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3章:異世界と日本との二重生活の始まり

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 イケメン笑顔にダメージを食らっていると、領主様は松田さんに執事を部屋に入れていいか確認する。了承すると奥様がドアを開き、執事が入ってくる。
 その手にはお盆があって、木箱が乗ってるけど…テーブルの上に置かれた木箱には、腕輪と何か袋に入った物が乗ってるけど?

「これはどちらがいいか選んでもらおうと思ってね。この国で使える通貨と、この領地に限るがこの腕輪を見せれば支払いの必要がなくなるモノだよ」
「はい?」
「高梨さんはこっちのお金の方がいいかな。通貨の勉強もした方がいいからね~」

 え、いや…ちょっと待って、そんな何もしてないのに!?

「何も気にしなくていい。そもそも、落ち人は何も持たずに落ちてくるんだ。生活が安定するまで衣食住を補助するか、こうやって金銭を渡して補助をするのは当然なんだよ」

 そうでなければ元の世界に戻ってしまうからね。と、領主様は笑う。あー…昔と違って今は帰ることができるもんね。それだけでなく、これくらいで財政がひっ迫する程ではないと言われる。確かに、街もすごく賑わってたし…福祉みたいなものかな。

「では、ありがたくいただきます…」

 そのうち返したいけど。一応はね。

「服も用意してあげたいのだけれど、サイズが分からないからぴったりした物はサイズ直しが必要なのよ。この後、いいかしら?」
「あ、いえ、そんな」
「ワンピースや街の人たちが着るような服ならそこまでサイズを気にしなくていい物もあるだろ」
「いやねぇ、キルギス。気にしなくてもいい、ではないのよ。余り大きくても見栄えが悪くなる物もあるのですよ。それに…」

 好みもあるでしょう?と、ぴしゃりと言われて、キルギスさんはたじたじになっていた。母親強し…
 でも、確かにワンピースでも、腰回りがぶかぶかだとおかしく見える物もあるし。ベルトとかリボンできゅっとするといいんだけどね。

「では、機関の女性を呼びま、」
「あなたはこの私を信用ならないと?」
「あ、いや…そういう訳ではないのですが」
「ではおとなしく待っていなさい」

 そう言ってにっこり笑う奥様にいきましょうと誘われて、おとなしく従う事にする。


 奥様の後に付いて行った部屋は2~3部屋隣で、扉の外には女性…メイドさんなのかな。4、50代の女性がいた。扉を開かれて、中へと入れば、これまた若い子もいて、奥様含めて5人もいる。でも、着てる服が違う人が3人?

「マダム、お願いします。まずはサイズを測りましょう」
「ええ、そうですね。ドレスは必要ないでしょうが、いつ何が起きるか分かりませんし、街用の服でもサイズがありますからね」

 今日は合うものを探します。と言われたけれど…サイズ、と言っていたように、メジャーでいろいろと測られましたよ。
 測り終えると、合いそうなサイズはこの辺、と…壁一面にずらっと並んだ衣装を示された。うん、部屋に入ったら壁という壁にラックに掛けられた服がね、あったのよ。とはいえ、合うサイズの物だけにしたら2、30着位に減ったけど。

「サイズが合わない物はこちらへ移動しましょう。ただ、デザインの好みも知りたいので、気になるものがあれば教えてください」

 と、マダムに言われるけど、なんだかすっごいキラキラしいのとかドレスっぽい物があるんですが!?
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