134 / 150
終話:結婚式をして、それから
134
しおりを挟む
ラクシュ様は、その後…何故かお風呂へと移動して、そこでされたわよ…そろそろ時間なので、とか言いながらなんでするのよ。ぐったりしてしまったわたくしを、ラクシュ様が全て綺麗にして、服すらも着せられたわよ。パーティー用とは言えないけれど、ワンピースよりはしっかりした物を。
髪すらもラクシュ様が綺麗に結い上げるのは、ちょっと納得いかないのだけれど。だって、男性の王族をお世話するなら必要ないのでは。
「結い上げる技術は余り必要ではございませんが…中には髪を伸ばす方もいらっしゃいますし」
と、ケロリとした顔で言いますが…貴方が今結っている髪型、パーティーでも通用するわよ。頭頂部から編み込みをしていたのは分かるけれど…仕上がって鏡で見せられたのは、編み込みが右耳の辺りから髪の襟足を通って、反対側の耳で纏められて、あの琥珀の髪飾りで止められていたわ。
手、込みすぎでは…と、茫然としたわよ。
そうして、それらが終わったころ、ノックがされて。
「当主」
現れたのは、ラクシュ様の傍付で。
「分かっていますよ。まったく…私はもっとネルアといちゃいちゃしていたいというのに」
「貴方は良いとしても、ネルア様のお身体が持たないと判断されていましたよ。問題ないとお伝えはしたのですが」
お手伝いします。と言って、その人は、衣装室へと入っていく。
「ネルア、少しここで待っていてください。レイが来ますので」
「それは構いませんけれど、あの…どこかお出掛けでもしますの?」
そう、パーティー程ではないけれど、正装に近い恰好だもの。だからそう聞けば、そうではないと言われる。
「部屋に籠って、もう一日経ってますので…ルーヴェリア様に食事を摂れと引っ張り出されるだけです」
「一日?」
「ええ。ネルアは…ちょいちょい気を飛ばしてましたから」
え?そ、そんなに時間が経っていたの?この寝室、しっかりカーテンを引いてしまえば日が入らないから分からなかったわ。まだ…夜だと思っていたのに。
レイがすぐにお茶を持って入って来たけれど…時間に関して聞けば。
「そうですね。丸一日経っています。よく抱きつぶされなかったなと」
どうぞ。とお茶を出されるけれど、黙ってそのお茶を口にする事しかできない。抱きつぶされ…は、しなかったけれど、強制的に起こされたりはしたわよ。
そこは、ラクシュ様に文句を言いたいわね。
◆◇◆ラクシュ視点◆◇◆
「で、多少は満足できましたか」
着替える為に衣装室へと入れば、そいつに聞かれますが…
「出来る訳がないでしょう。まずいですね、こんなにハマるとは思わなかったんですが…少々、警備に関して変更した方がよさそうです」
「人形にたっぷり働いてもらえばいいのでは」
「息子もまあそこそこ使えるようになったみたいではありますが…それでも交代要員は必要でしょう。幸い、我が君が我が邸宅へと住んでくださいますので…察知系と足止め要因を増やせばいいでしょう。私が出ます」
こう、ネルアを抱いていても、我慢が効くと思っていたんですが…まったく我慢が効きませんでしたからね。一応、水分やちょっとした菓子を口にさせましたが、それだけでは我が君には不足だと思われた様です。
セックス中に、天井裏から我が君の言葉を伝えられるとは思いませんでしたよ。
「当主が出る、とおっしゃられましても…離れられるので?」
「流石に、侵入者が来ている状態で、止められないなんてことはないですよ。今もこうして、ちゃんとしているでしょう」
そう、我が君の命は、絶対なので。
髪すらもラクシュ様が綺麗に結い上げるのは、ちょっと納得いかないのだけれど。だって、男性の王族をお世話するなら必要ないのでは。
「結い上げる技術は余り必要ではございませんが…中には髪を伸ばす方もいらっしゃいますし」
と、ケロリとした顔で言いますが…貴方が今結っている髪型、パーティーでも通用するわよ。頭頂部から編み込みをしていたのは分かるけれど…仕上がって鏡で見せられたのは、編み込みが右耳の辺りから髪の襟足を通って、反対側の耳で纏められて、あの琥珀の髪飾りで止められていたわ。
手、込みすぎでは…と、茫然としたわよ。
そうして、それらが終わったころ、ノックがされて。
「当主」
現れたのは、ラクシュ様の傍付で。
「分かっていますよ。まったく…私はもっとネルアといちゃいちゃしていたいというのに」
「貴方は良いとしても、ネルア様のお身体が持たないと判断されていましたよ。問題ないとお伝えはしたのですが」
お手伝いします。と言って、その人は、衣装室へと入っていく。
「ネルア、少しここで待っていてください。レイが来ますので」
「それは構いませんけれど、あの…どこかお出掛けでもしますの?」
そう、パーティー程ではないけれど、正装に近い恰好だもの。だからそう聞けば、そうではないと言われる。
「部屋に籠って、もう一日経ってますので…ルーヴェリア様に食事を摂れと引っ張り出されるだけです」
「一日?」
「ええ。ネルアは…ちょいちょい気を飛ばしてましたから」
え?そ、そんなに時間が経っていたの?この寝室、しっかりカーテンを引いてしまえば日が入らないから分からなかったわ。まだ…夜だと思っていたのに。
レイがすぐにお茶を持って入って来たけれど…時間に関して聞けば。
「そうですね。丸一日経っています。よく抱きつぶされなかったなと」
どうぞ。とお茶を出されるけれど、黙ってそのお茶を口にする事しかできない。抱きつぶされ…は、しなかったけれど、強制的に起こされたりはしたわよ。
そこは、ラクシュ様に文句を言いたいわね。
◆◇◆ラクシュ視点◆◇◆
「で、多少は満足できましたか」
着替える為に衣装室へと入れば、そいつに聞かれますが…
「出来る訳がないでしょう。まずいですね、こんなにハマるとは思わなかったんですが…少々、警備に関して変更した方がよさそうです」
「人形にたっぷり働いてもらえばいいのでは」
「息子もまあそこそこ使えるようになったみたいではありますが…それでも交代要員は必要でしょう。幸い、我が君が我が邸宅へと住んでくださいますので…察知系と足止め要因を増やせばいいでしょう。私が出ます」
こう、ネルアを抱いていても、我慢が効くと思っていたんですが…まったく我慢が効きませんでしたからね。一応、水分やちょっとした菓子を口にさせましたが、それだけでは我が君には不足だと思われた様です。
セックス中に、天井裏から我が君の言葉を伝えられるとは思いませんでしたよ。
「当主が出る、とおっしゃられましても…離れられるので?」
「流石に、侵入者が来ている状態で、止められないなんてことはないですよ。今もこうして、ちゃんとしているでしょう」
そう、我が君の命は、絶対なので。
10
お気に入りに追加
276
あなたにおすすめの小説
離縁しようぜ旦那様
たなぱ
BL
『お前を愛することは無い』
羞恥を忍んで迎えた初夜に、旦那様となる相手が放った言葉に現実を放棄した
どこのざまぁ小説の導入台詞だよ?旦那様…おれじゃなかったら泣いてるよきっと?
これは、始まる冷遇新婚生活にため息しか出ないさっさと離縁したいおれと、何故か離縁したくない旦那様の不毛な戦いである
今世ではあなたと結婚なんてお断りです!
水川サキ
恋愛
私は夫に殺された。
正確には、夫とその愛人である私の親友に。
夫である王太子殿下に剣で身体を貫かれ、死んだと思ったら1年前に戻っていた。
もう二度とあんな目に遭いたくない。
今度はあなたと結婚なんて、絶対にしませんから。
あなたの人生なんて知ったことではないけれど、
破滅するまで見守ってさしあげますわ!
【完結・R18】結婚の約束なんてどうかなかったことにして
堀川ぼり
恋愛
「なに、今更。もう何回も俺に抱かれてるのに」
「今は俺と婚約してるんだから、そんな約束は無効でしょ」
幼い頃からクラウディア商会の長である父に連れられ大陸中の国を渡りあるくリーシャ。いつものように父の手伝いで訪れた大国ルビリアで、第一王子であるダニスに突然結婚を申し込まれる。
幼い頃に交わしたという結婚の約束にも、互いの手元にあるはずの契約書にも覚えがないことを言い出せず、流されるまま暫く城に滞在することに。
王族との約束を一方的に破棄することもできず悩むリーシャだったが、ダニスのことを知るたびに少しずつ惹かれていく。
しかし同時に、「約束」について違和感を覚えることも増え、ある日ついに、「昔からずっと好きだった」というダニスの言葉が嘘だと気づいてしまい──…?
恋を知らない商人の娘が初恋を拗らせた執着王子に捕まるまでのお話。
※ムーンライトノベルズにも投稿しています
【R-18・連載版】部長と私の秘め事
臣桜
恋愛
彼氏にフラれた上村朱里(うえむらあかり)は、酔い潰れていた所を上司の速見尊(はやみみこと)に拾われ、家まで送られる。タクシーの中で元彼との気が進まないセックスの話などをしていると、部長が自分としてみるか?と尋ねワンナイトラブの関係になってしまう。
かと思えば出社後も部長は求めてきて、二人はただの上司と部下から本当の恋人になっていく。
だが二人の前には障害が立ちはだかり……。
※ 過去に投稿した短編の、連載版です
【R18】オークの花嫁〜魔王様がヤンデレ過ぎてついていけません!!〜
湊未来
恋愛
新魔王誕生を祝う式典を明日に控え、お祝いムードに包まれた城の中、オークの女戦士『ミレイユ』は、浮き足立つ使用人達を横目に先を急いでいた。
明日の式典前に、この魔王城を去らなければならない。明日の朝、いいや今夜にでもオークの里へと向かおう。
さもなければ、決心が鈍ってしまう。かの御方の晴れ姿など、見ようものなら、きっと縋ってしまう。
『――――、お側に置いてください』と。
魔族の中でも最下層に位置するオークの女戦士が、幼少期から守ってきた魔王様の元を去ろうと決意するが、結局逃げられずにとっ捕まり、女としての喜びを押しつけられるまでの話。
作者的にはハッピーエンドですが、魔王様が病デレ過ぎて、読者様によってはメリバエンドに感じるかもしれません。
※読者様に、FAを頂きました!
ありがたいことに、加工する許可を頂けたので表紙絵へ。ありがとうございます╰(*´︶`*)╯♡
今、私は幸せなの。ほっといて
青葉めいこ
ファンタジー
王族特有の色彩を持たない無能な王子をサポートするために婚約した公爵令嬢の私。初対面から王子に悪態を吐かれていたので、いつか必ず婚約を破談にすると決意していた。
卒業式のパーティーで、ある告白(告発?)をし、望み通り婚約は破談となり修道女になった。
そんな私の元に、元婚約者やら弟やらが訪ねてくる。
「今、私は幸せなの。ほっといて」
小説家になろうにも投稿しています。
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる