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結婚式準備

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 ルーヴェリア様がまず褒章を与えられて、王太子様の隣に並んで立つ。その行動に、いくら日頃軽くても王族ね、と考えていると、

「続きまして、」

 聞こえたその声にはっとした。呆けてる場合ではなかったわ。今度はラクシュ様の番よね。あら。その間わたくしはどうしていたらいいのかしら、と混乱し始めるけれど。

「失礼ですが、発言をよろしいですか」

 と、混乱していたら…貴族の方が、そう声を上げる。どなたかしら…声は、聞いた事ないような?
 この場はどうするのかしらと、王様の筆頭を見れば、王様とアイコンタクトを交わしている。

「許そう」

 王様が、こくりと頷いてそう口にすると、声を上げた貴族が進み出る。30代から40代位かしら。結構若い部類に入ると思うけれど。

「第二王子様は分かりますが…そのラクシュ=ノア=ディベル卿とその奥方は、膝を着くべきでは」

 と、その発言で、やっぱりという思いから、ラクシュ様を見れば…ただ、にこりと笑い返されただけだ。

「だ、そうだよ」

 王様は、楽しそうに笑っていらっしゃる。そして、謁見の間だというのに、そんな軽口をたたいて、発言を許そう。と言う。

「王様は、このわたくしに、頭を垂れろ、とおっしゃる?」
「いや、別に。お前の主になった覚えはないよ」

 そんなやりとりを聞いているわたくしの心臓が持たないわよ!?あ、でも…あの発言をした貴族が、60代位の貴族たちになにか…諫められているわね。

「筆頭がどういうものか、ご存じないのでしょう。わたくしが、頭を垂れるのは、ルーヴェリア様…我が君にだけです」
「それでも演じてくれるやつもいるけれどね。ルーヴェリア。いっそお前がこの場で褒美を与えなさい」
「王族の一員と言っても、流石にそれは辞退、」
「しなくていいよ。いつも緩いんだから、お前の筆頭を、きちんと褒めてあげなさい」

 ほらほら、と言って、王様がルーヴェリア様を、王様の立っていた場所へと立たせてますが…いいんですかそれ。

「まったく…しかたないな」

 ルーヴェリア様は、困ったように笑いますが…ラクシュ様は、そっとわたくしの腕を引いてくる。

「ルーヴェリア様の前まで行きましたら、膝をつきますので、合わせて」

 小声でそう言ってくるので、こくりと頷きますが…いいのかしら。

「俺の、筆頭護衛騎士官…ラクシュ」
「はい、我が君」
「来い」

 その一言だけで…場が、変わる。しん、と静まり返った神殿の様に。ラクシュ様に促されているから動けるけれど…そうでなかったら、立ち尽くしてしまいそう。
 ルーヴェリア様の前へと到着して、両膝をつく。ラクシュ様は、片膝をつく恰好だけれど、見えるのはそれだけで。

「ラクシュ」
「はい、我が君」
「此度の件で褒美がでてるが、その前に…よくやった」
「ありがとうございます」

 それらのやり取りをただ聞いているだけだけれど…本当に、二人が発する声以外、何も聞こえない。以前も、確かこんな事が…

「正式な褒章は…え、金貨1万枚?それだけなの?」

 ちょっと、案の定雰囲気ぶちこわしましたわね。
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