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結婚式準備

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 結婚式の日が決まったという事で、ドレスの用意やらアクセサリーの用意やらで、ばたばたとした日もあった。邸宅に来てくれて、もっと他の物もと言われて、デザイン画が増やされたりしたけれど、着実に準備が整えられていく。
 そんなある日。

「ピクニック、ですの?」

 夕食時に、ルーヴェリア様から明日ピクニックに行こうと言われて驚いてしまった。ジョセフィーヌ様は聞いていたようで、行きましょうと言ってくる。他の…あ、そうそう、ルーヴェリア様のお妃様達も、宮殿へと住んでらっしゃるのだけれど、食事は一緒に摂ったり、各自部屋で摂ったりと様々で。今日は第1妃のフランソワ様がご一緒しているわ。

「ピクニックと言っても、場所が場所なんだが…最近安定してるようだし止めようと思ったんだがな」

 ルーヴェリア様は、もう準備が整ってしまったのだと言って笑う。どうやら、ラクシュ様がわたくしとの婚約から結婚してからも、狂いかけたというのかしら。それが頻発していたから、王太子様発案で魔物狩りをしようという話になっていたらしい。
 いや、あの、魔物狩りって。街にそういう…ギルドがあるのは知っていたし、ファンタジーでよくある装備をした人も見かけたから分かるけれど…

「結婚式も近いですし、その、危険なのでは」

 ジョセフィーヌ様も、ピクニックとしか聞いていなかったらしく、魔物とと聞いて若干顔色が悪い。だからそう聞けば。

「いや、こいついる時点でピクニックだし」
「まあ、そうですね。有用なやつらも連れていきます」

 騎士学校の時もやったといって笑うけれど…

「その…場所は、王都ではありませんよね。大丈夫なのですか?」
「王都ではないが…隣接はしているな。ただ、下手な事すると魔物の気を引いてしまって逆に危ないからな。だから、襲撃はされない」
「あれ位で襲撃しないなんて、随分と柔な人たちですよねぇ」

 くすくすと笑うラクシュ様だけれど…魔物の気を引くって、聞いただけでも怖いわよ。わたくしたちは、魔物に出くわしたら最後、命はないと思えと言われるくらいだもの。ギルドはもちろんだけれど、軍とか、兵が集まって、やっと討伐できるのだという話だし。

「しかし、もう少し時期を考えてくださってもよいのでは」
「いや、兄上が準備すると言っていたのでな…すっかり忘れていた」
「だからと言って、今ですか」
「まあ、ギルドとの調整やら、人員を吐かせるのに時間掛かった様だし、それに…お前が式でへんなテンションになっても困るだろ」
「まあ…綺麗に着飾ったネルアを抱き壊しかねませんしね」

 ちょっと!それはやめてください!というか、食事中になんて事言うのよ。ジョセフィーヌ様が、まぁ。と言って、顔を染めてらっしゃるではないの!

「冗談はさておき。魔術も使えますのでね。結界で安全性は確保します」

 冗談…いや、あの顔は冗談ではない様な気がしますが。あの発言をした時、ラクシュ様のお顔が真顔でしたよ。
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