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2章:日本へ戻ってきました

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『権力とか弱いだろうけど…それで牢に入れられるとか、処刑とかないしね。あ、今はだけど。だからキルギスさんに身分がどうとか言われても、態度変えなかったというか』

 一応言葉を直した方がいいか聞いたらしいけど、構わないと言われたからそのままにしたら笑われたという。

『バイトはしてたけど、社会に出てないガキに、丁寧語とか使いこなせるわけないしさ。助かったけど』

 確かにそれはあるわね…社会に出てから分かる事もあるし。だからといって、キルギスさん推しするのはいい加減止めて欲しい。



 なんとかキルギスさん推しの話題から外れて貰って、魔法の事、というより、あのリュックをどうするかなんだけど。

『うーん、ちなみに、中身ってどうなるの?あっちのマジックバックって、基本的に異空間に収納されるものなんだけど、中身見えてたし入ってたんだよね?』
「そうですね」
『じゃあ、その時持って行かなかった物とか入れたらどうなるか試してもらっていい?』

 ふむ。持って行ったものは現状維持でそのままだった可能性がある、という事かな?あの時持って行かなかった物…冷蔵庫からビールを取り出し、中に入れる…

「…消えました、ね」
『わぁ…あ、じゃあ…ベッドとか、普通はいらないサイズのとか入る?』

 …それって。

「怖いので試したくないんですが」
『いや、分かる、その気持ちはすっごい分かる。けど、知らないでいるのも対策のしようがないし』

 戦闘機とかも持ち込めちゃうとか、現実的になりそうですっごい嫌なんだけど!?
 いや、でも、そもそも戦闘機を購入できるとは思えないからいい…のか?
 恐る恐るベッドにリュックの口を当てると、ずるり、と消え…

「…出来ましたね」
『取り出したり、出来る?』
「…出来ますね」

 イメージで、あのキャラみたいに取り出すのを想像したら、元通りに…

「…ヤバイですね」
『俺の家の猟銃持ち込めるやつだ』

 それはそれで嫌なんですが。

『猟銃免許とらない?打てるようになると向こうで使えるし』
「向こうへ行きませんって」
『そうだけどさぁ』

 ぶつぶつと、言うけれど…

「そもそも、このアイテムボックスとか、マジックバックとか…これの魔法的なものってどうなっているんですか」
『これは100%イメージ力だね』
「異世界人は必ず持っていると聞いたんですが…イメージ力だけでは説明つかない様な気が」
『異世界人は必ず持っているって言われるのがキーになってるんじゃないかと思ってる』

 自分はマジックバックを持っているのだと思い込まされる事で、イメージが出来て使えるようになるとそういう事らしい。
 …本当にお手軽すぎるでしょう…

『そもそも、異世界人があの世界に落ちて来るのがちょっと…』

 神様とかそういうものがいるとして、逃げたいという人を救う為にあの世界へ落としている、あの世界を発展させるために、それに適した人を攫って落とす、後はただの気まぐれ…と、考えれば説明がつくという。

「随分と都合のいい…」
『いやだって、実際都合よすぎでしょう。科学だって、いろんな学者があーでもないこーでもないって研究して、分かってきたことな訳で。イメージだけで魔法使えるとか、意味が分からない』

 精霊が~とか、神様の力で~とかの方が、まだ理解できるという。それはそれで超常現象過ぎて理解できないんだけど。

『あれだ。考えるな、感じるんだ!』

 …いい得て妙だな、と思った事は秘密。
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