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宮殿での生活
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ここでの朝食は、日によって様々だ。それは、ルーヴェリア様のご意向を汲んで、ということらしい。私も朝起きるとレイに聞かれるので、素直に要望を言う様にしている。
今日は…私はサラダとパンにジャムという、日本ではよくありがちなメニューになっている。あと、甘いミルクティーも。なんていうか、昨夜のあれがね…こう、がっつり食べたい訳じゃないけれど、少ない量でもカロリーが欲しいというか、甘いモノが欲しいというか…こう、恥ずかしくてね。ただ、今朝のアレで見事に吹っ飛んでる気がするけれど。
…あれはあれで精神削られたから、ジャムはたっぷり乗せて食べますよ。ええ。
「ん、ネルア嬢、ジャム俺もいい?」
「はい。どうぞ」
「ありがとう」
ルーヴェリア様がお求めのジャムは、ママレードだ。パンに塗るのかと思ったら、紅茶にいれて飲むらしい。ジャムはトレイに乗せられているからテーブルの上を滑らせてやりとりをしていい、らしい。日本で言う醤油とってと同じような感じかしら。
王族なんて食事は全部メイドや執事が出したりしていると思っていたけれど、案外自分で好きなようにして食べているのよね。ルーヴェリア様が変わっているのかもしれないけれど。
今日のルーヴェリア様は、二日酔いが祟っているのか、サラダだけ突いている。そして紅茶にジャムを淹れて飲んでいるだけだけれど…大丈夫なのかしら。
ラクシュ様はその反対で、がっつり系。朝から小さいとはいえステーキとは…
「見てるだけで頭痛い」
「今日は随分長引きますね。飲みすぎました?」
「久しぶりに飲んだ」
「ご自分の限界値位いい加減分かっていてもいいでしょうに」
「飲みやすいとつい」
「仕方ありませんね。これ、飲んでください」
「ん…」
ルーヴェリア様が、ラクシュ様の食事内容に文句を言えば、ラクシュ様は何かを投げ渡しているけれど…投げ渡すとか…もう、ほんと、いいのそれ…
「あの、それは…二日酔いに効くお薬、とかですか」
「二日酔いにというと少々違いますが、まあ似たようなものです。ルーヴェリア様、お茶でいいのでちゃんと水分取ってくださいね」
「分かってる」
小さな瓶の様で、ルーヴェリア様の手にあるとおもちゃみたいに見えるそれを、口を開けて飲み干しているけれど…本当に小さくて、小指の先から第二関節位までの長さ…かしらね。飲み終わると、口を閉めてまたラクシュ様に投げ返しているけれど…これがデフォルトなのね。理解したわ。
食事が終わると、ラクシュ様はお茶を淹れなおしに行ってしまうけれど…
「護衛騎士様がいないというのは、よろしいのですか?」
「駄目だったらそもそもあいつは離れないぞ。それもいるし、多分どこかにいるだろ」
そう言って、レイを示して、どこかと言って天井をくるくると示す。
「そこら辺もそのうち、だな。ま、この城で襲撃はめったな事じゃ起きないから安心していい」
子供の頃から狙われていたとおっしゃっていた。その頃からラクシュ様に守られていたのだと。それなら、このお城にもそう言った危険があるのだと思ったのだけれど、違うのかしら。
今日は…私はサラダとパンにジャムという、日本ではよくありがちなメニューになっている。あと、甘いミルクティーも。なんていうか、昨夜のあれがね…こう、がっつり食べたい訳じゃないけれど、少ない量でもカロリーが欲しいというか、甘いモノが欲しいというか…こう、恥ずかしくてね。ただ、今朝のアレで見事に吹っ飛んでる気がするけれど。
…あれはあれで精神削られたから、ジャムはたっぷり乗せて食べますよ。ええ。
「ん、ネルア嬢、ジャム俺もいい?」
「はい。どうぞ」
「ありがとう」
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「飲みやすいとつい」
「仕方ありませんね。これ、飲んでください」
「ん…」
ルーヴェリア様が、ラクシュ様の食事内容に文句を言えば、ラクシュ様は何かを投げ渡しているけれど…投げ渡すとか…もう、ほんと、いいのそれ…
「あの、それは…二日酔いに効くお薬、とかですか」
「二日酔いにというと少々違いますが、まあ似たようなものです。ルーヴェリア様、お茶でいいのでちゃんと水分取ってくださいね」
「分かってる」
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