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宮殿での生活

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 爪のお手入れが終わって確認したけれどレイにもされた後と全く遜色なくきれいにされて、男性なのに…と思う。

「…ルーヴェリア様にも同じようにしてらっしゃるの?」
「日頃ここまで綺麗にする事はございませんよ。式典などの時だけですね」

 あ、では式典の時にはするんですね。なんとなく女性の仕事っていうイメージがあって、ラクシュ様がする事に違和感があるというか、どうしても前世に引きずられるわね。

「お前、ネルアの頭、どうでした?」

 と、ラクシュ様が、デボラに聞いているけれど、頭ツボをやってもらった感じで、しかも首の方までしてくれたからすっごく気持ちよかったし、なんだか軽い感じがする。

「結構凝ってらっしゃいます。ストレスもございますね」
「では、アレに言っておきなさい。それと、お茶変えておきなさい」
「はい」

 ストレス…まあ、あるわよね。今までの生活と全く違うもの。王宮で過ごすなんて環境が一変したし、毎日ある意味毎食王族と食事してるのだし。
 デボラはラクシュ様に言われて、寝室へと向かったわね。今飲んでいるお茶は、爪の表面を綺麗にし始めたラクシュ様が替えるように言っていたわ。なんだか、ここまで至れり尽くせりだと怖いわね。なのでそれを言えば。

「では、ネルア」
「は、はい!?」

 名前を呼ばれただけなのに、ぞくりとした。声色が、なんかね。

「ご褒美、ください」
「え、えぇと」
「名前、呼んでください」
「ぁ、はい。…ラクシュ様」

 顔見たら死ねるやつ…!そう考えて、顔を俯かせて呼べば、カップをひょいと取られて驚いたけれど、ぐいっと上体を抱き寄せられてラクシュ様の肩に、顔を埋める形にされた!?

「グランシュネル公爵領の時より落ち着いてますので、顔もそこまでではないと思いますが…これなら見えないでしょう?もっと呼んでください」

 確かに顔は見えませんが、これはこれで恥ずかしいのですが。ただ…ルーヴェリア様にも言われたように、求められたら応えた方がいいと分かっているから名前を呼ぶ。
 何度か呼んでいるうちに、ふと思う。ラクシュ様、騎士服なのよね…

「あの、ラクシュ様」
「…なんです?」
「この恰好という事は、その…今、ラクシュ様はナイフとか、持ってらっしゃるのですか?」
「そうですね。ですので…申し訳ないのですが、エッチをする時は脱げてもベストまでですね」

 いや、あの。そういう事を聞きたい訳ではないのですが。

「ラクシュ様は武器をあれだけ持ってらっしゃるのに、見た目がすっきりしてらっしゃるので」

 早口でそうまくしたてるように言えば、ああ。と言って笑う。

「ああ見えて、ケースはもちろんナイフを薄く仕上げてますので。後は上手く配置すればなんとかなりますし、武器を持っていると分からない様に、服のサイズも違いますし、骨格を変えたり、様々な事をしてます」
「骨格…」

 わたくしの腰回りの劇的な変化を目の当たりにしているから、まるでびっくり人間の様にそういう事もできてしまうのだろうなと納得してしまったのだけれど…

「なんなら脱ぎましょうか?」
「いえ、大丈夫です!」

 と、慌てて返答した。ちょっと…その、そのままセックスされると思ってしまったのよ。きっと直前にそんな事を言われたからだわ。
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