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家へ引っ越してから

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 お菓子作りをジョセフィーヌ様と一緒にするとなると、どんな感じなのかしら。結構慣れている様だし、わたくしが邪魔にならなければいいのだけれど。と心配していると、

「ネルア。家はどうでしたか?」

 と、ラクシュ様に聞かれる。ソファへと座ると、いつもの様にお茶が用意されて、くつろぎ空間の出来上がりとか、もうほんと至れり尽くせりよね。今日はルーヴェリア様も休憩するらしく、3人でお茶します。書記官として居る人たちにも、お茶も茶菓子もちゃんと配られてますよ。
 さて。家、ねぇ…

「キッチンが使いやすそうで良かったです。ただ、お部屋の位置が少し疑問がありますわ」

 そう、ベッドルームその他の位置がね。ただ、それをルーヴェリア様もいらっしゃるここで言うのはちょっと。

「その辺りは後程ゆっくり聞きますが…そうですね、一緒に帰られればいいのですが」

 なぜ一緒に帰るという話になるのかしら。と考えていると、ラクシュ様に甘いルーヴェリア様が、ん?と声をもらす。

「別に帰って良いぞ。食事の後は風呂だけだろ。他の奴でもいいし」
「…メンテを他の者に任せるのは少々心許ないのですが」
「そうなの?まあ俺もお前の方が安定感っていうのか、安心感か。違いはあるが、今日位はいいぞ」

 先ほどのお菓子の件で拗ねていた様子とは違って、これはいつものルーヴェリア様だわ。安定感とか安心感っていうのはなにかしらと考えていると、ラクシュ様が何やら困っていらっしゃるけれど。

「今のお身体、随分とバランス崩れているので人任せしたくないんですよね」
「ん?特にどこか痛いとか辛いとかないんだが」
「そうなのですか?…確かに辛かったらすでに言ってますか」
「そうだな。今直せる?」
「服の上からですと、勘になるのでちょっと」

 そういえば、メンテって…そうよね。最近ではレイにオイルエステしてもらってるけれど、身体を洗いながらメンテしてるとか言っていたような。ただ…外すだけなら服着たままでもいいとか言わないで欲しい…怖いわよ。

「他のやつだと駄目なの」
「私の気持ちの問題なだけです。そうですね、でしたら今調整しましょう。ということでお風呂行きますよ」
「お、おお…いいのか?」
「ええ。特に急ぎの書類もございませんし、ネルアには悪いのですが…お部屋でゆっくりしていてくださいますか?」
「わかりましたわ。では、部屋でゆっくりさせていただきます」

 なんだか勝手に話が決まってしまいましたけれど、いくら気安いルーヴェリア様とはいえ、話を途中で遮るのはできないし、結構わたくしも流されてしまう方だからいいのです。
 どうせなので、ジョセフィーヌ様へのお茶の誘いとお菓子作りのお話しをお手紙にしてしまいますか。
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