上 下
47 / 66
第九章:終話。なんだかんだで愛されて幸せになりました

ギリアムさん改めシルヴさんがお家に来た

しおりを挟む
 安心感まったくないけど…結果として、乳母兄弟というか毒の人、来ることになりました。スタンフォードは、大丈夫というけれど…その安心感どこからくるのよ。え、実体験?今まで毒盛られたことないから?そういう所で確信されても…

 家に戻れば、まず…その人の住む部屋を用意するのだという。
 一緒についてくるように言われた、けど…抱き上げられてそのまま連れていかれましたけどナニカ。もういいけどさ…
 部屋は、お風呂もトイレもついていて、ワンルームの様な感じだった。お風呂?魔術で綺麗にできるのに?

「…魔術で落ちない薬剤で髪染めてるからな。必要なんだよ」
「髪?」
「見ればわかる。見せてくれるかどうかは、わからないが」

 どういう事なんだろう。そう思うけれど…スタンフォードも見たことがないのだという。ただ、そういうモノだとは、王族には伝わっているそうで。

「ああいったという事は、見せてくれるだろう。その変化は証の様な…勲章の様なもの、らしいからな」
「なんかよくわからないけど、わかった」

 そんな事を話して…毎晩、というか…タイミングが合えば抱き合って、食材を買いに出かけたりして、一週間後…王太子様とルーヴェリア様からのお祝いの品と一緒に、乳母兄弟であるその人が来た。スタンフォードが転移させたんだけれどね。

「これからお世話になりますねぇ~」
「ああ。頼む」
「よろしくお願いします」

 と、挨拶をして…ギリアムさんって呼んでいいのか聞いた。役職で呼ぶべきなのかわからないからだけど、そもそも役職とか聞いてないな。けれど…

「私の事は、シルヴ、と」
「?えっと、シルヴさん、ね。よろしく」

 ギリアムさんではなく?そう思ったけれど、もしかしたら名字と名前とかそういうものかなと思って、スルーしたけれど、なんか、スタンフォードが、ほう…とか言ってるけど…なによ。

「お前、その名を名乗るとは思わなかったんだが」
「貴方の奥様ですよぉ~あ、ただ、外ではお前とかで良いので。名前バレしたくないんですよぉ~」
「てっきり違う名を使うかと思ったんだが。そうか…」

 えっと、何二人でわかったような会話してるのよ。置いてけぼり感半端ないよ。名前バレしたくないのは分かったけど、だからってお前呼びはちょっとなぁ。そう言うと、じゃあルヴでいいと言われた。頭抜いただけだけどいいのか。あ、そう、いいのね…じゃあギリアムってなんだろうと思っていると、その名は城でスタンフォードの侍従としての名前だそうで。そこら辺も色々あるらしいけれど、そのうちに教えると言われて話を切り上げられてしまった。

「このお祝いのお品、どうしましょうかねぇ~まだ当分使いませんよねぇ」
「子供の部屋は用意してある。運んでおくから、後で荷ほどきしてくれ」
「かしこまりましたぁ~」
「そういえば、話し方、変えてもいいぞ。ここは誰も来れないからな。…お前の所の当主以外は」
「あはは。あの人おかしいっすもんね~いや~俺には無理っすわ~」

 え、なにこの軽さ!?というか本当の話し方、コレ!?

「あ、奥さんびっくりしてますね~よく驚かれるっす」
「いや、その…」
「ついでに言うが…お前、これから言う事、絶対に黙ってろよ」

 そう前置きして…私がホムンクルスである事をばらしてた。いいのかそれ言って!?魂を異世界から持ってきたことまで言っていいのか!?
 と、内心ひやひやしていたら、スタンフォードはルーヴェリア様の乳母兄弟にはホムンクルスであることはばれてしまったと言う。

「魂に関しては、まだ知らないはずだ。だから言うなよ。あと、ユウ。ここでは好きに振る舞っていい。こいつにばらしたのは、そういう理由もある」
「…そっか。わかった。ありがと」

 そういって礼を言うと、頭を撫でられて、キスされた。おい、人前…!と、思ったら…いなかった。え。今さっきまでいたよね。
 茫然としていたら、あいつはそういうやつだといって、笑ってたけど…どういうやつよ。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

黒の神官と夜のお世話役

苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

大神官様に溺愛されて、幸せいっぱいです!~××がきっかけですが~

如月あこ
恋愛
アリアドネが朝起きると、床に男性のアレが落ちていた。 しかしすぐに、アレではなく、アレによく似た魔獣が部屋に迷い込んだのだろうと結論づける。 瀕死の魔獣を救おうとするが、それは魔獣ではく妖精のいたずらで分離された男性のアレだった。 「これほどまでに、純粋に私の局部を愛してくださる女性が現れるとは。……私の地位や見目ではなく、純粋に局部を……」 「あの、言葉だけ聞くと私とんでもない変態みたいなんですが……」 ちょっと癖のある大神官(28)×平民女(20)の、溺愛物語

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

無表情いとこの隠れた欲望

春密まつり
恋愛
大学生で21歳の梓は、6歳年上のいとこの雪哉と一緒に暮らすことになった。 小さい頃よく遊んでくれたお兄さんは社会人になりかっこよく成長していて戸惑いがち。 緊張しながらも仲良く暮らせそうだと思った矢先、転んだ拍子にキスをしてしまう。 それから雪哉の態度が変わり――。

大好きな幼馴染と結婚した夜

clayclay
恋愛
架空の国、アーケディア国でのお話。幼馴染との初めての夜。 前作の両親から生まれたエイミーと、その幼馴染のお話です。

高級娼婦×騎士

歌龍吟伶
恋愛
娼婦と騎士の、体から始まるお話。 全3話の短編です。 全話に性的な表現、性描写あり。 他所で知人限定公開していましたが、サービス終了との事でこちらに移しました。

ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる

Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。 でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。 彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。

お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~

ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。 2021/3/10 しおりを挟んでくださっている皆様へ。 こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。 しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗) 楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。 申しわけありません。 新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。 修正していないのと、若かりし頃の作品のため、 甘めに見てくださいm(__)m

処理中です...