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家へ引っ越してから
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ラクシュ様がそういうお店をまだ使ってるのかどうかが気になって、もやもやしつつも…今度は庭園でお茶をする約束をして、宮殿の自室へと戻ったわ。
夕食の時間には早いから、すこし時間をつぶそうと思って。
「庭園でのお茶のお約束をしてしまったけれど…お話しをしていて、つまらなくなっていないか不安だわ」
レイにそう零してしまう。外に出られないジョセフィーヌ様に、外での買い物の話や、お店の話をしてもと思うと話せないし。話題といっても、共通の話題がルーヴェリア様か、ラクシュ様位しかないもの。お菓子作りもいいけれど、太ってしまう、という事だったし…一応はルーヴェリア様に差し入れをすると言う事で話はまとまったような感じだけれど…
「これからはお菓子作りを習えばいいのでは。お弁当がどう、とかもおっしゃられていたではありませんか」
「確かにそうですわね…お弁当作りは…レイ、得意?」
それなりには。という返答が返ってくるけれど…
「わたくし、お弁当と言っても、サンドイッチ位しか思いつきませんわ」
「最初はそういったもので良いかと思いますよ。具として卵や肉…その肉も味付けや使う肉の種類でも変わりますし」
お米ももちろんあるのよ?でも、ご飯と一緒にいれるおかずって、と考えるとなかなか…
「ジョセフィーヌ様と一緒にそれぞれ別のおかずを作って、一緒に入れればいいのでは」
なるほど。確かにお弁当のおかずだけ作るとなると、少量だものね。
「少量作るより多く作ったほうが楽な物もございますから…その時は、騎士達にも分けられるようにするか、いっそお二人もお弁当を食べればよいかと」
「わたくしたちも、ですの?」
「ええ。ジョセフィーヌ様はお部屋で、になってしまうかもしれませんが…出来るなら庭園で召し上がっていただいてもいいですし、お弁当の配達はメイドが行って、お二人で庭園でご一緒する、というのも」
うん、それは良いわね。お出かけはできないけれど、ちょっと変わった場所で食べるのは楽しいもの。
「では、今度庭園でお茶する時は、そうしたいと言ってみますわ」
「ええ。今のジョセフィーヌ様に良いかと思います」
では、その為のお誘いのお手紙を書かなくては。といっても、いつにするかはラクシュ様にも聞いてみたほうがいいかしらね。
夕食の時に、宮殿の庭園でお弁当を食べる話と…お弁当を届けていいか、その話をしてみたのだけれど…
「特に今の所何かしらの用事はありませんので、日程決まったら教えてください」
「わかりましたわ」
「あと…お弁当をご用意して下さる日は、前もって…朝までには必ず教えていただけますか?」
「え、ええ。そういえば、いつもどちらで召し上がるのでしょう。ここへ戻られるのですか?」
ふと思いついてそう聞くと、騎士の詰所があって、そこに食堂があるのだという。とはいえ、食べ歩きしてもいいらしく、自由なのだとか。
「もし食べてしまっていたら、せっかくのお弁当が食べられなく…いえ、食べます。お茶の時にでも」
「い、いえ、ちゃんと言いますわ」
「いや、食堂で食べた後だとしても入るんじゃないのか?」
その食堂で出される食事量がどれ位か分からないけれど…ルーヴェリア様がそう言うという事は、満足な量ではないのかしら。
「入りますかね」
「入るだろ。お前、満腹中枢ぶっこわれてるだろが」
んんん?
「ええと…それは、どういう…」
「まあ、空腹中枢もぶっこわれてるがな」
えっと…ちょっとそれはどういうことなのかしらね?
「お腹が空いて力が出ないという事があってはいけませんし、食べられる時に食べられるようになっているだけで」
「それは、その、問題ありませんの?」
「問題はないんだが、俺の気がすまないから、まあこうして一緒に食事を取ってるとも言う」
「それは、ありがとうございます…?」
「試しになんでも食わせて見ればわかる。食えと言えば食うぞ」
いえ、いくら何でもそれは。お腹パンパンになってしまって、動けなくなるでしょうに。
夕食の時間には早いから、すこし時間をつぶそうと思って。
「庭園でのお茶のお約束をしてしまったけれど…お話しをしていて、つまらなくなっていないか不安だわ」
レイにそう零してしまう。外に出られないジョセフィーヌ様に、外での買い物の話や、お店の話をしてもと思うと話せないし。話題といっても、共通の話題がルーヴェリア様か、ラクシュ様位しかないもの。お菓子作りもいいけれど、太ってしまう、という事だったし…一応はルーヴェリア様に差し入れをすると言う事で話はまとまったような感じだけれど…
「これからはお菓子作りを習えばいいのでは。お弁当がどう、とかもおっしゃられていたではありませんか」
「確かにそうですわね…お弁当作りは…レイ、得意?」
それなりには。という返答が返ってくるけれど…
「わたくし、お弁当と言っても、サンドイッチ位しか思いつきませんわ」
「最初はそういったもので良いかと思いますよ。具として卵や肉…その肉も味付けや使う肉の種類でも変わりますし」
お米ももちろんあるのよ?でも、ご飯と一緒にいれるおかずって、と考えるとなかなか…
「ジョセフィーヌ様と一緒にそれぞれ別のおかずを作って、一緒に入れればいいのでは」
なるほど。確かにお弁当のおかずだけ作るとなると、少量だものね。
「少量作るより多く作ったほうが楽な物もございますから…その時は、騎士達にも分けられるようにするか、いっそお二人もお弁当を食べればよいかと」
「わたくしたちも、ですの?」
「ええ。ジョセフィーヌ様はお部屋で、になってしまうかもしれませんが…出来るなら庭園で召し上がっていただいてもいいですし、お弁当の配達はメイドが行って、お二人で庭園でご一緒する、というのも」
うん、それは良いわね。お出かけはできないけれど、ちょっと変わった場所で食べるのは楽しいもの。
「では、今度庭園でお茶する時は、そうしたいと言ってみますわ」
「ええ。今のジョセフィーヌ様に良いかと思います」
では、その為のお誘いのお手紙を書かなくては。といっても、いつにするかはラクシュ様にも聞いてみたほうがいいかしらね。
夕食の時に、宮殿の庭園でお弁当を食べる話と…お弁当を届けていいか、その話をしてみたのだけれど…
「特に今の所何かしらの用事はありませんので、日程決まったら教えてください」
「わかりましたわ」
「あと…お弁当をご用意して下さる日は、前もって…朝までには必ず教えていただけますか?」
「え、ええ。そういえば、いつもどちらで召し上がるのでしょう。ここへ戻られるのですか?」
ふと思いついてそう聞くと、騎士の詰所があって、そこに食堂があるのだという。とはいえ、食べ歩きしてもいいらしく、自由なのだとか。
「もし食べてしまっていたら、せっかくのお弁当が食べられなく…いえ、食べます。お茶の時にでも」
「い、いえ、ちゃんと言いますわ」
「いや、食堂で食べた後だとしても入るんじゃないのか?」
その食堂で出される食事量がどれ位か分からないけれど…ルーヴェリア様がそう言うという事は、満足な量ではないのかしら。
「入りますかね」
「入るだろ。お前、満腹中枢ぶっこわれてるだろが」
んんん?
「ええと…それは、どういう…」
「まあ、空腹中枢もぶっこわれてるがな」
えっと…ちょっとそれはどういうことなのかしらね?
「お腹が空いて力が出ないという事があってはいけませんし、食べられる時に食べられるようになっているだけで」
「それは、その、問題ありませんの?」
「問題はないんだが、俺の気がすまないから、まあこうして一緒に食事を取ってるとも言う」
「それは、ありがとうございます…?」
「試しになんでも食わせて見ればわかる。食えと言えば食うぞ」
いえ、いくら何でもそれは。お腹パンパンになってしまって、動けなくなるでしょうに。
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