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序章

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「一夫多妻が嫌だとおっしゃっていましたが、それはどこら辺までなのでしょうか」

 エッチが終わって、くたくたになったわたくしごとお風呂に入ったラクシュ様。中にたっぷりと出されたものも綺麗に指で掻き出されて、それだけでまた達してしまって恥ずかしい。しかもラクシュ様は、全くこれっぽっちも変化なくて、恥ずかしさ倍増よ…
 身体を綺麗にすると、タオルで身体を拭いたけど、裸のまままたベッドへと戻って、腕枕されてますよ…恥ずかしい…しかもベッドが綺麗に整えられているとか…怖い。
 で、冒頭の質問。

「どこらへん、といいますと…」
「店の女を買う、とかは?」

 うわぁ…それ聞くの…先ほどの色々があって、恥ずかしいから…背後からラクシュ様に抱き込まれる形での腕枕だから、顔を見られる心配がなくて助かる。

「正直な所、あまりいい気はしません」
「ふむ…ああ、質問を間違えましたね。ルーヴェリア様とどういう話をして、一夫多妻が嫌だという話に?」

 そう言えば、その理由までは話してなかったわね。それに思い至って、女同士の闘い怖い、という事を詳しく言えば。

「…えぇと…そういう事になる、のですか?」
「実際私の母はそうなってますわ。どこの家庭でもなるかと言われれば、それぞれで事情なども違いますし、人なので相性などもあるとは思いますが」

 うちの事例を言うのはどうかとは思ったけれど…それを見ていたから嫌なのだといえば、納得してもらえたわ。

「それでは…例えば先ほどの睡眠薬の件で言えば、ですが…もし本当にケニア嬢と同衾していて、責任を取って結婚となった場合、私としては意図した結婚ではありませんし、ヤったかヤってないかなどどうでもよくてですね」
「どうでもいいだなんて」
「私、最初から言ってましたよね。貴女が欲しいと」

 最初、というか…顔合わせの時に、庭園でそんな事言われたわね。でも、女にとって、抱かれる事をどうでもいいだなんて…まあ…ただ裸になって、起きる頃に叫ぶ、という手法でも、まあ…濡れ衣を着せる事も出来るかな。調べる…事も、出来るのかどうか分からないけど。

「ですので、そう言う場合でも嫌ですか?」
「…そうなる可能性がございますの?」

 そういう例えを出して来るという事は、そうなる可能性があるのかと思って問えば、少しの間を置いて、

「言われてみれば、全くございませんね」

 という回答が帰って来て拍子抜けしてしまう。

「わたくし…意識の消失は、したくございませんので」
「…意味が分かりません」
「ルーヴェリア様をお守りする為には、寝ている間でも気配が分かる様に訓練してまして」
「え…」
「薬を使って眠る事はしたことございませんので、どうなるかわかりませんが…ですので、可能性はございませんね」

 きっぱりそう言われて、ああ、やっぱり根底がルーヴェリア様なのね。と茫然としてしまった。
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