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2章:日本へ戻ってきました
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という事で、片づけを済ませて車へ乗り込み、途中のコンビニで使用した物を北海道へと送る。すぐに北海道へ戻るのかと思ったら、せっかく東京に来たから遊んでから帰るそうで。
「まあ、あの駅に送ってくれればいいよ。丁度お昼になるだろうし、昼は付き合って欲しいけど」
と、そう言われて周辺のお店を調べて貰いながら運転していたのだけれど…
「そういえば、キルギスさん結構心配してたよー」
と、急に言われてなんと答えた物かと困ってしまった。
「元気でやってるかとか、そういうあたりさわりのない内容なんだけど、量がすごくて笑える」
「…量、ですか?」
「うん、手紙だったんだけど、紙のサイズ的に…A4よりは小さいけど、その用紙にびっちり5枚書いて寄越してさ」
心配する内容で5枚ってどういう事よ…そんなに書けるものかしら。
「ほら、一応あっちに落ちる理由として多いのが、逃げたい事があって、っていうのがある訳で」
俺みたいに能力を求められてとかもあるのにねぇ。と、笑う。
「能力を求められて、なんですか?」
「召喚とは違うから、100%それかどうかって聞かれると困るけど…多分魔法の進化の為じゃないかなって思ってる」
ああ…論理立ててしっかりした物に出来る人を、って事かな。
「…私の能力を求められて、の場合って…」
「うーん、ちょっとこの世界のナニを求められてるのかが分からないんだよねぇ。だからちょっと保留で」
保留…
「魂の片割れ説もありえるかなーとは思ってるんだよね」
ちょっと、急に何を言い出すのよ!どうしてもキルギスさんとくっつけたいのか!?
「でも、キルギスさんに助けられたけど…結構歩いてるし時間も経ってるので、それはないのでは」
「それはそうだけど、なんかねぇ…あ、その土地の豚肉と野草使った丼物屋がある。ここどう?」
「え、あ…はい、ではそこで」
いきなりお昼ご飯のお店の情報を言われて、そのまま答えてしまった。いいけどね…
「なんかさぁ、キルギスさんの反応がちょっとアレすぎて、その説もありかなーと思う訳で」
「…反応、ですか?」
「うん、まあこれでも10年…時々話したり、手紙でやり取りなんかしてる訳で。10年の間にも、女性を保護した事、一回あったんだよね~でも、その子まあかわいい子だったし、かなりキルギスさんにアタックしてたみたいなんだけど、全く無反応だったし」
たまたまじゃないのかな。可愛い系じゃなくて、綺麗系が好みとかもあるしね。それか話が合わなかったとかもあるしね。
「高梨さんが可愛いとか可愛くないとかそういう話じゃないよ?そこは間違えないで欲しいんだけど」
「いえ、自分が可愛いとは思ってませんし」
どんだけ自意識過剰な女なのよ。
「いやー綺麗系でしょ。まあ、俺は金髪碧眼にコロっといっちゃったし嫁以外食指動かないからいいんだけど、って、俺の事はどうでもよくて。同じ日本人だからっていうのもあるだろうけど、基本保護した人の情報なんて言っちゃいけないはずなんだよね」
個人情報保護法的な?でも名前とか言われてないし…
「多分電話番号とかもNGなはずなのにねぇ…そこまでするならなんで引き止めなかったんだろうね」
「それは…私が聞いたから、だと思います」
NGなのか…特に所長さんとか、スーザンさんも駄目とは言わなかったから、問題ないのかと思ったんだけど。
「俺、王都のハンターギルドに所属してるし、仕事で遠出するとしても、家には戻ってるの知ってるんだよね。だから、高梨さんの電話番号を聞くより、俺を呼び出した方が安全なのに…高梨さんの「帰りたい」っていう要望を優先したんじゃないかな」
「…王都で…一応は一晩泊ったんですが」
「聞いてる。カフェでデートしたんでしょ」
「………」
うん…ソウダネ、余所から見たらデートでしたね…
「俺も、街での買い物の仕方とか、そういうものの勉強の為に一緒に街に行ったりはしたけどさ。はぐれないように手つなぎとかさぁ」
うぐっ
「はぐれた時用の発信機みたいなの、あるんだよ。ただまあ、洗脳アイテムなのかって俺が叫んだからかもだけど」
「洗脳…」
「漫画読んだ?あれだよあれ」
あーえっと…奴隷になっちゃう腕輪だっけ?
「あ、それで思い出した。スキルの偽装方法を後で教えておくから、すぐに偽装して。じゃないと、見ようと思えばスキルをみる事も出来るから、君の特殊性がバレるとどうなるか分かるよね?」
と、言われて…向こうに行く可能性はないからと断った。でも…
「召喚はしない、とは言われてるけど…本当にそうなのか、確証はない。もし召喚されてしまったらどうするの?簡単なモノだから、覚えておくように」
と言われては、断る事はできない。キルギスさんを、疑う事は…したくないんだけど、なぁ…
「まあ、あの駅に送ってくれればいいよ。丁度お昼になるだろうし、昼は付き合って欲しいけど」
と、そう言われて周辺のお店を調べて貰いながら運転していたのだけれど…
「そういえば、キルギスさん結構心配してたよー」
と、急に言われてなんと答えた物かと困ってしまった。
「元気でやってるかとか、そういうあたりさわりのない内容なんだけど、量がすごくて笑える」
「…量、ですか?」
「うん、手紙だったんだけど、紙のサイズ的に…A4よりは小さいけど、その用紙にびっちり5枚書いて寄越してさ」
心配する内容で5枚ってどういう事よ…そんなに書けるものかしら。
「ほら、一応あっちに落ちる理由として多いのが、逃げたい事があって、っていうのがある訳で」
俺みたいに能力を求められてとかもあるのにねぇ。と、笑う。
「能力を求められて、なんですか?」
「召喚とは違うから、100%それかどうかって聞かれると困るけど…多分魔法の進化の為じゃないかなって思ってる」
ああ…論理立ててしっかりした物に出来る人を、って事かな。
「…私の能力を求められて、の場合って…」
「うーん、ちょっとこの世界のナニを求められてるのかが分からないんだよねぇ。だからちょっと保留で」
保留…
「魂の片割れ説もありえるかなーとは思ってるんだよね」
ちょっと、急に何を言い出すのよ!どうしてもキルギスさんとくっつけたいのか!?
「でも、キルギスさんに助けられたけど…結構歩いてるし時間も経ってるので、それはないのでは」
「それはそうだけど、なんかねぇ…あ、その土地の豚肉と野草使った丼物屋がある。ここどう?」
「え、あ…はい、ではそこで」
いきなりお昼ご飯のお店の情報を言われて、そのまま答えてしまった。いいけどね…
「なんかさぁ、キルギスさんの反応がちょっとアレすぎて、その説もありかなーと思う訳で」
「…反応、ですか?」
「うん、まあこれでも10年…時々話したり、手紙でやり取りなんかしてる訳で。10年の間にも、女性を保護した事、一回あったんだよね~でも、その子まあかわいい子だったし、かなりキルギスさんにアタックしてたみたいなんだけど、全く無反応だったし」
たまたまじゃないのかな。可愛い系じゃなくて、綺麗系が好みとかもあるしね。それか話が合わなかったとかもあるしね。
「高梨さんが可愛いとか可愛くないとかそういう話じゃないよ?そこは間違えないで欲しいんだけど」
「いえ、自分が可愛いとは思ってませんし」
どんだけ自意識過剰な女なのよ。
「いやー綺麗系でしょ。まあ、俺は金髪碧眼にコロっといっちゃったし嫁以外食指動かないからいいんだけど、って、俺の事はどうでもよくて。同じ日本人だからっていうのもあるだろうけど、基本保護した人の情報なんて言っちゃいけないはずなんだよね」
個人情報保護法的な?でも名前とか言われてないし…
「多分電話番号とかもNGなはずなのにねぇ…そこまでするならなんで引き止めなかったんだろうね」
「それは…私が聞いたから、だと思います」
NGなのか…特に所長さんとか、スーザンさんも駄目とは言わなかったから、問題ないのかと思ったんだけど。
「俺、王都のハンターギルドに所属してるし、仕事で遠出するとしても、家には戻ってるの知ってるんだよね。だから、高梨さんの電話番号を聞くより、俺を呼び出した方が安全なのに…高梨さんの「帰りたい」っていう要望を優先したんじゃないかな」
「…王都で…一応は一晩泊ったんですが」
「聞いてる。カフェでデートしたんでしょ」
「………」
うん…ソウダネ、余所から見たらデートでしたね…
「俺も、街での買い物の仕方とか、そういうものの勉強の為に一緒に街に行ったりはしたけどさ。はぐれないように手つなぎとかさぁ」
うぐっ
「はぐれた時用の発信機みたいなの、あるんだよ。ただまあ、洗脳アイテムなのかって俺が叫んだからかもだけど」
「洗脳…」
「漫画読んだ?あれだよあれ」
あーえっと…奴隷になっちゃう腕輪だっけ?
「あ、それで思い出した。スキルの偽装方法を後で教えておくから、すぐに偽装して。じゃないと、見ようと思えばスキルをみる事も出来るから、君の特殊性がバレるとどうなるか分かるよね?」
と、言われて…向こうに行く可能性はないからと断った。でも…
「召喚はしない、とは言われてるけど…本当にそうなのか、確証はない。もし召喚されてしまったらどうするの?簡単なモノだから、覚えておくように」
と言われては、断る事はできない。キルギスさんを、疑う事は…したくないんだけど、なぁ…
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