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家へ引っ越してから

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「力加減、と申しましても、力、ではなく能力といいますか、そっち、ですね」
「あースイッチ入るのか。狂う、とは違うだろうが」

 ラクシュ様が、鍛錬で加減をしているとおっしゃるから、ルーヴェリア様が加減していたのかと聞いたら、加減をしなかったら首を飛ばしているという。その加減がなにか、という説明をされるけれど…能力…

「けど、避けられるのすっげー嫌なんだが。なんかおちょくられてる様で」
「そうは言いましても、おそらく武器をなにかしら持つ事すら危ないですね。ネルアが見ている前で、手を抜く事は嫌ですので」
「えぇ…ん?なら、武装もはずすのか?」
「できればその方がいいでしょうね。貴方にいただいたアレだけは持ちますが」
「それなら万が一でもお前に掠らないだろが…」

 そう言って、なんだか意気消沈している様なルーヴェリア様ですが…武装を持つのと持たないのとでは何か違うのでしょうか。

「武装持ってるなら、その重さで多少は速さが遅くなるものだからな。武器を魔道具化していれば別だが、そこまではしてないだろ?」
「そうですね。使い捨ての様な物にそこまでしませんし」

 なるほど。錘をつけて動くような物なのかしらね。それにしても、そんなに筋肉があるようには見えなかったのだけれど。あ。腹筋はありましたね。ばっきばきという程ではありませんでしたけれど。でも、腕とかはそこまでではなさそうですし…
 あら。わたくしったら何を考えているのかしら。



 朝食を終えて、ラクシュ様と一緒にアクセサリー店へと来ています。鍛錬に関しては、時間を聞いて、見る時はレイに言えばいいといわれました。
 さて、そのアクセサリー店ですが…お店、というよりは工房と言った方がいいかしらね。展示されている物もあるけれど、見本ばかりですし。

「指輪、ですか」
「ええ。材質は…ネルア、色の希望や、どういった物がいいか、ネルアの意見を言ってください。見本もありますから」

 ラクシュ様がそう言っている間にも、様々な色の指輪が並べられる。金からシルバー、ピンクゴールドっぽい物もあるし、うっすら緑っぽい物や青っぽいものまで。シルバーに関しては、多分プラチナとか、他にも材質があるからなのか、いろんな輝きを放つ物がある。
 定番はプラチナだけれど…ここはラクシュ様の目の色のゴールドにするべきかしら。いえ、でもピンクゴールドも可愛いし…

「なんなら全種類で作ってもいいですよ?日替わりで楽しんでもいいのではないですかね」
「日替わり…」

 それだと結婚指輪ではなくなるのでは…と、思ったけれど、この世界…国かもしれないけれど、結婚指輪という概念がないから仕方ないのかもしれないわね。

「おすすめとしては、金ですかな。これですと、サイズ変更も容易でして。妊娠中にむくんでしまって、指輪が入らない、取れなくなった、という話も聞きますので」

 なるほど、そういう問題もあるのね。そういった、サイズ変更が簡単にできる物は、これ、と3つほど選んでくれたけれど、どうしようかしら。
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