異世界建築家

空野進

文字の大きさ
上 下
12 / 33

魔法で大穴が開いた家(3)

しおりを挟む
 それから時間になったのでアンドリューたちは旅に出発した。しかし、どこか心ここに在らずだった。


「本当にあれだけのことをしてお金足りるのかな……?」


 せっかくの二人の旅なのにそのことばかり気になるアンドリュー。元はと言えば自分がしてしまったこと。それを反省をしながらもあの研吾という少年に任せて本当に良かったのかと不安になる。
 噂では村はずれに住む鍛治狂いのガリューの家を直したと聞く。

 その結果、閑古鳥の鳴いていた鍛冶屋が一転、大繁盛の有名店になってしまった。

 きっと相当お金を使って直してもらったのだろう。そこまで出来る研吾の腕は間違いない。それはわかる。しかし、うちは壁が壊れただけ……。それをあんな——増築させて訓練場を作る図面を見せられて、時間が経過するごとに喜びよりも不安が強くなっていった。

 メルモは嬉しそうな様子で研吾の説明を聞いていた。ただ、それほどのものをたかだか金貨五枚程度で……。一体どんなものが出来上がるのだろう……。


「あなた、また渋い顔をなさってどうされましたか?」


 せっかくの旅なのにあまり笑顔を見せないアンドリューに不安を覚えたメルモは躊躇いながらも問いかける。


「……いや、なんでもない。それよりももうすぐメルモの故郷だ! 楽しみだなぁ……」


 無理やり笑顔を作る。しかし、アンドリューに何か不安なことがあるのはメルモにはお見通しだった。その上で自分に話さないということは手の加えようがない——待つことしかできないんなんだと理解する。アンドリューの優しさにほだされながらその哀愁漂う横顔を眺めていた。



 何かと上の空だったアンドリューだが、メルモの実家に行った時だけは余裕がなく、自宅のことを考える暇がなかったようだ。

 ガチガチに緊張し、機械のように動くアンドリューを見て、メルモは小さく微笑んでいた。

 そして一月が過ぎ、いよいよグラディス王国へ帰る日。アンドリューはソワソワとして意味もなくその場で行ったり来たりしていた。


「あなた、落ち着いてください」


 落ち着いた様子を見せていたメルモだが、彼女もよく見ると顔が引きつっている。彼女もアンドリューと同様に自宅がどのようになったのか気になるのだろう。


「お、おう、大丈夫だ」


 しかし、動揺しているアンドリューはメルモがおかしいことについぞ気づかなかった。


「よし、それじゃあ戻ろうか」
「はい、できるだけ急ぎましょうね」
「もちろんだ!」


 そうして、アンドリューたちは馬車を走らせ王都へと戻ってきた。そこで見た物は本当に増築された我が家だった。


「うそ……」


 メルモは口をポッカリと開け、惚けている。
 アンドリューだって信じられない気持ちだ。ちゃんと金貨五枚でできる改装にしてくれと言ったはずだ。本当にここまでできる物なのか、と。


「あっ、お帰りなさい!」


 まるで帰りを待っていたかのように出迎える研吾。その顔はどこか達成感と自信に満ちていた。


「改装は終わったんだね」


 すべてを悟ったかのようにぼそりと呟くアンドリュー。それを見た研吾も満面の笑みでほほえむ。


「はい、早速見てみますか?」
「は、はい――」
「いや、まずはかかった費用のことなんだが……いくらになったんだ?」


 メルモはすぐにでも見たそうだったがこれを聞かないとゆっくり見て回れないアンドリューは妻の言葉を遮って研吾に問いかける。


「それもそうですね。気にされているようですからそちらからいきましょうか」


 研吾は小さな鞄の中から一枚の紙を取り出す。そこにはなにやら細かい文字の羅列がびっしりと書かれている。


『請求書』
 アンドリュー様
 工事費合計【金貨一枚、銀貨五十七枚】を請求させていただきます。
 詳細は二枚目をご確認ください。


 そこには改装にかかった費用が書かれていたのだが数字の羅列だけを見たアンドリューはそれを信じられずに研吾に問いかける。


「この数字は一体?」
「改装にかかった費用になります」
「う……そだろ!?」


 もう一度その紙を食い入るように眺めるアンドリュー。越えるかもしれないと思っていた費用。しかし実際にかかったのは越えるどころか予算の半分以下の金額。あまりの安さに驚いて口をパクパクと動かし声にならない声を上げる。それが気になったメルモも隣からその紙を覗いてくる。


「えっ、たったこれだけで?」
「はい、これだけあれば十分です」


 自信たっぷりといった感じに身動き一つしない研吾。その目はまっすぐアンドリューを捉えている。心配だった予算のことは解消された。そうなるとこの予算で一体どのくらいのことが出来たのか気になってくる。


「この費用で大丈夫ですか?」


 研吾が聞いてくる。でもアンドリューの予算は金貨五枚だと伝えてある。よほどのことがないと断られないと踏んでいるのかその態度は一切変わらず微笑んでいる。


「もちろんです! さっそく中を見させてもらっても?」
「ええ、行きましょう」


 研吾がドアを開けると手で誘導してくれる。その動きはどこか優雅さを醸し出している。


「まずは穴が開いた部屋ですが、このように建具をつけて隣の庭だった訓練場への入り口に治させていただきました」


 研吾がまず案内してくれたのは使っていない物置代わりの部屋だった。そこに開いた穴はきれいさっぱりなくなりほとんど最初の頃と変わらない壁がそこにはあった。


「き、きれいに治せるんだな」
「いえ、本当ならもっときれいに仕上げたかったところなんですけど、やはり補修しただけになりますので……この辺とか注視してもらうとどうしても微妙に色が違うんですよ」


 研吾のその言葉にアンドリューは近づいてよく見てみる。確かに壊れていなかった壁の色と比べてほんの少し明るい気がする。ただ、それは目と鼻の先まで近づいて初めてわかるくらいの違い――。それ以上にここまできれいに出来ることに驚きに色が隠せなかった。


「すごいなぁ……」


 それ以外の言葉が出てこなかった。それはメルモも同じようだった。


「さぁ、ここで終わりじゃないですよ。次の部屋も見てみましょう」


 研吾は心ここにあらずの二人に声をかけるとこの部屋の建具を開け放つ。すると目の前に広がるのはかなり広い訓練場。降りるには段差二段分ほどあるがそれはこの訓練場が屋内なのに床が土で出来ていた。


「この広さだと一人で使うのがもったいないなぁ」


 アンドリューは目を輝かせ、訓練場の中を行ったり来たりしていた。そして、壁を触ってそのざらついた素材に首を傾げていた。


「これは?」
「そうですね。それを調べるためにも壁に思いっきり魔法を打って貰えませんか?」
「そ、そんなこと出来るわけないだろう! せっかくきれいにしてくれたのに」
「いえ、アンドリューさんの魔法が防げないとなると失敗です。もう一度作り直す必要がありますから」
「本当に良いんだな?」


 疑心暗鬼になりながらアンドリューがその意図を量るかのように目を鋭く細めて研吾を睨み付ける。


「はい、お願いします」
「あ、あなた……、まさかほんとうにやるつもりなの!?」
「あぁ、ここまでしてくれた先生が言うんだ。試す必要があるんだろう」


 アンドリューは手を突き出すと軽く魔法を放った。彼の手から飛び出してきたのは小さな炎でそれはゆっくりと進んで壁に当たる。そしてそのまま消え去った。


「……手加減していませんか?」


 目を細めた研吾に全て見透かされる。


「やっぱり本気で打たないとダメか?」
「はい、お願いします」


 再度研吾から頼まれる。もうこうなったら自棄だと己が最大の魔法を放つ。それは雷が落ちたと錯覚させるほどの轟音を鳴らしながらまっすぐ訓練場の壁を目掛けて進んでいく。そして、鈍い衝突音と煙をまき散らして魔法は消滅する。

(傷ついてもいい。どうか壊れないでくれ!)

 頭の中で必死に壁の無事を祈るアンドリュー。しかし、結果は彼の予想を大幅に反していた。煙が晴れてくるとそこには傷一つついていないまっさらな壁が姿を現す。


「な、なんで?」
「魔吸石です」
「魔吸石だと!?」


 確かに魔吸石なら魔法を防ぐことが出来るだろう。でも、あれは相当高価なものだ。住宅の壁に使うなど聞いたことない。いや、さっきもらった費用のところにはちゃんと魔吸石と書かれている。つまり使用されていることには違いないだろう。しかしその数……明らかに少なすぎる。どう考えてもこの訓練場を覆えるほどの数ではない。……そうか。


「魔吸石が使われているのはここのほんの一部の壁なんだな。そこに魔法を打てば――」
「いえ、この訓練場ならどこを打っていただいても同じ結果ですよ」


 アンドリューの予想は外れた。それならどうやってと必死に考えるが理由は思いつかない。


「降参だ。教えて貰えないか?」
「いいですよ。実はこの壁、粘着草を絞ったものに魔吸石のかけらを砕いたものを混ぜて作ってあるんですよ。つまり表面だけ魔法の耐性があるんです。いついかなる場所から使われるかわからないお城や城壁と違ってここなら魔法を使うのは訓練場内だけ。つまり魔法耐性を持たせるのは内側の壁だけで良かったのですよ」


 言われてみると納得出来る。しかし魔吸石がまさかかけらになっても効果を発揮するとはな。


「実はこの壁に使うのはどの素材がいいか色々と試したのですよ」


 そう言うと研吾はいかにしてこのような魔法に強い壁が出来たのかを教えてくれる。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

虐げられた令嬢、ペネロペの場合

キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。 幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。 父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。 まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。 可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。 1話完結のショートショートです。 虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい…… という願望から生まれたお話です。 ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。 R15は念のため。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた

杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。 なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。 婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。 勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。 「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」 その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺! ◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。 婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。 ◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。 ◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。 ◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます! 10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!

余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました

結城芙由奈 
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】 私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。 2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます *「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています ※2023年8月 書籍化

【完結】公女が死んだ、その後のこと

杜野秋人
恋愛
【第17回恋愛小説大賞 奨励賞受賞しました!】 「お母様……」 冷たく薄暗く、不潔で不快な地下の罪人牢で、彼女は独り、亡き母に語りかける。その掌の中には、ひと粒の小さな白い錠剤。 古ぼけた簡易寝台に座り、彼女はそのままゆっくりと、覚悟を決めたように横たわる。 「言いつけを、守ります」 最期にそう呟いて、彼女は震える手で錠剤を口に含み、そのまま飲み下した。 こうして、第二王子ボアネルジェスの婚約者でありカストリア公爵家の次期女公爵でもある公女オフィーリアは、獄中にて自ら命を断った。 そして彼女の死後、その影響はマケダニア王国の王宮内外の至るところで噴出した。 「ええい、公務が回らん!オフィーリアは何をやっている!?」 「殿下は何を仰せか!すでに公女は儚くなられたでしょうが!」 「くっ……、な、ならば蘇生させ」 「あれから何日経つとお思いで!?お気は確かか!」 「何故だ!何故この私が裁かれねばならん!」 「そうよ!お父様も私も何も悪くないわ!悪いのは全部お義姉さまよ!」 「…………申し開きがあるのなら、今ここではなく取り調べと裁判の場で存分に申すがよいわ。⸺連れて行け」 「まっ、待て!話を」 「嫌ぁ〜!」 「今さら何しに戻ってきたかね先々代様。わしらはもう、公女さま以外にお仕えする気も従う気もないんじゃがな?」 「なっ……貴様!領主たる儂の言うことが聞けんと」 「領主だったのは亡くなった女公さまとその娘の公女さまじゃ。あの方らはあんたと違って、わしら領民を第一に考えて下さった。あんたと違ってな!」 「くっ……!」 「なっ、譲位せよだと!?」 「本国の決定にございます。これ以上の混迷は連邦友邦にまで悪影響を与えかねないと。⸺潔く観念なさいませ。さあ、ご署名を」 「おのれ、謀りおったか!」 「…………父上が悪いのですよ。あの時止めてさえいれば、彼女は死なずに済んだのに」 ◆人が亡くなる描写、及びベッドシーンがあるのでR15で。生々しい表現は避けています。 ◆公女が亡くなってからが本番。なので最初の方、恋愛要素はほぼありません。最後はちゃんとジャンル:恋愛です。 ◆ドアマットヒロインを書こうとしたはずが。どうしてこうなった? ◆作中の演出として自死のシーンがありますが、決して推奨し助長するものではありません。早まっちゃう前に然るべき窓口に一言相談を。 ◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。が、他作品とリンクする予定は特にありません。本作単品でお楽しみ頂けます。 ◆この作品は小説家になろうでも公開します。 ◆24/2/17、HOTランキング女性向け1位!?1位は初ですありがとうございます!

婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです

青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。 しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。 婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。 さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。 失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。 目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。 二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。 一方、義妹は仕事でミスばかり。 闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。 挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。 ※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます! ※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。

魅了だったら良かったのに

豆狸
ファンタジー
「だったらなにか変わるんですか?」

処理中です...