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第三章:そんなこんなで生活がはじまりましたが
生活力というか、よくこれで生活してたなと
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次は、と読み進めるが、どうやらあとはこの世界の事らしい。ただ、単語が書かれているだけだ。それは、単語だけでも勝手に知識が流れ込んでくるからだろう。それでもすごい厚さがある…でも、しばらくは外にでないだろうし、記憶喪失という設定なら、分からなくても問題ないかなと思って、あとでもいいかと切り上げた。
なんとなく、必要な情報は得られた気がする。疑問も沸いて来てはいるけれど。
だから、キッチンへと向かった。一応、家の中に埃が舞っていたりなんてことはなかったから安心したのだけれど、これも魔術でなんとでもなると知識が流れてきて、もうほんと何でもありだなと茫然とした。
そして問題のキッチンだけど、ごみであふれているとか、そういった事はまったくなかった。まあ、この世界はコンビニなんていう便利なモノはないみたいだし。ただ…食糧庫とされる場所に積まれた木箱があり、それを見てみれば…
「…なにこれ…一応、知識としては保存食とか携帯食って出てるけど…」
箱の中から出てきた物体は、個別に包装されていて、悪いとは思ったけれど開けてみれば…クッキーの様なものと…干し肉がセットになって入っていた。食べてみれば、ダイエットクッキーの様な味で、悪くはない。干し肉はあまりにも固いから、そのまま袋に戻したけど…
山のように、とは言わないけれど、そうね、そこそこ大きめの段ボール箱で20箱あるかな。保存食をこれだけ置いておくのは理由があるのかしら。
森の中にある住処だから、買い物になかなか行けない、とか…雪とか天気によって買い物に行けないからとか…そういう時用かな…それとも他に食糧を置いている場所があるとか?
知識として流れてくる情報には、食材を置く場所として、今箱が積まれている場所しか出てこない…うそでしょ、まさかこれを食べて生活しているとでもいうの!?一応、何というか、バランスが取れた食糧とはなっているけれど、これを毎食なの!?あの男は!?
せめてこう、料理の痕跡は…と、調味料など、日持ちするものがコンロに該当する箇所にないか探してみるが…
「ない…塩とか、砂糖、コショウもない…一般的な調味料って知識にはあるのに、この家にはまったく、一切、ない!!!」
そこから!?そこからなの!?そりゃごみなんか出る訳ないですよね!!!
「買い物、買い物に行かなきゃ…でも、だめ。私は今記憶喪失…あああぁぁぁぁぁ!」
という訳で、キッチンで茫然としていた。もしくは立ったまま気を失っていたのかもしれない…というのは言い過ぎか。
ただ単に時間の感覚がなくて、知識を得るためにあの本を読んでいて時間が経っていたのかもしれない。
「…お前、なにしてるんだこんな所で」
と、聞こえた声に、はっとした!
「買い物に行きましょう!!!」
そして、最後に分かれた時より一層ぼさぼさになった頭の人の腕をがっしりと掴んで、そう懇願したのだった。
なんとなく、必要な情報は得られた気がする。疑問も沸いて来てはいるけれど。
だから、キッチンへと向かった。一応、家の中に埃が舞っていたりなんてことはなかったから安心したのだけれど、これも魔術でなんとでもなると知識が流れてきて、もうほんと何でもありだなと茫然とした。
そして問題のキッチンだけど、ごみであふれているとか、そういった事はまったくなかった。まあ、この世界はコンビニなんていう便利なモノはないみたいだし。ただ…食糧庫とされる場所に積まれた木箱があり、それを見てみれば…
「…なにこれ…一応、知識としては保存食とか携帯食って出てるけど…」
箱の中から出てきた物体は、個別に包装されていて、悪いとは思ったけれど開けてみれば…クッキーの様なものと…干し肉がセットになって入っていた。食べてみれば、ダイエットクッキーの様な味で、悪くはない。干し肉はあまりにも固いから、そのまま袋に戻したけど…
山のように、とは言わないけれど、そうね、そこそこ大きめの段ボール箱で20箱あるかな。保存食をこれだけ置いておくのは理由があるのかしら。
森の中にある住処だから、買い物になかなか行けない、とか…雪とか天気によって買い物に行けないからとか…そういう時用かな…それとも他に食糧を置いている場所があるとか?
知識として流れてくる情報には、食材を置く場所として、今箱が積まれている場所しか出てこない…うそでしょ、まさかこれを食べて生活しているとでもいうの!?一応、何というか、バランスが取れた食糧とはなっているけれど、これを毎食なの!?あの男は!?
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「ない…塩とか、砂糖、コショウもない…一般的な調味料って知識にはあるのに、この家にはまったく、一切、ない!!!」
そこから!?そこからなの!?そりゃごみなんか出る訳ないですよね!!!
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「…お前、なにしてるんだこんな所で」
と、聞こえた声に、はっとした!
「買い物に行きましょう!!!」
そして、最後に分かれた時より一層ぼさぼさになった頭の人の腕をがっしりと掴んで、そう懇願したのだった。
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