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結婚式準備
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「初めまして、スタンフォードと言います。どうぞ、スタンフォードとお呼びください」
そう言って…ルーヴェリア様と、ジョセフィーヌ様達お妃様達との朝食後、皆さまでティールームへと向かえば、かわいらしい男の子にそう挨拶をされましたわ。うん…事前に聞いていたけれど、確かに王太子様の小さいバージョンだわ。
お部屋のドアを開けてくれた、小さな子はあれよね、髪黒いしラクシュ様の一族で、おそらくそのスタンフォード様の筆頭よね。
「それで、ルーヴェリア兄上の筆頭」
「なんですか」
「お前の奥様は、なんて呼べばいい。名前で呼んでいいのか」
「構いませんよ。スタンフォード様が、ネルアに何かしでかさないなら」
「できれば女とは関わりたくない」
と、その可愛らしい男の子から発せられた言葉とは思えない単語が聞こえて、あらまあ。と思う。けれど…ラクシュ様の顔が固まったわね。
「お前、なにをしてるんですか、いや、なにもしてないのですか」
「ちょ、っ、」
「ラクシュ様、そんな子供に何してらっしゃるの」
ラクシュ様が、ドアを開けてくれた男の子…まだ、ドアの横にいたのだけれど、その子の頭を片手で鷲掴むから、そう言って、そっとラクシュ様の腕に手を掛ける。ふ、と手を緩めたらしい。その子はしゃがみこんで、頭を抱えているから、大丈夫か見ようとしたのだけれど…ふわり、と身体が抱き上げられてしまう。
「失敗しましたね。ネルアは子供が好きですものね…アレのお仕置きは後にしましょう」
「…お話しで、どうにかなりませんの」
「言って聞くような子ではないので」
体に聞かせるというやつですかね。こんな事を堂々と言われるとは思いませんでしたけれど。ソファへと降ろされて、ラクシュ様がその隣へと座ってくる。スタンフォード様も、ルーヴェリア様もそのお妃様達も…わたくしが抱き上げられた辺りで座りはじめてましたので。
「んー関わりたくないっていうのは、俺の妻たちも嫌って事か?」
「…それは、いい。なんか、周りで騒がれるのが嫌だ」
「スタンフォード様の場合、騒がれてなんぼでしょうに」
「こっちの都合を考えずに騒ぐし、勝手に喧嘩始めるから面倒だ」
心底嫌そうにため息をついて、そう悪態をつくスタンフォード様。あれかしらね、こう、アイドルの追っかけが、勝手に炎上して喧嘩始めるのと似たような物かしらね。この場合は本人登場しても火に油注ぐようなものだし、確かに大変かもしれないわね。
「そんな事より、魔石に守りを仕込むっていう話の方が先だろ」
時間は有限だ。と子供らしくない言い分に、修道院の子達を思い出して、王族とはこういうものなのかしら、と考えてしまったわ。
そう言って…ルーヴェリア様と、ジョセフィーヌ様達お妃様達との朝食後、皆さまでティールームへと向かえば、かわいらしい男の子にそう挨拶をされましたわ。うん…事前に聞いていたけれど、確かに王太子様の小さいバージョンだわ。
お部屋のドアを開けてくれた、小さな子はあれよね、髪黒いしラクシュ様の一族で、おそらくそのスタンフォード様の筆頭よね。
「それで、ルーヴェリア兄上の筆頭」
「なんですか」
「お前の奥様は、なんて呼べばいい。名前で呼んでいいのか」
「構いませんよ。スタンフォード様が、ネルアに何かしでかさないなら」
「できれば女とは関わりたくない」
と、その可愛らしい男の子から発せられた言葉とは思えない単語が聞こえて、あらまあ。と思う。けれど…ラクシュ様の顔が固まったわね。
「お前、なにをしてるんですか、いや、なにもしてないのですか」
「ちょ、っ、」
「ラクシュ様、そんな子供に何してらっしゃるの」
ラクシュ様が、ドアを開けてくれた男の子…まだ、ドアの横にいたのだけれど、その子の頭を片手で鷲掴むから、そう言って、そっとラクシュ様の腕に手を掛ける。ふ、と手を緩めたらしい。その子はしゃがみこんで、頭を抱えているから、大丈夫か見ようとしたのだけれど…ふわり、と身体が抱き上げられてしまう。
「失敗しましたね。ネルアは子供が好きですものね…アレのお仕置きは後にしましょう」
「…お話しで、どうにかなりませんの」
「言って聞くような子ではないので」
体に聞かせるというやつですかね。こんな事を堂々と言われるとは思いませんでしたけれど。ソファへと降ろされて、ラクシュ様がその隣へと座ってくる。スタンフォード様も、ルーヴェリア様もそのお妃様達も…わたくしが抱き上げられた辺りで座りはじめてましたので。
「んー関わりたくないっていうのは、俺の妻たちも嫌って事か?」
「…それは、いい。なんか、周りで騒がれるのが嫌だ」
「スタンフォード様の場合、騒がれてなんぼでしょうに」
「こっちの都合を考えずに騒ぐし、勝手に喧嘩始めるから面倒だ」
心底嫌そうにため息をついて、そう悪態をつくスタンフォード様。あれかしらね、こう、アイドルの追っかけが、勝手に炎上して喧嘩始めるのと似たような物かしらね。この場合は本人登場しても火に油注ぐようなものだし、確かに大変かもしれないわね。
「そんな事より、魔石に守りを仕込むっていう話の方が先だろ」
時間は有限だ。と子供らしくない言い分に、修道院の子達を思い出して、王族とはこういうものなのかしら、と考えてしまったわ。
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