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第7章
188 雪山怪猿
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「エイマ! 教授、エイマは!?」
「彼女なら大丈夫、軽傷だ。毒なら君が侵されたものの方が強力だった」
エイマは横になってはいるが、顔色はいいし呼吸も安定してる。まあ想定通りの効果だ。
「それより君やローンズの方が重傷だ。ポーションを使っておきなさい」
「はい!」
飲んでよし塗り込んでよしの万能品。戦闘スタイル的にも仕方ないが、ローンズなんかは結構生傷が多いんだよな。そこでポーションだ。
こいつさえあれば多少の怪我は気にならない。本当に気にならないんだ。そりゃ腕が飛んだのをくっつけるのは難しいが、今みたいな細かい傷ならこんな風に……数秒で塞がる。
さすが冒険者の必須アイテム、治癒って魔術があるにも関わらず使われてるのは、この即効性と効果の高さにもあるんだろうな。ちなみに迷宮街でもお値打ち価格で販売中だぞ!
「ここで消耗品を買い足せるらしい」
「へえ、ちょっとした保存食とかも買えるんだな」
ああそうだ、ボス階層クリア後には簡易ショップが使える。ルナ――こっちの世界で一般的な通貨は使えないし、この迷宮専用電子マネー・エルに両替するのも無理だけどな。要は以前の挑戦で入手してたエルと、今回の挑戦で入手したエルしか使えないってことだ。このくらいの条件はあってもいいだろ?
「これってパリ皮串焼きだよな。街で売ってる!」
「ああ、エルに余裕はあるし買っても……いや、そもそもここから先に進むのか、それを話し合うべきだな」
至極真っ当な意見だ。エイマは既にほぼ回復して自分で水を飲めるくらいにはなってるが、ここより先は普通に死ぬわけだからな。
俺の意見を言わせてもらえば、教授抜きならこのパーティは地下20階止まり……良くて地下30階までが適正階層だと思ってる。教授の強化バフがあってもクラーケンの腕を一撃で落とせないようなら、これ以降は普通の戦闘すらキツいはずだ。
戦闘が長引けば多くの魔物が集まることになるし、罠の警戒も疎かになる。すると死亡率も跳ね上がるってわけだが……
「二人ともありがとう。解毒薬が効いたみたいで、私はもう何ともない」
「良かった、ここで一人だけ脱落なんて悲しいからな」
「エイマも回復したことだ。買い物が済んだら次に進もうか」
「それなんだが、教授。もう一度考えたい。俺たちは本当にこの先に進めるのか?」
教授は少し驚いたような顔でローンズを見つめる。
「勿論だ。私はそのつもりだったけれど、何か不安があるかな?」
「ああ。今の魔物も余裕で攻略できたわけじゃなかった。現地調査はもう十分だ、違うか?」
「そうだね、調査は大方完了した。君たちも貴重な魔物や地形を観察できたことだろう。ただ最初にも言ったけれど、それだけが目的というわけじゃない。そうだろう?」
ローンズは腕を組んで黙り込んだ。ただの勉強会ってわけじゃなかったらしい。
「しかし命を賭けるほどではない!」
「そうかな。君が思う以上にハインベルの名は重い。そう簡単に諦めて帰れはしないよ」
それに、と今までとは変わって明るい調子で教授は続ける。
「この私がいるんだ。君たちが余程のヘマをやらかさなければ、命の危険はない。これを乗り越えてこそ、ハインベルの学生だ」
「……キールとエイマの意見を聞きたい」
「俺は……まあ、いけるんじゃねえかと思ってる。俺たちならやれるって。ここで実績残せば宮廷筆頭にも近付くしな」
「私は皆に合わせる。自分の力は少し足りていないと思うけど、迷うのは次のボス前に着いてからでいいとも思う。だってその辺の魔物に苦戦する気がしないもの」
おっ……と、賛成多数って感じか?
ローンズは額に手を当て目を閉じると、観念したように溜息をついた。
「なら、予定通り進もう。教授とエイマも必要なものがあったら買っておいてくれ」
「私は大丈夫だ。エイマは?」
「少しポーション類を買い足しておきます。危険な魔物が多いことには変わりないですから」
危険なのは魔物だけじゃないぜ。ロープとか持ったか? 滑る落とし穴では必須だ、元の道に戻れないと更に罠が多い道を行くことになったりする。氷柱対策もしっかりしろよ。あと雪崩罠、これはほぼ確定で全滅だからな。他には……
「よし、準備は終わったな。行くぜ!」
……本当に準備終わったのか? あまりこの階層の情報が出回ってないのは単に挑戦者が少ないからってだけであって、楽なわけじゃないんだぜ?
つーかそうだよ、普通は砂漠地帯で服装を見直すんだが、このパーティはそれがなかった。つまり防寒対策みたいな意識がゼロ。
「さ、さむ、寒い」
「ああ……かなり冷えるな。加えて視界も悪い」
地下51階に足を踏み入れた一行は早速ガタガタ震え始めた。キールが一番寒そうだ。軽装だし。ただ教授とエイマのローブもお世辞にも暖かそうだとは言えない。ローンズも軽鎧って感じで別に防寒具じゃないが、他よりは平気そうだな。筋肉のおかげで寒くないのか?
「っ、何かいる!」
「――風刃!」
よく気付いたなキール、だがこの猛吹雪じゃ敵の姿までは見えないだろ。晴れか曇りならまだ探索も楽だっただろうが、吹雪となると難易度も数段高くなる。
「だめ、当たらない!」
「俺も場所までは……! 教授!」
「さて、これが有効かどうか……」
教授が地面に手のひらを押し当てると、そこを中心として素因の波が広がるように震えるのが分かった。この感覚は探知に近いな。
「悪くない手応えだ。共有しよう」
「おお、見える! 見えます教授!」
「ヴォルフか。俺が左の二体をやる。キールは右、エイマと教授は背後の集団を」
やれやれ、万能が過ぎるぞ。こいつの無属性魔術に欠点はないのか。
そもそもこんなに色々な種類を使えるもんなのか? そういやアルデムも創造がどうとか言ってた気がするし、素因への直接干渉がそれを可能にしてるのか?
「おらぁ! まず一体!」
「――風壁――教授、木の裏の個体を! ――風刃!」
「任せなさい。それ」
風の刃が木を切り倒し、その裏から機を窺っていたヴォルフ数体の首が宙に舞った。
「こちらは終わりだ」
「俺も終わり! ローンズの方も終わったみたいっス。うう寒さでどうにかなりそうだ、あの洞窟で火起こしてきます」
「待ちなさいキール。その辺りはまだ安全じゃない」
教授の静止も聞かず洞窟に突っ込むキール。やめときゃいいのに。
「ぐああ!」
地面から生えてきた氷柱が足を貫通。あれは痛いぞ。
で、血の匂いに反応して洞窟奥からイエティの群れ。ここを通るならどの道戦う相手だったが、興奮状態のこいつらは怖いぞ。ただデカいだけの猿じゃない。
「キール! まずいね――」
「ヴァウア」
「うわ、やめ、やめろ!」
教授の術は後ろから出てきたイエティの魔術――氷の壁に弾かれて消えた。ローンズとエイマも走って向かっているが、氷の壁を割るのに苦労している。
「うあああ! ――痛っっ!!」
脛のあたりをを握り潰されたらしい。まあ木をへし折れるくらいの握力があるって話だし、人の骨なんて余裕中の余裕なんだろう。
「うわ、あ、ああ!」
「キール! ねえローンズなんとかしてよ!」
「分かっている! クソっ、何故壊せない!」
そりゃー教授のバフが乗ってないからでしょうよ。教授が攻撃をやめて強化に入らないと多分永遠に割れないぞ。向こうも壁に魔力流して補修し続けてるしな。
「ああ……が…………」
時間切れだ。
イエティはキールの頭にその巨大な口を近付け――頭蓋骨ごと噛み砕き、咀嚼した。
「彼女なら大丈夫、軽傷だ。毒なら君が侵されたものの方が強力だった」
エイマは横になってはいるが、顔色はいいし呼吸も安定してる。まあ想定通りの効果だ。
「それより君やローンズの方が重傷だ。ポーションを使っておきなさい」
「はい!」
飲んでよし塗り込んでよしの万能品。戦闘スタイル的にも仕方ないが、ローンズなんかは結構生傷が多いんだよな。そこでポーションだ。
こいつさえあれば多少の怪我は気にならない。本当に気にならないんだ。そりゃ腕が飛んだのをくっつけるのは難しいが、今みたいな細かい傷ならこんな風に……数秒で塞がる。
さすが冒険者の必須アイテム、治癒って魔術があるにも関わらず使われてるのは、この即効性と効果の高さにもあるんだろうな。ちなみに迷宮街でもお値打ち価格で販売中だぞ!
「ここで消耗品を買い足せるらしい」
「へえ、ちょっとした保存食とかも買えるんだな」
ああそうだ、ボス階層クリア後には簡易ショップが使える。ルナ――こっちの世界で一般的な通貨は使えないし、この迷宮専用電子マネー・エルに両替するのも無理だけどな。要は以前の挑戦で入手してたエルと、今回の挑戦で入手したエルしか使えないってことだ。このくらいの条件はあってもいいだろ?
「これってパリ皮串焼きだよな。街で売ってる!」
「ああ、エルに余裕はあるし買っても……いや、そもそもここから先に進むのか、それを話し合うべきだな」
至極真っ当な意見だ。エイマは既にほぼ回復して自分で水を飲めるくらいにはなってるが、ここより先は普通に死ぬわけだからな。
俺の意見を言わせてもらえば、教授抜きならこのパーティは地下20階止まり……良くて地下30階までが適正階層だと思ってる。教授の強化バフがあってもクラーケンの腕を一撃で落とせないようなら、これ以降は普通の戦闘すらキツいはずだ。
戦闘が長引けば多くの魔物が集まることになるし、罠の警戒も疎かになる。すると死亡率も跳ね上がるってわけだが……
「二人ともありがとう。解毒薬が効いたみたいで、私はもう何ともない」
「良かった、ここで一人だけ脱落なんて悲しいからな」
「エイマも回復したことだ。買い物が済んだら次に進もうか」
「それなんだが、教授。もう一度考えたい。俺たちは本当にこの先に進めるのか?」
教授は少し驚いたような顔でローンズを見つめる。
「勿論だ。私はそのつもりだったけれど、何か不安があるかな?」
「ああ。今の魔物も余裕で攻略できたわけじゃなかった。現地調査はもう十分だ、違うか?」
「そうだね、調査は大方完了した。君たちも貴重な魔物や地形を観察できたことだろう。ただ最初にも言ったけれど、それだけが目的というわけじゃない。そうだろう?」
ローンズは腕を組んで黙り込んだ。ただの勉強会ってわけじゃなかったらしい。
「しかし命を賭けるほどではない!」
「そうかな。君が思う以上にハインベルの名は重い。そう簡単に諦めて帰れはしないよ」
それに、と今までとは変わって明るい調子で教授は続ける。
「この私がいるんだ。君たちが余程のヘマをやらかさなければ、命の危険はない。これを乗り越えてこそ、ハインベルの学生だ」
「……キールとエイマの意見を聞きたい」
「俺は……まあ、いけるんじゃねえかと思ってる。俺たちならやれるって。ここで実績残せば宮廷筆頭にも近付くしな」
「私は皆に合わせる。自分の力は少し足りていないと思うけど、迷うのは次のボス前に着いてからでいいとも思う。だってその辺の魔物に苦戦する気がしないもの」
おっ……と、賛成多数って感じか?
ローンズは額に手を当て目を閉じると、観念したように溜息をついた。
「なら、予定通り進もう。教授とエイマも必要なものがあったら買っておいてくれ」
「私は大丈夫だ。エイマは?」
「少しポーション類を買い足しておきます。危険な魔物が多いことには変わりないですから」
危険なのは魔物だけじゃないぜ。ロープとか持ったか? 滑る落とし穴では必須だ、元の道に戻れないと更に罠が多い道を行くことになったりする。氷柱対策もしっかりしろよ。あと雪崩罠、これはほぼ確定で全滅だからな。他には……
「よし、準備は終わったな。行くぜ!」
……本当に準備終わったのか? あまりこの階層の情報が出回ってないのは単に挑戦者が少ないからってだけであって、楽なわけじゃないんだぜ?
つーかそうだよ、普通は砂漠地帯で服装を見直すんだが、このパーティはそれがなかった。つまり防寒対策みたいな意識がゼロ。
「さ、さむ、寒い」
「ああ……かなり冷えるな。加えて視界も悪い」
地下51階に足を踏み入れた一行は早速ガタガタ震え始めた。キールが一番寒そうだ。軽装だし。ただ教授とエイマのローブもお世辞にも暖かそうだとは言えない。ローンズも軽鎧って感じで別に防寒具じゃないが、他よりは平気そうだな。筋肉のおかげで寒くないのか?
「っ、何かいる!」
「――風刃!」
よく気付いたなキール、だがこの猛吹雪じゃ敵の姿までは見えないだろ。晴れか曇りならまだ探索も楽だっただろうが、吹雪となると難易度も数段高くなる。
「だめ、当たらない!」
「俺も場所までは……! 教授!」
「さて、これが有効かどうか……」
教授が地面に手のひらを押し当てると、そこを中心として素因の波が広がるように震えるのが分かった。この感覚は探知に近いな。
「悪くない手応えだ。共有しよう」
「おお、見える! 見えます教授!」
「ヴォルフか。俺が左の二体をやる。キールは右、エイマと教授は背後の集団を」
やれやれ、万能が過ぎるぞ。こいつの無属性魔術に欠点はないのか。
そもそもこんなに色々な種類を使えるもんなのか? そういやアルデムも創造がどうとか言ってた気がするし、素因への直接干渉がそれを可能にしてるのか?
「おらぁ! まず一体!」
「――風壁――教授、木の裏の個体を! ――風刃!」
「任せなさい。それ」
風の刃が木を切り倒し、その裏から機を窺っていたヴォルフ数体の首が宙に舞った。
「こちらは終わりだ」
「俺も終わり! ローンズの方も終わったみたいっス。うう寒さでどうにかなりそうだ、あの洞窟で火起こしてきます」
「待ちなさいキール。その辺りはまだ安全じゃない」
教授の静止も聞かず洞窟に突っ込むキール。やめときゃいいのに。
「ぐああ!」
地面から生えてきた氷柱が足を貫通。あれは痛いぞ。
で、血の匂いに反応して洞窟奥からイエティの群れ。ここを通るならどの道戦う相手だったが、興奮状態のこいつらは怖いぞ。ただデカいだけの猿じゃない。
「キール! まずいね――」
「ヴァウア」
「うわ、やめ、やめろ!」
教授の術は後ろから出てきたイエティの魔術――氷の壁に弾かれて消えた。ローンズとエイマも走って向かっているが、氷の壁を割るのに苦労している。
「うあああ! ――痛っっ!!」
脛のあたりをを握り潰されたらしい。まあ木をへし折れるくらいの握力があるって話だし、人の骨なんて余裕中の余裕なんだろう。
「うわ、あ、ああ!」
「キール! ねえローンズなんとかしてよ!」
「分かっている! クソっ、何故壊せない!」
そりゃー教授のバフが乗ってないからでしょうよ。教授が攻撃をやめて強化に入らないと多分永遠に割れないぞ。向こうも壁に魔力流して補修し続けてるしな。
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