42 / 66
第九章:終話。なんだかんだで愛されて幸せになりました
お祝いの品
しおりを挟む
あー…王子様がいる…
「目が覚めたか。どこか悪い所は?」
最近…スタンフォードは、髭も剃って、王子様っぽい割合が多い。前みたいに、世捨て人の様な出で立ちは…時々夜、見ることもあるけど。今は、髪は結ってないけれど…さらりと髪が揺れ動いてる。
「…おい、大丈夫か?」
「あ…平気、です」
見とれてたなんて絶対に言わない。心配そうにのぞき込んで、頬を撫でられると…なんか、ふわふわする…
「…全く平気そうには見えんが…」
「平気…ただ…なんか、手…もっと撫でて…」
なんか、頭とか、頬とか、撫でられると…気持ちいいっていうんじゃないし…なんかよくわからないけど…もっと触れてて欲しいというか。
なんともないならいいが。と言って、するすると頭とか頬を撫でてくれる。うっとりと目を閉じてそのぬくもりを感じながら…最中を思い出す。
最初はただ欲しかっただけだったけど、なんか、途中で満足というか、幸せ感がした。今もそんな感じ、な…気がする…?もしやこれが身体からオトされるっていうやつか。まあ、見た目はいいし…最近なんか優しいし…どうせ強制的に結婚して夫婦になるんだから、毛嫌いしちゃうような男じゃないならまあ、いいかなぁ。
王族だしね。食うに困らないしね。食べなくても生きていけるホムンクルスですが。
まあ、そんな事を考えていられたのも少しの間で。抱っこされて、部屋にいつの間にか出現した小さなテーブルとイス。イスは2脚あるのに、なぜかスタンフォードの膝の上に座る格好になってました。
「これ、兄…二番目の兄からのお祝いだそうだ。兄についてる乳母兄弟が持ってきた。お茶も。食べるだろう?」
「うん。でも、お茶って…いつ淹れたの?」
「維持の魔術を掛けているからな。それも、話さないととは思ってたんだが」
そう言って、お茶をポットからカップに注ぎながら話してくれた。その維持の魔術は、以前冷凍庫はないのかと聞いた時にないという回答だったけど…その冷凍庫がどういうものか聞いて、作った魔術、らしい。
でも…維持の魔術がどういった効果をもたらすのかを聞いて、冷凍庫よりすごいものを作るとか魔術ってすごいというか…スタンフォードの頭どうなってんのっていうか。だって、時が止まって現状の状態から変わらないって、なによって思うよね!?
「だから…その維持の魔術を冷蔵庫の様に出来たら、買い物に行く回数も減らせるんだが…まだそれがうまくいってなくてな。ほら、あーん」
「それは、分かったけど…なんで食べさせられてるの私。自分で食べますよ」
「…だめか?」
「う…駄目じゃないけど…なんで手づかみなの」
マドレーヌの様な…小さなケーキ菓子で、それがかわいらしい籠に入れられていた。一応、箱にも入っていたけれど、話しながらそれを開けて、スタンフォードの手で、あーんを強要されている…話してる口に強引に押し付ける事はなく、ただ目の前に差し出されて待たれてる…仕方なく、口を開ければ…そっと押し込まれて…ロイヤルスマイルよこしやがった…!くそう、イケメンだな!
「手づかみは…その方が楽しいからかな。ユウは、してくれないのか…」
…よくわからない理由により…フォークがカップと一緒に用意されていたのに使用されず、しかも私も手づかみでスタンフォードに食べさせなくてはならないとか…一体なんなの…食べさせたら食べさせたで、めっちゃ可愛く笑うんだよ…なんだこの生物…
「目が覚めたか。どこか悪い所は?」
最近…スタンフォードは、髭も剃って、王子様っぽい割合が多い。前みたいに、世捨て人の様な出で立ちは…時々夜、見ることもあるけど。今は、髪は結ってないけれど…さらりと髪が揺れ動いてる。
「…おい、大丈夫か?」
「あ…平気、です」
見とれてたなんて絶対に言わない。心配そうにのぞき込んで、頬を撫でられると…なんか、ふわふわする…
「…全く平気そうには見えんが…」
「平気…ただ…なんか、手…もっと撫でて…」
なんか、頭とか、頬とか、撫でられると…気持ちいいっていうんじゃないし…なんかよくわからないけど…もっと触れてて欲しいというか。
なんともないならいいが。と言って、するすると頭とか頬を撫でてくれる。うっとりと目を閉じてそのぬくもりを感じながら…最中を思い出す。
最初はただ欲しかっただけだったけど、なんか、途中で満足というか、幸せ感がした。今もそんな感じ、な…気がする…?もしやこれが身体からオトされるっていうやつか。まあ、見た目はいいし…最近なんか優しいし…どうせ強制的に結婚して夫婦になるんだから、毛嫌いしちゃうような男じゃないならまあ、いいかなぁ。
王族だしね。食うに困らないしね。食べなくても生きていけるホムンクルスですが。
まあ、そんな事を考えていられたのも少しの間で。抱っこされて、部屋にいつの間にか出現した小さなテーブルとイス。イスは2脚あるのに、なぜかスタンフォードの膝の上に座る格好になってました。
「これ、兄…二番目の兄からのお祝いだそうだ。兄についてる乳母兄弟が持ってきた。お茶も。食べるだろう?」
「うん。でも、お茶って…いつ淹れたの?」
「維持の魔術を掛けているからな。それも、話さないととは思ってたんだが」
そう言って、お茶をポットからカップに注ぎながら話してくれた。その維持の魔術は、以前冷凍庫はないのかと聞いた時にないという回答だったけど…その冷凍庫がどういうものか聞いて、作った魔術、らしい。
でも…維持の魔術がどういった効果をもたらすのかを聞いて、冷凍庫よりすごいものを作るとか魔術ってすごいというか…スタンフォードの頭どうなってんのっていうか。だって、時が止まって現状の状態から変わらないって、なによって思うよね!?
「だから…その維持の魔術を冷蔵庫の様に出来たら、買い物に行く回数も減らせるんだが…まだそれがうまくいってなくてな。ほら、あーん」
「それは、分かったけど…なんで食べさせられてるの私。自分で食べますよ」
「…だめか?」
「う…駄目じゃないけど…なんで手づかみなの」
マドレーヌの様な…小さなケーキ菓子で、それがかわいらしい籠に入れられていた。一応、箱にも入っていたけれど、話しながらそれを開けて、スタンフォードの手で、あーんを強要されている…話してる口に強引に押し付ける事はなく、ただ目の前に差し出されて待たれてる…仕方なく、口を開ければ…そっと押し込まれて…ロイヤルスマイルよこしやがった…!くそう、イケメンだな!
「手づかみは…その方が楽しいからかな。ユウは、してくれないのか…」
…よくわからない理由により…フォークがカップと一緒に用意されていたのに使用されず、しかも私も手づかみでスタンフォードに食べさせなくてはならないとか…一体なんなの…食べさせたら食べさせたで、めっちゃ可愛く笑うんだよ…なんだこの生物…
0
お気に入りに追加
168
あなたにおすすめの小説
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
【完結】ペンギンの着ぐるみ姿で召喚されたら、可愛いもの好きな氷の王子様に溺愛されてます。
櫻野くるみ
恋愛
笠原由美は、総務部で働くごく普通の会社員だった。
ある日、会社のゆるキャラ、ペンギンのペンタンの着ぐるみが納品され、たまたま小柄な由美が試着したタイミングで棚が倒れ、下敷きになってしまう。
気付けば豪華な広間。
着飾る人々の中、ペンタンの着ぐるみ姿の由美。
どうやら、ペンギンの着ぐるみを着たまま、異世界に召喚されてしまったらしい。
え?この状況って、シュール過ぎない?
戸惑う由美だが、更に自分が王子の結婚相手として召喚されたことを知る。
現れた王子はイケメンだったが、冷たい雰囲気で、氷の王子様と呼ばれているらしい。
そんな怖そうな人の相手なんて無理!と思う由美だったが、王子はペンタンを着ている由美を見るなりメロメロになり!?
実は可愛いものに目がない王子様に溺愛されてしまうお話です。
完結しました。
メイドから家庭教師にジョブチェンジ~特殊能力持ち貧乏伯爵令嬢の話~
Na20
恋愛
ローガン公爵家でメイドとして働いているイリア。今日も洗濯物を干しに行こうと歩いていると茂みからこどもの泣き声が聞こえてきた。なんだかんだでほっとけないイリアによる秘密の特訓が始まるのだった。そしてそれが公爵様にバレてメイドをクビになりそうになったが…
※恋愛要素ほぼないです。続きが書ければ恋愛要素があるはずなので恋愛ジャンルになっています。
※設定はふんわり、ご都合主義です
小説家になろう様でも掲載しています
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました
騎士団寮のシングルマザー
古森きり
恋愛
夫と離婚し、実家へ帰る駅への道。
突然突っ込んできた車に死を覚悟した歩美。
しかし、目を覚ますとそこは森の中。
異世界に聖女として召喚された幼い娘、真美の為に、歩美の奮闘が今、始まる!
……と、意気込んだものの全く家事が出来ない歩美の明日はどっちだ!?
※ノベルアップ+様(読み直し改稿ナッシング先行公開)にも掲載しましたが、カクヨムさん(は改稿・完結済みです)、小説家になろうさん、アルファポリスさんは改稿したものを掲載しています。
※割と鬱展開多いのでご注意ください。作者はあんまり鬱展開だと思ってませんけども。
私を愛してくれない婚約者の日記を読んでしまいました〜実は溺愛されていたようです〜
侑子
恋愛
成人間近の伯爵令嬢、セレナには悩みがあった。
デビュタントの日に一目惚れした公爵令息のカインと、家同士の取り決めですぐに婚約でき、喜んでいたのもつかの間。
「こんなふうに婚約することになり残念に思っている」と、婚約初日に言われてしまい、それから三年経った今も全く彼と上手くいっていないのだ。
色々と努力を重ねてみるも、会話は事務的なことばかりで、会うのは決まって月に一度だけ。
目も合わせてくれないし、誘いはことごとく断られてしまう。
有能な騎士であるたくましい彼には、十歳も年下で体も小さめな自分は恋愛対象にならないのかもしれないと落ち込む日々だが、ある日当主に招待された彼の公爵邸で、不思議な本を発見して……?
冷淡だった義兄に溺愛されて結婚するまでのお話
水瀬 立乃
恋愛
陽和(ひより)が16歳の時、シングルマザーの母親が玉の輿結婚をした。
相手の男性には陽和よりも6歳年上の兄・慶一(けいいち)と、3歳年下の妹・礼奈(れいな)がいた。
義理の兄妹との関係は良好だったが、事故で母親が他界すると2人に冷たく当たられるようになってしまう。
陽和は秘かに恋心を抱いていた慶一と関係を持つことになるが、彼は陽和に愛情がない様子で、彼女は叶わない初恋だと諦めていた。
しかしある日を境に素っ気なかった慶一の態度に変化が現れ始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる