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番外編
お酒も色々あるらしい
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ルーヴェリア様の乳兄弟は、調理方法を聞き終わったらスタンフォードが城へと転移する事になっている。だから、私とスタンフォードは庭でお茶をして待ってた。お茶はシルヴさんに用意して貰ってたやつだけど。
テーブルを庭に設置して、そこでお茶しながら地図を見る。その地図をスタンフォードが指さしながら、マグロ、というかグローヌを獲った場所はここで、あと行けそうな場所はここらへん、と説明を受ければ、何が取れるかまで分かる高性能すぎる謎知識を堪能した。
「お待たせしました」
とはいえ、ルーヴェリア様の乳兄弟がいるから声にはするなとスタンフォードから注意されていたので、心の中であれが食べられるとかこれがいるとか、狂喜乱舞してただけ。
話が終わったのか、そう言いながら家から出て来たその人だけど、シルヴさんはいない。
「別に待ってないからいい。あいつはどうしたんだ」
「さあ。別にお見送りしろとも言いませんし、必要な訳でもありませんので構いませんよ」
「そうか。俺の部屋に飛ばすんだが、それでいいか?」
「ええ。お願いします」
それだけ言って、直ぐに居なくなった。…スタンフォードが陣を発動したからだけどね。
「随分あっさり帰っていったね」
「基本的に、兄上の傍から離れないからな」
と言われたけど、お城に行った時とか、街でお茶した時とか、見かけないんだけど。と言えば。
「…どこかにはいたはずだ」
と、なんだか遠い目をされました。
久しぶりに食べたマグロ料理をかなりの頻度で堪能したけれど、だからといって毎日食べるのはちょっと。という事で、2、3日もすればいつもの食事内容へと戻る。
料理のレパートリーとして、マグロが入る様になっただけよね。うん。シルヴさんが、レシピを考えるのだと言って、煮物にしたり甘辛く煮たり、からっとフライにしたりといろいろ作ってくれるから…ちょっと、ビールが飲みたくなって困る。
「ねえ、スタンフォード様。ビールって、製造されてるみたいだけど…どこで買えばいいの?」
「ビール…シルヴ、分かるか」
「一応はありますよ~ただ…手軽に酔える、って事で、上流階級の人より一般人なんかに飲まれるっすね」
酒場で独自に作っているらしく、店に卸す様な販売形態はしていないのだという。
「買える事は買えますけど~酒場に行くのはよした方がいいっすね~なんならそういう所に行くヤツもいるんで、買って来て貰うっす」
「そうか。頼む。だが…味が同じかまではわからんな」
「飲んだことあるっす。けど…味というよりは…こう、口の中でぱちぱちするんで、感覚を楽しむ感じっすかね。あとは作りやすいので安く手に入るっすね」
店によって味が違うから、それも楽しめるらしいけど…じゃあ他のお酒は高級品ということ?
「一般向けの物もあるっすよ。ただ、貴族の口に合わなくて需要がないだけっす」
貴族はそれこそ一晩で大量に開けるし、毎食飲む人もいるらしい。そうすると、値段もだんだん上がる、とそう言う事らしい。
毎日晩酌、は…貴族の特権ということかぁ。日本では恵まれていたんだな…
「ユウが望むなら、毎日ワインを用意してもいいが」
「それもいいけど…」
うーん、サワーとかチューハイとか、そういう物は…と、謎知識で出てこないかなーと考えていると、炭酸水はあるらしいけど、それでお酒を割るという利用方法はまだないらしい。
「炭酸水で、お酒割ったりとか…知識で見たら、そういうのはまだないらしいんだけど」
異世界文化をほいほい取り入れていいのかと思って聞けば、それならここでだけ飲めばいいという事になった。シルヴさんに言って、それらの材料も買って来てもらう事になったから、生活が華やかになってうれしいわ~!
テーブルを庭に設置して、そこでお茶しながら地図を見る。その地図をスタンフォードが指さしながら、マグロ、というかグローヌを獲った場所はここで、あと行けそうな場所はここらへん、と説明を受ければ、何が取れるかまで分かる高性能すぎる謎知識を堪能した。
「お待たせしました」
とはいえ、ルーヴェリア様の乳兄弟がいるから声にはするなとスタンフォードから注意されていたので、心の中であれが食べられるとかこれがいるとか、狂喜乱舞してただけ。
話が終わったのか、そう言いながら家から出て来たその人だけど、シルヴさんはいない。
「別に待ってないからいい。あいつはどうしたんだ」
「さあ。別にお見送りしろとも言いませんし、必要な訳でもありませんので構いませんよ」
「そうか。俺の部屋に飛ばすんだが、それでいいか?」
「ええ。お願いします」
それだけ言って、直ぐに居なくなった。…スタンフォードが陣を発動したからだけどね。
「随分あっさり帰っていったね」
「基本的に、兄上の傍から離れないからな」
と言われたけど、お城に行った時とか、街でお茶した時とか、見かけないんだけど。と言えば。
「…どこかにはいたはずだ」
と、なんだか遠い目をされました。
久しぶりに食べたマグロ料理をかなりの頻度で堪能したけれど、だからといって毎日食べるのはちょっと。という事で、2、3日もすればいつもの食事内容へと戻る。
料理のレパートリーとして、マグロが入る様になっただけよね。うん。シルヴさんが、レシピを考えるのだと言って、煮物にしたり甘辛く煮たり、からっとフライにしたりといろいろ作ってくれるから…ちょっと、ビールが飲みたくなって困る。
「ねえ、スタンフォード様。ビールって、製造されてるみたいだけど…どこで買えばいいの?」
「ビール…シルヴ、分かるか」
「一応はありますよ~ただ…手軽に酔える、って事で、上流階級の人より一般人なんかに飲まれるっすね」
酒場で独自に作っているらしく、店に卸す様な販売形態はしていないのだという。
「買える事は買えますけど~酒場に行くのはよした方がいいっすね~なんならそういう所に行くヤツもいるんで、買って来て貰うっす」
「そうか。頼む。だが…味が同じかまではわからんな」
「飲んだことあるっす。けど…味というよりは…こう、口の中でぱちぱちするんで、感覚を楽しむ感じっすかね。あとは作りやすいので安く手に入るっすね」
店によって味が違うから、それも楽しめるらしいけど…じゃあ他のお酒は高級品ということ?
「一般向けの物もあるっすよ。ただ、貴族の口に合わなくて需要がないだけっす」
貴族はそれこそ一晩で大量に開けるし、毎食飲む人もいるらしい。そうすると、値段もだんだん上がる、とそう言う事らしい。
毎日晩酌、は…貴族の特権ということかぁ。日本では恵まれていたんだな…
「ユウが望むなら、毎日ワインを用意してもいいが」
「それもいいけど…」
うーん、サワーとかチューハイとか、そういう物は…と、謎知識で出てこないかなーと考えていると、炭酸水はあるらしいけど、それでお酒を割るという利用方法はまだないらしい。
「炭酸水で、お酒割ったりとか…知識で見たら、そういうのはまだないらしいんだけど」
異世界文化をほいほい取り入れていいのかと思って聞けば、それならここでだけ飲めばいいという事になった。シルヴさんに言って、それらの材料も買って来てもらう事になったから、生活が華やかになってうれしいわ~!
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