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4章:偽装結婚を提案されました

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 松田さんに言われるままにイメージをして魔法を使うという作業をすること1時間程。いやもうほんと神様もうちょっと安全管理した方がよくない?って感想しか出てこない。
 だって、同じ日本人で言われた事をイメージしやすいからって、ヒーロー物とかでよくある爆発して吹っ飛ぶ感じのやつ想像してあの木ふっとばして。とか言われてイメージしたら本当に爆発が起きたからね…
 落雷とか地震とか自然災害なんかも網羅したわよ…さすがにかまいたちはイメージが付かなくて、ちょっとした竜巻位しか起こせなかったけど。

「でも、この竜巻だってもっと風速強ければ体勢崩すとか出来るし、訓練次第かなぁ」
「いや、訓練しませんよ…」
「しないの?これ出来れば傷つけず…とはいかないかもしれないけど、逃げる時間は稼げるよ」
「それならまだ壁出す方が楽ですね」

 うん、某妖怪の感じでイメージしたら壁がどどんと出現したのは驚いたわよ。

「壁かぁ。高梨さんってあのアニメよく見てた?見てたならその妖怪の効果、全部つかえそうなんだけど」
「よくは見てないですね。ただ、主要キャラって色々なところで出るので…覚えてただけです」

 そうなのよね、大人気アニメだからか、バラエティとか地方ニュースとかでも出たりするからね。

「ま、でもこれでゆるさが分かったでしょ」
「はい。ものすんごくわかりました」

 松田さんの誘導が上手くてイメージしやすかったのもあるけど、うっかりイメージしない様にするのが大変だわ。

「そろそろいいか?こっちもお茶と食事の用意ができたぞ」

 キルギスさんから呼びかけられて、そこへと行けば…いつの間にやらブロック状の石でコンロの様にされた上でお鍋がくつくつと煮えている。もう一つの方は焼串のようで、地面に突き立てられている。

「わぁ、おいしそう。キルギスさんありがとうございます」
「いや、いいよ。こっちの肉は来る時に言っていた鹿の肉だ。街でも売ってるから買っておいたものだよ。パンに挟むか?野菜もあるが一緒に挟むのもいいだろう」
「じゃあ、いっしょに挟みます」
「あ、俺も俺も~あ、俺トマトに似たやつ持ってるけどいる?」
「ください!っていうかトマトに似たやつ、ですか?」
「うん。色が黄色いし、大きさが…こう、メロン位あるんだけどね…」

 味がトマトなんだよねぇ。と、遠い目をする松田さん。キルギスさんが、ここで切るのが大変だろうというけれど、松田さんは細かく切った物を器に入れた状態で持っているのだとか。

「じゃあ、ここに出しとく。旅とかだとこういうのアイテムボックスに入れておかないと、生野菜食べられないからさぁ」
「確かにそうだな。私達機関ではスカイホースが使えるからそこまでではないが…ハンターは泊まり込みながらポイントまで行く時もあるしな」
「護衛で他の街に行く時もそうだねぇ。俺は護衛しないけど」

 盗賊相手になると嫌だから、という。やらなきゃいけないときはやるらしいけど、避けられるなら避けたいからっていうのは…うん、まあわかる。
 それはともかくとして、パンに挟んだお肉と野菜でちょっとしたサンドイッチを食べる。お肉にしっかり味付けされていて、すごくおいしい。っていうかこれしょうゆかな。甘味もあるから照り焼き?串焼きなのにこんなにしっかり味が付いてるなんておいしくて幸せ~
 お鍋で煮ているスープはウサギの肉を少しだけ入れて、根菜類を煮たスープだった。長時間煮込んだからお肉も野菜もほくほくて口の中にいれるとほろりと崩れるのがすごくおいしい。

「キルギスさんって、何気に料理上手ですよね…」
「ありがとう。こういう料理は見回りで何度もやっているからな…味付けは…そこの松田から色々とな」

 あー…そういえばいつぞやのキャンプでも煮物もだけれど、芋とか餅とか持ってきてたし、なんか慣れてるとは思ってたけど。

「ごはんってやっぱりおいしい方がいいじゃん?」

 それは同意するし、なんなら広めてほしい所だけど…続けられた言葉に突っ込まずにはいられなかった。いい匂いに釣られて害獣に襲われることもあるとか聞きたくなかった!
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