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家へ引っ越してから
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画材屋でのお買い物は楽しかったわ。日本での種類の多さと言うか、かわいらしいプリントとかそういうのはなかったけれど、逆にペンやインク壺が可愛らしいくて綺麗な物がたくさんあった。勿論男性用の物も。
だから…ついでと言ったら機嫌を損ねてしまうかもしれないから言わないけれど…ラクシュ様にペンを買った。ルーヴェリア様がしなくても良い様な書類仕事はラクシュ様が片付けている様なので。
いえ、もしかしたらルーヴェリア様が贈ったペンとかあるかなーと思わなくもなかったのだけれど。レイに、喜ばれますよと言われたから思わず…
「今日は随分遅くまで起きてますね」
「っ!」
だから本当に忍び寄るの止めて欲しいのだけれど。お城で夕食をいつもの3人で食べて、邸宅の自室へと戻っていたのよ。勿論お風呂はレイにお世話してもらって入ったわよ。
本を読んでいたけれど、上の空だったとか言わないわよ。
「久しぶりのお出かけで眠れませんか?」
「そ、そういう訳では…」
ラクシュ様を待ってたとか言わないわよ。いえ、言った方がいいのかもしれないけれど、まだそういうのは恥ずかしいし。
いつもの様に…邸宅の自室だからいつもの、というと勝手は違うけれど、ソファに座っているわたくしの隣に腰かけて、お茶を用意しながら笑うラクシュ様。
「レイに聞きましたよ。私に何か渡す物があるのでしょう?」
早く行けと呼びに来ましたから。と言われて、この場にいないレイに、なんで言ったのよと文句を言いたい。
「お土産とは、かわいらしい事をしてくださいますね。こういう事は、本来であれば気づかない振りをするのが正解なのでしょうが…我慢が出来ませんでした」
そういって笑うラクシュ様だけれど…我慢て。というか、いつもと変わらない雰囲気だし、そんな我慢が出来ない様子もないのに?
「これでも必死に堪えて居るんです。私が勝手に探し始める前に、早くください」
「は、はい」
勝手に探すとまで言われてしまっては、意地を張るのもちょっと怖いので、机の引き出しから綺麗にラッピングされたそれを渡す。
「開けていいですか良いですよね」
「ど、どうぞ」
…どうやら本当に我慢していたようで、一息に言ったかと思ったら言い終わるか終わらないかの内にリボンを解きに掛かっているし。こんなラクシュ様、初めて見たかも。
「手に馴染むかもわかりませんし、色も…レイに聞いたので」
なんだか一瞬で包装を解かれたわよ。しかも綺麗に。手品かと思う位に。箱に納められていたペンを取って、周りをしげしげと見てる。そのペンは、万年筆そっくりの形状だけれど、インクを付けて使うもの。この世界にはまだインクカートリッジ式はないのよ。なので、一般的なペンだけれど…ペン先が傷つかない様にキャップもついているけれど、キャップを開けるでもなく、周りを何度も何度も見て…あ。まずい、
「ねるあ…」
「は、はい…」
とろり、とした目で、熱っぽく見られて…しかも、すごく甘い声…見たら駄目なのに、目を逸らし損ねてしっかり見てしまった…!
「だいじに、しますね」
そっと、背中に手を回されたのが、最後の記憶。もう、本当に、顔面凶器だわ…っ!!!
だから…ついでと言ったら機嫌を損ねてしまうかもしれないから言わないけれど…ラクシュ様にペンを買った。ルーヴェリア様がしなくても良い様な書類仕事はラクシュ様が片付けている様なので。
いえ、もしかしたらルーヴェリア様が贈ったペンとかあるかなーと思わなくもなかったのだけれど。レイに、喜ばれますよと言われたから思わず…
「今日は随分遅くまで起きてますね」
「っ!」
だから本当に忍び寄るの止めて欲しいのだけれど。お城で夕食をいつもの3人で食べて、邸宅の自室へと戻っていたのよ。勿論お風呂はレイにお世話してもらって入ったわよ。
本を読んでいたけれど、上の空だったとか言わないわよ。
「久しぶりのお出かけで眠れませんか?」
「そ、そういう訳では…」
ラクシュ様を待ってたとか言わないわよ。いえ、言った方がいいのかもしれないけれど、まだそういうのは恥ずかしいし。
いつもの様に…邸宅の自室だからいつもの、というと勝手は違うけれど、ソファに座っているわたくしの隣に腰かけて、お茶を用意しながら笑うラクシュ様。
「レイに聞きましたよ。私に何か渡す物があるのでしょう?」
早く行けと呼びに来ましたから。と言われて、この場にいないレイに、なんで言ったのよと文句を言いたい。
「お土産とは、かわいらしい事をしてくださいますね。こういう事は、本来であれば気づかない振りをするのが正解なのでしょうが…我慢が出来ませんでした」
そういって笑うラクシュ様だけれど…我慢て。というか、いつもと変わらない雰囲気だし、そんな我慢が出来ない様子もないのに?
「これでも必死に堪えて居るんです。私が勝手に探し始める前に、早くください」
「は、はい」
勝手に探すとまで言われてしまっては、意地を張るのもちょっと怖いので、机の引き出しから綺麗にラッピングされたそれを渡す。
「開けていいですか良いですよね」
「ど、どうぞ」
…どうやら本当に我慢していたようで、一息に言ったかと思ったら言い終わるか終わらないかの内にリボンを解きに掛かっているし。こんなラクシュ様、初めて見たかも。
「手に馴染むかもわかりませんし、色も…レイに聞いたので」
なんだか一瞬で包装を解かれたわよ。しかも綺麗に。手品かと思う位に。箱に納められていたペンを取って、周りをしげしげと見てる。そのペンは、万年筆そっくりの形状だけれど、インクを付けて使うもの。この世界にはまだインクカートリッジ式はないのよ。なので、一般的なペンだけれど…ペン先が傷つかない様にキャップもついているけれど、キャップを開けるでもなく、周りを何度も何度も見て…あ。まずい、
「ねるあ…」
「は、はい…」
とろり、とした目で、熱っぽく見られて…しかも、すごく甘い声…見たら駄目なのに、目を逸らし損ねてしっかり見てしまった…!
「だいじに、しますね」
そっと、背中に手を回されたのが、最後の記憶。もう、本当に、顔面凶器だわ…っ!!!
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