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2章:日本へ戻ってきました
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道の駅でクーラーボックスに肉を詰め替え、野菜やデザートなども選ばせてもらった。アイスなんかも持って来てるとは思わなかったけど、流石に溶けるという事で、車で食べてから、キャンプ場へと向かう。
そうしてキャンプ場へ到着。手続きをしている間に、水をタンクへと入れて貰う。力仕事は任せて、との事。まあ、小さなタンクだけどね、それでも5キロのタンクだから、その言葉に甘えておく。他の荷物も、重たい物は率先して運んでくれるけど…全然重たくなさそう。
「先に火を熾しておくね」
「はい、お願いします」
向こうでハンターとして活動するうえで、野営の技術は必須らしく…流石に着火とか、水の確保は魔法を使っているらしいけど、こちらでのやり方も分かるというのでお任せしました。
肉も野菜もすでに切られた物を用意してくれたらしく、クマ肉の赤ワイン煮を作るのだと言って、火を熾すと鍋を洗いに行った。私はその間、テントを張る場所の整地…というと大げさだけど、石や枝をどかして、大きなシートを敷いて、テント設営。友達と一緒に行く時に使えるからと、2~3人用のテントだけど力がいる作業じゃないので、松田さんが鍋を火にかけた位で終わった。
「どうしようか。お昼というにはちょっと遅いけど、軽く食べる?」
「そう、ですね。いつも私はカップ麺を食べてるんですけど」
「あ、お湯沸かしてるけど、コーヒーでも入れようと思って少ないんだよね。まずはコーヒー淹れてからでもいいかな?」
確かに、鍋の横に置かれていた私のヤカン。でも、もう沸いたのか、湯気が見える。それでコーヒーを入れてくれるけど、こっそりと、実はずるしてる。といって笑う。
まあ…まだ時間的には昼なので、キャンプ場と言ってもそんなに人はいない。遠くにいるけど、話が聞こえる距離じゃないからいいのか。中には昼間にバーベキューだけして帰る人もいるけど、今日はそんな人はいない。キャンプって、本当にその時で込み具合とか変わるから、夜はどうかな、と心配しつつも、入れてくれたコーヒーをすする。ただのインスタントコーヒーだけど、この環境で飲むとなんかおいしく感じるから不思議よね。
「ちなみに夜はパンとパスタとご飯、どれにする?餅も持って来たけど」
「餅…ってありましたっけ?」
「こっちに…ほら、そんなに嵩張らないし、たくさん食べる物でもないから」
といって、リュックから個包装の餅が出て来た。七輪で焼くと美味しいよ。と言われて、なんなら今焼けばいいのではと思った。
「そうだね、それもありかな。じゃあちょっとここら辺、かな」
金網の空いたスペースにちょこんと2個乗せて、後は焼き上がるのを待つだけなんだけど。
「味付けってどうする?醤油…と、味醂はあるけどこれでいい?」
「十分です。流石にお餅という発想がなくて…松田さんはお餅ってどうやって食べる派ですか?私は…きな粉とか餡子、磯辺とか…雑煮に入れたりもするので、特にコレと決まってる訳ではないんですけど」
「んー俺は磯部と大根おろしに醤油とか、しょっぱい系かなぁ。たまにみたらしになったりするけど」
「みたらしですか。私、というか家はないですね。パック売りのみたらし団子は食べますけど」
そう言うと、確かに。といって笑う。
「といっても、ただ醤油と味醂に砂糖入れてるだけなんだよね。飽きた頃にそうして食べてる」
味変味変というので、笑ってしまう。再度、夜はどうすると聞かれて、パスタでと答える。流石にご飯を炊くのは難易度高いと思ったからね。
「パスタね、了解。なんなら今、クマ肉も焼こうか。確か串に刺した奴も送ったはず…」
そう言って、クーラーボックスをガサガサ探して、ジップロックに入った串肉を取り出すけど…スライス肉を襞みたいにしたやつで。
「それは何の肉なんですか?」
「これもクマだよ。ブロックとかだと硬いんだけど、スライスだとなんとかなるからね。味はおいしいんだけど、硬いのが難点で…煮る方が楽なんだよ。あ、肉焼くから、お皿出してくれる?一応持って食べるけど、置きたいだろうし」
冷凍したブロック肉をスライサーで薄切りにした物なのだという。精肉屋でそうして売っている物をこうして加工して持って…いや、送ってくれたのだとか。
金網は鍋が半分占拠していて、餅も乗ってるのでスペースがない。直火で焼かなくても肉自体が薄いし問題ないという事で、手持ちで焼くみたい。言われたようにお皿を用意して、お箸も。
「ジビエってこう、匂いが独特っていうイメージばかりでした」
お皿と箸を用意しながらそう言うと、そういうイメージを持っている人が意外と多いのだといって笑う。
「宿に来て、新発見だとか言って帰っていく人もいたよ。あ、なんならおやつ代わりに芋とかもあるけど」
「…準備万端ですね」
ホイル焼き用に、すでにアルミでくるまれた物が…小さいサイズだけど、これは絶対お腹にたまるやつ…
「じゃあ、朝の主食にしよう」
主食って。え、でも、焚火台で焼くのはちょっと大変なのでは…
「朝早く起きる習慣があってねぇ…起きたら火起こしして突っ込んでおけば出来るよ」
見てる必要ないから問題ないのだと言って笑うけど…なるほど、そういう手もあるのか関心してしまった。
そうしてキャンプ場へ到着。手続きをしている間に、水をタンクへと入れて貰う。力仕事は任せて、との事。まあ、小さなタンクだけどね、それでも5キロのタンクだから、その言葉に甘えておく。他の荷物も、重たい物は率先して運んでくれるけど…全然重たくなさそう。
「先に火を熾しておくね」
「はい、お願いします」
向こうでハンターとして活動するうえで、野営の技術は必須らしく…流石に着火とか、水の確保は魔法を使っているらしいけど、こちらでのやり方も分かるというのでお任せしました。
肉も野菜もすでに切られた物を用意してくれたらしく、クマ肉の赤ワイン煮を作るのだと言って、火を熾すと鍋を洗いに行った。私はその間、テントを張る場所の整地…というと大げさだけど、石や枝をどかして、大きなシートを敷いて、テント設営。友達と一緒に行く時に使えるからと、2~3人用のテントだけど力がいる作業じゃないので、松田さんが鍋を火にかけた位で終わった。
「どうしようか。お昼というにはちょっと遅いけど、軽く食べる?」
「そう、ですね。いつも私はカップ麺を食べてるんですけど」
「あ、お湯沸かしてるけど、コーヒーでも入れようと思って少ないんだよね。まずはコーヒー淹れてからでもいいかな?」
確かに、鍋の横に置かれていた私のヤカン。でも、もう沸いたのか、湯気が見える。それでコーヒーを入れてくれるけど、こっそりと、実はずるしてる。といって笑う。
まあ…まだ時間的には昼なので、キャンプ場と言ってもそんなに人はいない。遠くにいるけど、話が聞こえる距離じゃないからいいのか。中には昼間にバーベキューだけして帰る人もいるけど、今日はそんな人はいない。キャンプって、本当にその時で込み具合とか変わるから、夜はどうかな、と心配しつつも、入れてくれたコーヒーをすする。ただのインスタントコーヒーだけど、この環境で飲むとなんかおいしく感じるから不思議よね。
「ちなみに夜はパンとパスタとご飯、どれにする?餅も持って来たけど」
「餅…ってありましたっけ?」
「こっちに…ほら、そんなに嵩張らないし、たくさん食べる物でもないから」
といって、リュックから個包装の餅が出て来た。七輪で焼くと美味しいよ。と言われて、なんなら今焼けばいいのではと思った。
「そうだね、それもありかな。じゃあちょっとここら辺、かな」
金網の空いたスペースにちょこんと2個乗せて、後は焼き上がるのを待つだけなんだけど。
「味付けってどうする?醤油…と、味醂はあるけどこれでいい?」
「十分です。流石にお餅という発想がなくて…松田さんはお餅ってどうやって食べる派ですか?私は…きな粉とか餡子、磯辺とか…雑煮に入れたりもするので、特にコレと決まってる訳ではないんですけど」
「んー俺は磯部と大根おろしに醤油とか、しょっぱい系かなぁ。たまにみたらしになったりするけど」
「みたらしですか。私、というか家はないですね。パック売りのみたらし団子は食べますけど」
そう言うと、確かに。といって笑う。
「といっても、ただ醤油と味醂に砂糖入れてるだけなんだよね。飽きた頃にそうして食べてる」
味変味変というので、笑ってしまう。再度、夜はどうすると聞かれて、パスタでと答える。流石にご飯を炊くのは難易度高いと思ったからね。
「パスタね、了解。なんなら今、クマ肉も焼こうか。確か串に刺した奴も送ったはず…」
そう言って、クーラーボックスをガサガサ探して、ジップロックに入った串肉を取り出すけど…スライス肉を襞みたいにしたやつで。
「それは何の肉なんですか?」
「これもクマだよ。ブロックとかだと硬いんだけど、スライスだとなんとかなるからね。味はおいしいんだけど、硬いのが難点で…煮る方が楽なんだよ。あ、肉焼くから、お皿出してくれる?一応持って食べるけど、置きたいだろうし」
冷凍したブロック肉をスライサーで薄切りにした物なのだという。精肉屋でそうして売っている物をこうして加工して持って…いや、送ってくれたのだとか。
金網は鍋が半分占拠していて、餅も乗ってるのでスペースがない。直火で焼かなくても肉自体が薄いし問題ないという事で、手持ちで焼くみたい。言われたようにお皿を用意して、お箸も。
「ジビエってこう、匂いが独特っていうイメージばかりでした」
お皿と箸を用意しながらそう言うと、そういうイメージを持っている人が意外と多いのだといって笑う。
「宿に来て、新発見だとか言って帰っていく人もいたよ。あ、なんならおやつ代わりに芋とかもあるけど」
「…準備万端ですね」
ホイル焼き用に、すでにアルミでくるまれた物が…小さいサイズだけど、これは絶対お腹にたまるやつ…
「じゃあ、朝の主食にしよう」
主食って。え、でも、焚火台で焼くのはちょっと大変なのでは…
「朝早く起きる習慣があってねぇ…起きたら火起こしして突っ込んでおけば出来るよ」
見てる必要ないから問題ないのだと言って笑うけど…なるほど、そういう手もあるのか関心してしまった。
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