修繕が書かれるように鳴ったら報告に来ますね」
「よろしく頼む」
研吾が帰る素振りを見せるとそわそわとし始める大臣。おそらく作っている途中の模型のことが気になるのだろう。研吾は苦笑いしながら部屋を後にした。
そして、ドワーフ族の村に向かったモロゾフが帰ってきた。
しかしモロゾフ一人帰ってきたわけではなく、数人のドワーフの男性を引き連れて帰ってきた。しかも、その後ろには魔吸石と見られる石がたくさん運ばれてきていた。
「先生にはすごくお世話になったからな。その恩に報いるために頑張ったぞ」
モロゾフは胸をぴんと張ってうれしそうにしていた。
「ありがとうございます。おかげで助かりました」
研吾はお礼を言う。すると、モロゾフが研吾の肩を叩き首を横に振る。
「いや、作業はこれからだ。早速指示をしてくれ」
「そうですね。ただ、まずは大臣に話をしてきますので、今日のところは休んでてもらえますか?」
そこまで言ったあとで研吾は宿のことをどうするか考えていなかったことに気付く。すると隣からミルファーが肩を軽く突いてくる。
「どうかしたの?」
小声でミルファーに聞いてみるとミルファーも合わせたように小声で話しかけてくる。
「宿でしたら大臣様が準備されているそうですよ。私がそちらにお連れしますね」
そこまで動いてくれていたんだ。研吾は少し安心して後のことはミルファーに任せた。
その後、研吾は大臣に報告に行った。その際、翌日から堀を作り始めることの承諾を得ておく。
「なんだ、先生か? どうしたんだ?」
「実は――」
研吾はモロゾフに土魔法のことを相談する。
「確かに俺は土魔法が使えるが、この町の周り一体に堀を作るのか……。出来なくはないが少し大変そうだな」
「出来るのですか?」
「あぁ、ただ日にちと労力が必要だな。一月くらいは見て欲しい」
(一月か……魔物が襲ってくるまでの期日次第だな)
ただ、魔物襲撃の期日までにさえ間に合えばできるということは研吾の自信につながった。これで問題のうちの一つ、安全に撃退するという部分はクリア出来たわけだ。
城壁だけでなく、堀の二段構えになるとすぐに城壁にダメージがいかないし、水でも張っておけば魔物の進行を抑えることもできるだろう。
その間に遠距離からの攻撃で魔物を倒してしまえばいい。
この倒し方ならそうそうけが人も出ないだろう。
ただ、周りに堀を作るなら橋も作っておかないとね。門の前の部分に……。
これは土魔法で掘り始めた時に同時進行で作っていこう。
一通り考えをまとめた研吾はモロゾフに話がまとまったらまた連絡することだけを伝えて、壊れた城壁の部分を見に行くことにした。
バルドールに指示は出したけど、果たしてちゃんと工事してるだろうか?
どうしても自分がいる見ているわけじゃないので不安を隠しきれない研吾。
しかし、そんな心配はどうやら杞憂だったようだ。
バルドールは大臣が手配してくれた人たちを使い、壊れていた城壁を修復していってくれていた。
ただ、使っている素材……それがおおよそ壁を構成してるものに見えなかった。水より少し粘り気がある液体。それをその部分にかけるとコンクリート壁のような灰色の壁が盛り上がってくる。これを何度も繰り返し、壊れた部分を修復していっていた。
「あれはなに?」
その液体を指差してミルファーに聞いてみる。
「あれは凝石液ですね。かけた部分に土の魔力を集めて、そのまま壁にする薬にだよ」
そんな便利なものが……あれっ、それなら——。
「今まで家を作るのもその薬で作れば簡単だったんじゃないの?」
「いえ、あの薬はとても高価なものになるんですよ。今回の壁の補修は緊急ですから大臣様が用意してくれたんでしょうね」
高価……、あまり聞きたくないが念のためミルファーに値段を聞いてみると、それ一本で研吾が今まで直してきた家が全て直せ、その上でお釣りが帰ってくるほどの値段だった。
「それはさすがに普通の家には使えないね。でも、あれを使ってるならとりあえず壁の修復は問題ないね。応急処置だから本格的な修繕もしないといけないだろうけど。あっ、そうだ。ミリス、念のためにあの薬をかけて直した部分の壁——。あれも調べといてくれない?」
少し気になることがあったので一緒についてきていたミリスに探知の魔法を頼む。
「探知の魔法? わかったよー、その代わり晩御飯おごってね」
あっさりと対価を求めてくるところがミリスらしい。苦笑いを浮かべながら研吾は頷いた。
新しくできた壁の部分を調べてもらうと研吾の想像通り、とある事実がわかった。
「あの壁、魔力耐性が殆どないね。 魔法で攻撃されたらすぐに壊れるよ」
壁を作るのに魔力を使ってるからもしかしたらと思ったけど、やはり壁本体には殆ど魔力耐性が残されていないようだった。
「ならやはり魔力耐性を引き上げることは優先しないとね」
研吾は紙を取り出すと達成の見込みがついたものに横線を入れていき、『魔力耐性が低下した壁の強化』の隣に最優先の文字を書き加える。
「ただ魔力耐性を強化するには魔吸石が必要だから、それだけの量を集められるか……」
「聞きに行くしかないですね。モロゾフさんのところに行きますか?」
「どうしてモロゾフさん?」
前、魔吸石を買ったのはただの道具屋さんだ。
「だって、魔吸石といえばドワーフの町の名産物ですよ?」
あっ、そうだったんだ……。
「なら大量に準備できるかをモロゾフさんに聞いてみれば——」
「はい、もしかしたらこの問題も解決できるかもしれませんね」
ということで早速モロゾフの家に向かう研吾たち。
モロゾフはちょうど旅立つ準備をしていたようで研吾は間一髪、家を出る前のモロゾフを捕まえることができた。
「おや、先生か。どうしたんだ? これから昨日話していた土魔法が使えるものを集めに行くんだが……」
「その前に少し聞きたいことがあるんですよ」
研吾は壁の補修に魔吸石が足りないことを説明する。
「わかった。向こうに行ったときに聞いておいてやるよ」
「ありがとうございます」
これであとは返事待ちだな。
今できることはしたので、そのことを大臣に説明しに行く。
「ケンゴ様、どうかされましたか?」
すでに研吾に見つかったからか、大臣は手作りのお城を目の前に置いたまま対応する。
「実は城壁のことなんですけど——」
「あぁ、バルドールから聞いてるよ。相変わらず仕事が早いな」
いきなり褒められる。どういうことだろう?
「あっ、いえ、その話ではなくて……、というかまだ仕事もこれからかかるのですけど?」「でも今朝方にバルドールが凝石薬を持って行ったぞ。あれで早速壁の修繕を始めたのだろう?」
「確かに壁の修繕は始めましたけどあれは応急処置ですよ」
「どういうことだ?」
「あの薬を使うと壁は出来ますけど、その壁は魔力の耐性が低いんですよ。だからあくまでも応急処置なんですよ」
そして、研吾は今のところ準備していることを大臣に説明する。
「魔力耐性を上げるために必要な魔吸石。あと、周りの堀を掘るための人材を集めるためにドワーフ族のモロゾフさんが動いてくれています。今はそれを待っている状況です。ただ、魔法を使ってくるような魔物が現れたらそのときは警戒してくださいね」
「あぁ、わかった。伝えておこう」
これでひとまず問題はないだろう。
「ではまた修繕が書かれるように鳴ったら報告に来ますね」
「よろしく頼む」
研吾が帰る素振りを見せるとそわそわとし始める大臣。おそらく作っている途中の模型のことが気になるのだろう。研吾は苦笑いしながら部屋を後にした。
そして、ドワーフ族の村に向かったモロゾフが帰ってきた。
しかしモロゾフ一人帰ってきたわけではなく、数人のドワーフの男性を引き連れて帰ってきた。しかも、その後ろには魔吸石と見られる石がたくさん運ばれてきていた。
「先生にはすごくお世話になったからな。その恩に報いるために頑張ったぞ」
モロゾフは胸をぴんと張ってうれしそうにしていた。
「ありがとうございます。おかげで助かりました」
研吾はお礼を言う。すると、モロゾフが研吾の肩を叩き首を横に振る。
「いや、作業はこれからだ。早速指示をしてくれ」
「そうですね。ただ、まずは大臣に話をしてきますので、今日のところは休んでてもらえますか?」
そこまで言ったあとで研吾は宿のことをどうするか考えていなかったことに気付く。すると隣からミルファーが肩を軽く突いてくる。
「どうかしたの?」
小声でミルファーに聞いてみるとミルファーも合わせたように小声で話しかけてくる。
「宿でしたら大臣様が準備されているそうですよ。私がそちらにお連れしますね」
そこまで動いてくれていたんだ。研吾は少し安心して後のことはミルファーに任せた。
その後、研吾は大臣に報告に行った。その際、翌日から堀を作り始めることの承諾を得ておく。
0
お気に入りに追加
204
あなたにおすすめの小説
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる