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宮殿での生活
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午後は魔術道具の冊子を借りて、それを見ていた。王宮で使う物らしく、性能も機能も充実したもので、意外と楽しかったわ。今改修している家についている物を教えてもらって、他にも欲しい物があれば、レイに言う様にと言われていたから、まるで通販雑誌を見るかの様に楽しんでしまったわ。
と言っても、家に付いている道具がすでに至れり尽くせりな状態だったから、新たに必要な物はなかったけれどね。
そうして、宮殿に戻って、お風呂だけど…
「レイ、あの…寝巻、もうすこし丈の長い物とか、ズボンがある物とかはないかしら」
「ございますが、あの当主にそんな物、なんの抵抗にもなりませんよ」
「て、抵抗という訳では、ないのよ。体型に、自信が、なくて」
裸もしっかりお風呂で見られてしまったから、今更ではあるけれど。それでもやっぱり隠したいからそう言えば、レイはそういったものを用意すると言ってくれたから良かった。
「ですが…体型、でございますか。ちなみに、ネルア様はどのような体型がよろしいのでしょう」
「どのようなって…そうね」
お尻というか、腰がこう、すとんとしてしまっているから、ぼんきゅすとん、て感じでバランスが悪いからそれを言えば。
「では、当主に伝えておきます」
と、レイに言われて、伝えるってなにを?と、悩んでしまった。聞き返しても、ただ笑うだけで答えてくれないし。
お風呂に入って、恐る恐る出れば、今日はラクシュ様はいなくてほっとする。寝巻はシルクで、ズボンの物を用意されていた。裾にレースがあしらわれていて可愛い。
この寝巻ならソファでくつろいでいてもいいけれど、お茶はベッドルームよね。と思ったら、きちんとソファのローテーブルに用意されていて、レイってばすごいと思う。
お茶を飲みながら、部屋に備え付けの本を読む。今日はレース編みの本。糸とか道具はないけれど…図柄が可愛くてこれはこれで楽しめるし、もし道具を用意したらどれなら簡単か、なんて考えるのも楽しい。
けれど、結構熱中してしまったらしく…
「夜更かしは感心しませんね」
「ひっ、あ、ラクシュさ、ま」
背後から、耳元で聞こえた声に、慌てて振り向いてその名前を呼んでしまった!
「ふふ…夜更かし、ではなくて、私を待っていてくれたのでしょうか?」
あれ。ふわりと笑う顔は、確かにこう、ぞくりとするものはあるけれど、あそこまででは、ない?
「…意外と熱中してしまっただけですわ」
「ん…レース編みですか。そういえばネルアは縫物も好きなんでしたっけ。それらも持って来ているはずですが、お店にも行きましょう」
「え、ええ」
ナチュラルに横に座られたわよ。そしてラクシュ様もお茶を飲み始めてしまう。
「夜更かしは感心しない、とおっしゃっていませんでしたか?」
「言いましたね。ただ、こういうのもいいかなと」
そう言って、そのレース編みの本をちらりと見て、道具を揃えたいか聞かれる。
「もし、修道院に行けるのであれば、こういった物を作るのもいいかなとおもうのですが」
そう言って、コースターや、服の裾に付けて楽しめるような物を見せれば、そういえばと言う。
「王都の修道院は、どちらかというと読み聞かせの方が好まれるかもしれませんね。資金や品物は、意外と寄付する者が多いそうで。あとは…」
ラクシュ様の話を聞くと、どうやら職業訓練の様な事に力を入れているらしい。向き不向きもあるので、そこらへんは子供の好きなようにさせているらしいけれど。
領地では自主性に任せていたし、働き始めてから慣れるという様な感じだったから、こう言う所は王都だからなのかしらね。
と言っても、家に付いている道具がすでに至れり尽くせりな状態だったから、新たに必要な物はなかったけれどね。
そうして、宮殿に戻って、お風呂だけど…
「レイ、あの…寝巻、もうすこし丈の長い物とか、ズボンがある物とかはないかしら」
「ございますが、あの当主にそんな物、なんの抵抗にもなりませんよ」
「て、抵抗という訳では、ないのよ。体型に、自信が、なくて」
裸もしっかりお風呂で見られてしまったから、今更ではあるけれど。それでもやっぱり隠したいからそう言えば、レイはそういったものを用意すると言ってくれたから良かった。
「ですが…体型、でございますか。ちなみに、ネルア様はどのような体型がよろしいのでしょう」
「どのようなって…そうね」
お尻というか、腰がこう、すとんとしてしまっているから、ぼんきゅすとん、て感じでバランスが悪いからそれを言えば。
「では、当主に伝えておきます」
と、レイに言われて、伝えるってなにを?と、悩んでしまった。聞き返しても、ただ笑うだけで答えてくれないし。
お風呂に入って、恐る恐る出れば、今日はラクシュ様はいなくてほっとする。寝巻はシルクで、ズボンの物を用意されていた。裾にレースがあしらわれていて可愛い。
この寝巻ならソファでくつろいでいてもいいけれど、お茶はベッドルームよね。と思ったら、きちんとソファのローテーブルに用意されていて、レイってばすごいと思う。
お茶を飲みながら、部屋に備え付けの本を読む。今日はレース編みの本。糸とか道具はないけれど…図柄が可愛くてこれはこれで楽しめるし、もし道具を用意したらどれなら簡単か、なんて考えるのも楽しい。
けれど、結構熱中してしまったらしく…
「夜更かしは感心しませんね」
「ひっ、あ、ラクシュさ、ま」
背後から、耳元で聞こえた声に、慌てて振り向いてその名前を呼んでしまった!
「ふふ…夜更かし、ではなくて、私を待っていてくれたのでしょうか?」
あれ。ふわりと笑う顔は、確かにこう、ぞくりとするものはあるけれど、あそこまででは、ない?
「…意外と熱中してしまっただけですわ」
「ん…レース編みですか。そういえばネルアは縫物も好きなんでしたっけ。それらも持って来ているはずですが、お店にも行きましょう」
「え、ええ」
ナチュラルに横に座られたわよ。そしてラクシュ様もお茶を飲み始めてしまう。
「夜更かしは感心しない、とおっしゃっていませんでしたか?」
「言いましたね。ただ、こういうのもいいかなと」
そう言って、そのレース編みの本をちらりと見て、道具を揃えたいか聞かれる。
「もし、修道院に行けるのであれば、こういった物を作るのもいいかなとおもうのですが」
そう言って、コースターや、服の裾に付けて楽しめるような物を見せれば、そういえばと言う。
「王都の修道院は、どちらかというと読み聞かせの方が好まれるかもしれませんね。資金や品物は、意外と寄付する者が多いそうで。あとは…」
ラクシュ様の話を聞くと、どうやら職業訓練の様な事に力を入れているらしい。向き不向きもあるので、そこらへんは子供の好きなようにさせているらしいけれど。
領地では自主性に任せていたし、働き始めてから慣れるという様な感じだったから、こう言う所は王都だからなのかしらね。
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