10 / 92
10:ヒーロー側【仮面をかぶるのが大変】と連動
しおりを挟む
メイドからの、ラクシュ様との進展に関してあれこれ突っ込まれつつもなんとかそれを躱し…妹の結婚のお祝いをどうしようかという話にすり替える事に成功したのだけれど…急な事だったし、品物はいいとしても、どのお店で、どういった柄のものがいいのかがなかなか決まらない。
こういう物は、大抵品物が被らないように話し合いをするのだけれど…家族がまず決めて、次に親戚、友達…と、近しい者から優先的に決める物。なので…まずは両親が決めるべきなのだけれど…この国では、電撃結婚もよくあるから、こういう時は、ナイトドレスやペアカップ、食器なんかを両親から贈られる。
多分…両親はナイトドレスを贈るのではと思うのだけれど。今、両親は結婚のお知らせの手紙を用意するのが忙しくて、話もできないし。
「ペアカップ辺りならいいんじゃないですかねぇ。ご兄弟で贈るとなると、お茶会用のセットをいろんなデザインで贈るのも、ありますね」
「そうねぇ。おそらく王都でそのまま暮らすのでしょうし…お茶会用のセットでもいいかもしれませんね」
ただ、あの子がそういう催しものを上手くこなせるかどうかという所ですが。
「後は柄と、お店、ですね。柄…」
「お店は、母に聞けばいいのだけれど…あの子のセンスだと、こう、派手な柄を選ぶのですけれど、流石にスウェン様や、お家の事もありますし、困りましたわね」
うーん。と、二人して悩んでいると、ノックの音が。そうして、騎士様がいらしたのだという。
「特にお約束はしていませんけれど」
「それは、ラクシュ=ノア=ディベル様もおっしゃられておりました。ご都合が悪くなければ、一緒に結婚祝いを見にいきませんかとおっしゃられて…」
そう、呼びに来たメイドに言われて、顔を見合わせてしまった。ある意味丁度いいと言えば丁度いいのだけれど…でも、まだ両親に品物も聞いていないし、それに…
「準備に時間が掛かるわ。お忙しい騎士様に、ご迷惑をおかけする訳にはいきませんもの。お断りして」
「それが…その、いくらでも待つからと…どうしましょうか」
…これではいかない訳にはいかなくなったわ。忙しい、とは今更だし、結婚祝いの品に困っていたのも事実。スウェン様は、ラクシュ様の本家の、息子であって、親戚だからいい意見が聞けるかもしれないし。
「分かりました。では…お父様とお母さまにもお祝いのお品を確認しますから、2時間…いえ、1時間半程お待ちいただいても良いか、お尋ねしてちょうだい」
そうお願いして、まずは…
「相談してきますから、以前の様な、街に行く恰好を用意しておいてくださる?」
と、お願いして、私は両親の部屋へ向かう。
確かに、結婚祝いをどうしようかと迷っていたけれど…昨日の今日で、また一緒に出掛けるだなんて思いもよらなかったわ。強く言って、断ることも出来たはずなのに、少し…うきうきしてしまうのは、どうしてかしらね。
こういう物は、大抵品物が被らないように話し合いをするのだけれど…家族がまず決めて、次に親戚、友達…と、近しい者から優先的に決める物。なので…まずは両親が決めるべきなのだけれど…この国では、電撃結婚もよくあるから、こういう時は、ナイトドレスやペアカップ、食器なんかを両親から贈られる。
多分…両親はナイトドレスを贈るのではと思うのだけれど。今、両親は結婚のお知らせの手紙を用意するのが忙しくて、話もできないし。
「ペアカップ辺りならいいんじゃないですかねぇ。ご兄弟で贈るとなると、お茶会用のセットをいろんなデザインで贈るのも、ありますね」
「そうねぇ。おそらく王都でそのまま暮らすのでしょうし…お茶会用のセットでもいいかもしれませんね」
ただ、あの子がそういう催しものを上手くこなせるかどうかという所ですが。
「後は柄と、お店、ですね。柄…」
「お店は、母に聞けばいいのだけれど…あの子のセンスだと、こう、派手な柄を選ぶのですけれど、流石にスウェン様や、お家の事もありますし、困りましたわね」
うーん。と、二人して悩んでいると、ノックの音が。そうして、騎士様がいらしたのだという。
「特にお約束はしていませんけれど」
「それは、ラクシュ=ノア=ディベル様もおっしゃられておりました。ご都合が悪くなければ、一緒に結婚祝いを見にいきませんかとおっしゃられて…」
そう、呼びに来たメイドに言われて、顔を見合わせてしまった。ある意味丁度いいと言えば丁度いいのだけれど…でも、まだ両親に品物も聞いていないし、それに…
「準備に時間が掛かるわ。お忙しい騎士様に、ご迷惑をおかけする訳にはいきませんもの。お断りして」
「それが…その、いくらでも待つからと…どうしましょうか」
…これではいかない訳にはいかなくなったわ。忙しい、とは今更だし、結婚祝いの品に困っていたのも事実。スウェン様は、ラクシュ様の本家の、息子であって、親戚だからいい意見が聞けるかもしれないし。
「分かりました。では…お父様とお母さまにもお祝いのお品を確認しますから、2時間…いえ、1時間半程お待ちいただいても良いか、お尋ねしてちょうだい」
そうお願いして、まずは…
「相談してきますから、以前の様な、街に行く恰好を用意しておいてくださる?」
と、お願いして、私は両親の部屋へ向かう。
確かに、結婚祝いをどうしようかと迷っていたけれど…昨日の今日で、また一緒に出掛けるだなんて思いもよらなかったわ。強く言って、断ることも出来たはずなのに、少し…うきうきしてしまうのは、どうしてかしらね。
0
お気に入りに追加
210
あなたにおすすめの小説
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
お姉さまが家を出て行き、婚約者を譲られました
さこの
恋愛
姉は優しく美しい。姉の名前はアリシア私の名前はフェリシア
姉の婚約者は第三王子
お茶会をすると一緒に来てと言われる
アリシアは何かとフェリシアと第三王子を二人にしたがる
ある日姉が父に言った。
アリシアでもフェリシアでも婚約者がクリスタル伯爵家の娘ならどちらでも良いですよね?
バカな事を言うなと怒る父、次の日に姉が家を、出た
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
何もできない王妃と言うのなら、出て行くことにします
天宮有
恋愛
国王ドスラは、王妃の私エルノアの魔法により国が守られていると信じていなかった。
側妃の発言を聞き「何もできない王妃」と言い出すようになり、私は城の人達から蔑まれてしまう。
それなら国から出て行くことにして――その後ドスラは、後悔するようになっていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる