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宮殿での生活
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爪の形を綺麗にやすりで整えられながら、この際だからと質問をした。
「昨日、ジョセフィーヌ様のお部屋へお伺いいたしましたが…お部屋までの道が入り組んでいましたが、わたくしの部屋はそうではありませんね」
「そうですね。あそこは妃の部屋ですので。王様はお一人しか娶りませんでしたが、まあそういう事です」
なるほど。それで簡単に男性が侵入できない様になっていると。ではわたくしの部屋は?となると…
「この部屋は妃用ではございませんから。人によっては、幼いころからお世話になっている者を連れて来る場合もございますので、そう言った者用の部屋ですね。私としましては、妃用の部屋でもよかったのですが、そうするとお后様に会う確率も上がりますし、何より私が面倒です」
「そう、ですわね。確かにお后様にお会いしてしまったらと考えると少し緊張してしまいますわ。ですが…面倒、といいますと?」
「ネルアへ会いに来るのに、入り組んでますので面倒だなと」
いえ、それは面倒な方がわたくしとしましては助かるのですが。
「貴方様は、城のどこへでも行けるという事でしたが」
「んー…今更ですが、呼び方変えましょう。名前を呼んで欲しい所ですが、無理なら旦那様と呼んでください」
うぐ…ま、まあ…名前を呼んで、腰砕けにされるよりはいいのかしら。
「…旦那様」
「ふふ…いい響きです………で、城ですね」
なんだか、爪を整える動きが止まってましたよ…顔、こっちではなく爪の方を見ているので助かったかもしれない。
「私共は王族をこっそり守る事も必要ですので、上や専用の通路がございます。そうはいっても、どこへでも、という者は限られていますよ。私の場合はルーヴェリア様が入る場所でしたらあらかじめ確認の為に入ったりしますのでね。ルーヴェリア様には許可など必要ありませんから」
「そう、ですか。あの、上といいますと」
「上です。分かりやすい様に降りて来なさい」
分かりやすい様にって何、と思ったら、がたりと天井から音がした。そちらへと顔を向ければ…え、デボラ?ひらひらと手を振られて、混乱する。するりとその天井に空いた穴から降りて来たけど…え…忍者じゃないのこれ!?
「と、まあこんな具合です。せっかくなので、頭でも揉んでさしあげなさい」
「かしこまりました」
混乱するわたくしを余所に、デボラが怖くないですよ~なんていいながら、ソファへと凭れかけさせられて、首や頭を押して来るけど…あ、すごい気持ちいい…
はっ!まったりしている場合ではなかったわ。
「今日、両親へ挨拶に行きましたが…その時に、わたくしがどこへでも行けるとおっしゃってましたわね。あれは、今のお話と同じ事ですの?」
「同じ事ですが、実際、本当にネルアが自由に城のどこにでも、というのは、私が死んだら可能ですね。とはいえ、今も私が許可すれば可能ですよ。王の寝所も」
「いえ、それは遠慮いたします」
「そうですか。ですが、高確率で王様は寝込んでいますので、挨拶も寝所になる可能性が高いんですよねぇ」
…お身体が弱いという事でしたが…そんなに寝込んでらっしゃるんでしょうか。そもそも。
「王様のお身体も心配ですが、お后様にも挨拶がまだですわ」
「それも調整中です。できれば一緒に済ませたほうが良いのですが、王の寝所で挨拶は避けたいですし」
確かに一度に済ませられるならそれに越したことはないので、その方向でお願いした。
「昨日、ジョセフィーヌ様のお部屋へお伺いいたしましたが…お部屋までの道が入り組んでいましたが、わたくしの部屋はそうではありませんね」
「そうですね。あそこは妃の部屋ですので。王様はお一人しか娶りませんでしたが、まあそういう事です」
なるほど。それで簡単に男性が侵入できない様になっていると。ではわたくしの部屋は?となると…
「この部屋は妃用ではございませんから。人によっては、幼いころからお世話になっている者を連れて来る場合もございますので、そう言った者用の部屋ですね。私としましては、妃用の部屋でもよかったのですが、そうするとお后様に会う確率も上がりますし、何より私が面倒です」
「そう、ですわね。確かにお后様にお会いしてしまったらと考えると少し緊張してしまいますわ。ですが…面倒、といいますと?」
「ネルアへ会いに来るのに、入り組んでますので面倒だなと」
いえ、それは面倒な方がわたくしとしましては助かるのですが。
「貴方様は、城のどこへでも行けるという事でしたが」
「んー…今更ですが、呼び方変えましょう。名前を呼んで欲しい所ですが、無理なら旦那様と呼んでください」
うぐ…ま、まあ…名前を呼んで、腰砕けにされるよりはいいのかしら。
「…旦那様」
「ふふ…いい響きです………で、城ですね」
なんだか、爪を整える動きが止まってましたよ…顔、こっちではなく爪の方を見ているので助かったかもしれない。
「私共は王族をこっそり守る事も必要ですので、上や専用の通路がございます。そうはいっても、どこへでも、という者は限られていますよ。私の場合はルーヴェリア様が入る場所でしたらあらかじめ確認の為に入ったりしますのでね。ルーヴェリア様には許可など必要ありませんから」
「そう、ですか。あの、上といいますと」
「上です。分かりやすい様に降りて来なさい」
分かりやすい様にって何、と思ったら、がたりと天井から音がした。そちらへと顔を向ければ…え、デボラ?ひらひらと手を振られて、混乱する。するりとその天井に空いた穴から降りて来たけど…え…忍者じゃないのこれ!?
「と、まあこんな具合です。せっかくなので、頭でも揉んでさしあげなさい」
「かしこまりました」
混乱するわたくしを余所に、デボラが怖くないですよ~なんていいながら、ソファへと凭れかけさせられて、首や頭を押して来るけど…あ、すごい気持ちいい…
はっ!まったりしている場合ではなかったわ。
「今日、両親へ挨拶に行きましたが…その時に、わたくしがどこへでも行けるとおっしゃってましたわね。あれは、今のお話と同じ事ですの?」
「同じ事ですが、実際、本当にネルアが自由に城のどこにでも、というのは、私が死んだら可能ですね。とはいえ、今も私が許可すれば可能ですよ。王の寝所も」
「いえ、それは遠慮いたします」
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…お身体が弱いという事でしたが…そんなに寝込んでらっしゃるんでしょうか。そもそも。
「王様のお身体も心配ですが、お后様にも挨拶がまだですわ」
「それも調整中です。できれば一緒に済ませたほうが良いのですが、王の寝所で挨拶は避けたいですし」
確かに一度に済ませられるならそれに越したことはないので、その方向でお願いした。
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