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2章:日本へ戻ってきました

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 さて…日本へ戻ってきました。へ、展開が早い?仕方ないでしょう。あの後施設に戻ったら、日本からあの世界への転移魔法陣を教えられて、晩御飯食べて朝…併設の神殿、というか転移の為の施設に行って、あっという間だったんだから。

 そして…ポケットに入れていた、転移の為の魔法陣。練習の為に見本として貰った紙が、かさりと音を立てる。

「…まじか」

 いや、まあ、聞いていたけどね。私なら日本にあの世界のモノを持ち込める可能性もあると言われましたけどね…そして、問題なくアイテムボックスというウインドウを出せる…けど…
 今は、キャンプ場の駐車場で突っ立ってる。だから、車の後部座席へと乗り込んで、アイテムボックスの中からマジックバックになってしまったと思われるリュックを取り出す。座席の足元に出るようにしたわよ。そこから引っ張り出したようにしたわよ。周りだれもいないけどね!
 取り出したリュックを開けば、問題なく中に詰めていた物が見える。テントもあるし、折り畳み式の焚火台とか、ガス缶とかも。
 でも、マジックバックという名称になっているから、ちょっとどうなるのか怖い。早急にあの…日本人と連絡を取りたいけど、いつ電話があるかわからないし、まずはこのキャンプ場へ来た目的を終わらせる事よね。
 …急に帰ったら何かあったのかと思われるよね。聞かれるのも困るし。





 そわそわしながらなんとかキャンプをして、朝早くにとっとと帰ってきました。
 そして、夜。スマホから着信音があり、知らない番号だけど…

「はい、もしもし」
『あ。松田と言います。生まれも育ちも中心部で、会社員で事務員の人で合ってますか』
「…合ってます。えぇと、北の方で自営業、で、合ってますか」
『そうそう、合ってる。という事で、異世界転移おめでとう♪』

 …テンション高いな。名前を聞かれて答えると、自己紹介をされた。

『こっちでは、今は株運営時々木工製品をネット通販して稼いでます。といっても、生活ほとんど向こうなんで、なんとかなるというか』

 あー…確かにね。生活をどちらでするかによるけど、日本のお金は向こうでは使えないだろうし。向こうでしっかりと生活できるなら、そっち主体で良いんだろうしね。

『通販も外部のシステム使ってるから、問い合わせがあったら答えるだけだけど、それも夜に確認しにちょっと戻ってくるだけで済むからな』

 ふむ。確かに通販するのに自分で全てやる必要はないわね。お金かけて誰かに頼むか、売り上げから引かれるか、なんにしろそういうシステムあるし。

『一応、スキルが特殊だから、出来れば日本にいて欲しいって聞いたけど…聞いてもいいのかな』
「こっちでその話をしても問題ない…でしょうし、構いませんが、内容を向こうで言わないっていうのであれば、じゃないですかね」
『今の所、あっちに戻るつもりは?』

 つもりは…ない、けど…絶対に嫌とは言えないというか…トイレ問題は解決してないけど、お風呂問題は解決しちゃったし…あとはベッドとかだけど、私が知らないだけで、マットレスとか、敷布団とかがあるかもしれないし…

「100%ないとは言い切れない…です」
『そっかぁ。まあ、俺もこっちで成功してる方だから、他人を売ってまでどうこうしないといけない訳じゃないし』

 という事で、スキルを言えば、うわぁ…と言われたわ。しかも、リュックが変わってしまった事も伝えれば。

『それ、キルギスさんには伝えた?』
「いえ、気づかなかったふりして言ってません」
『その方がいいかも。その…リュックの性能とか調べた?』
「こわいので中に入っていた物は取り出しましたが、試してません」
『あー…捨てるのも問題あるし、試すならこっちで試した方がいいんだけど…」

 そうか、捨てるのも問題あるのか…誰かの手に渡るのも問題だろうし、焼いたとしても、ちゃんと灰になるのか…なんだかとんでもない事になってしまったわ。
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