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第1.5章
44 教会
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「我々が毎日欠かさず祈り清めているのだぞ。レイスなどいるはずがあるまい」
「でも、ギルドはここにレイスが出ると――」
「何を言うか! 元々、どこぞの迷宮で隊長が死んだとかいう話だったはずだろう。レイスが原因かどうかも定かとは言えん、生きて帰ったのがたった二人というのではな!」
迷宮? レイスの目撃情報が出たのはここではないってことかな。
「良い機会だと言わんばかりに我々聖職者に罪を着せるのだ。どうも冒険者ギルドとはそりが合わん」
「レイスなどという悪しき存在はリフィスト様が滅して下さる。我々は祈りこそすれど、心配などする必要はないというのに……」
祈る、か。僕がここに入ったとき、二人は酒樽のようなものを囲んで馬鹿笑いしていたような。
大体、祈りで悪しき存在とやらが滅されるなら、このゴーストの量はなんだ。……まあ、ここの神父共が真面目に祈ってるようにも思えないけど。だからギルドが冒険者を派遣するんだろう。
ここの神父の怠慢も報告しておいた方が良いかもしれない。そういえば、シレンシア城下街――僕らが出発した街にも教会があった。そこの人たちはまともなのかな。
あまり有益な情報は得られなかったけれど、一応礼を言って椅子に座る。
鼓舞では魔力は回復しないみたいだ。エナジードリンクを飲んだときの感覚に近いかな。
定期的に椅子に解析をかけようとしてるけど、謎の脱力感に襲われて上手くいかない。鼓舞で一時的に元気なだけで、効果が切れたら動けなくなるような気がする。
神父共は僕の目も気にせずに酒盛りを再開した。あの酒を買う金はどこから出ているんだろう。神へのお布施? こんな教会に納めるような物好きがいるとは思えないけど。
暇になった。本もないし話し相手が欲しい……でも、あの天使は嫌だな。その暇を使って自己研鑽に励めとか言われそうだ。
解析のイメージトレーニングでもしておこう。意味があるかは別として、気休めにはなるし。
「おーす誠! お待たせ」
暫くして、龍牙が教会に入ってきた。神父共は一瞬こちらを見たが、僕の連れだとわかった途端酒盛りに戻る。
「レイスは見つからなかったけどよ、ゴーストの魂石はこんなに集まったぜ! ほら」
龍牙の持つ袋の中には、拳大の石――青く光る半透明の結晶が大量に入っていた。
「火力調整しないと討伐証明の魂石まで溶けちゃってな。最初の方は大変だったけどすぐに慣れたから楽しかったぜ。そっちは?」
「……あぁ、どうやらレイスの目撃情報があったのはここじゃないみたいだ」
「げ、マジか! どーりでゴーストしかいねーわけだ」
龍牙はがっくりと肩を落とした。けど、すぐに顔を上げて僕を見る。
「でもさ、こんだけ魂石が手に入ったんだ。換金すれば美味いもんとかいっぱい食えんじゃね?」
「別に買い食いなんてしなくても、城に戻れば夕食は出るんじゃないかな」
「わかってねーなぁ、買い食いにこそロマンが宿るってもんだろ? 結構腹も減ってきたしさ」
食事は行きの馬車で昼食――乗車前にサンドイッチのようなものを買った――を食べたきりだ。
ほとんど動いていないからか空腹感はないけど、曖昧に頷いておく。
「俺さー、あの串焼きみたいなの気になってんだよな! その近くにあった焼きうどんっぽいのも食いたいし――」
窓から差し込む光で予測は付いていたが、日が暮れかけていた。
……今日何をしていたかなんて考えても良いことがない。やめておこう。たまたまダメな日だっただけだ。
城に戻って魔力が回復していたら、少しは解析の練習をしようかな。そうすれば、必要魔力が少なくなったり最大魔力が多くなったり……或いは、その両方が起こったりするかもしれない。
馬車に乗り込むと、乗客は僕ら以外に一人だけだった。
龍牙みたいに魔術で吹っ飛ばせないと効率は悪いし、そこまでの力があるならもっと美味しい依頼があるのかな。
ゴーストの見た目も問題な気がする。龍牙はゲーム感覚で楽しめているのかもしれないけれど、あれはどこからどう見ても人だった。
しいて言うなら、目が虚ろで少し動きがおかしいくらいだ。
ふと前に座っている老人と目が合う。いや……髪が白いだけで顔は若かった。案外30代くらいだったりするのかな。どうもこの世界の人々は年齢がわかりにくい。まず黒髪が少ないし。
その男性は微笑みながら話しかけてきた。
「やぁ、君たちもゴーストを狩りに?」
「はい。本当はレイスを探しに来たんですけど……」
「おっと、敬語はいらないよ。それにしても災難だったね。ここにレイスはいない。いるはずがないのさ」
「おっさん、なんか知ってんのか!?」
考え事をしていた龍牙が食いつく。
「勿論。私は研究者で、魔力を使わない魔術なんかが専門なんだ。ゴーストやレイスが使うものも研究対象でね。生前との魔力量の差などについて調べたりしていた――っと、私の話になってしまったね」
男性は咳払いを一つ挟む。
「レイスがいるはずがない理由だったね。レイスっていうものは実は特殊な条件下でしか生まれないんだ。先のエルイム大討伐では、生前に魔力量の多かった者が軒並みレイスになっていたらしいけど……あれは例外だ」
「でも最近ゴーストが増えているからレイスもいるはずだって、ギルドの人が」
「ははは、ギルドの情報は遅れているよ。エルイムでもほとんど騎士団任せ、挙げ句には碌に調査もせず���死霊術師の仕業などという仮説を立てて満足している。お陰で私は助かったけどね……ほら、ギルドが手抜きなら研究し放題だろう?」
龍牙とその男性は暫くゴーストやらエルイム? やらの話題で盛り上がっていた。
だが、そんなことより。「魔力を使わない魔術」、男性は確かにそう言ったはずだ。
僕は多分魔力量が少ない。解析以外に魔術が使えたらどんなに良いだろう。
「あの、先程魔力を使わない魔術って……」
「ふむふむ……そうか。いや、一般的には多い方だと思うよ。そして、この魔術は『魔力が一切ない者』専用なんだ。魔力を消費する魔術が一切使えなくなるなんていうデメリットもある」
「でも僕は――」
「解析は大事にすべきだ。とても珍しいものだしね。手放すなんてとんでもない!」
僕は解析なんて使えなくても龍牙みたいに色々出来た方が良いんだけどな。
多分燃費の悪い魔術だし、地味だし、勇者のすることじゃない。
「魔力が少しでもあるなら、いずれ色々できるようになるだろう。それではそろそろ私は行くよ――」
気付けば馬車は止まっていた。相変わらず速い。
「君たちとの会話は楽しかったよ。さらばだ、勇者の諸君」
男性は馬車を降りるなり空気に溶けるようにして消えてしまった。不思議な人だ。
「おーい誠! 早く降りて来いよ、飯食いに行こうぜ!」
遠くから漂ってきた芳ばしい香りが鼻腔をくすぐる。……なんだか少しお腹がすいてきた。
夕食は少し減らしてもらえばいい。戻る前に少し屋台通りに寄るのもまた乙ってものかな。
「今行くよ」
僕に加速を飛ばして、早くも駆け出していた龍牙を追う。
なんだか買い食いが楽しみになってきた。……折角の異世界なんだ、楽しまないと損だよね。
「でも、ギルドはここにレイスが出ると――」
「何を言うか! 元々、どこぞの迷宮で隊長が死んだとかいう話だったはずだろう。レイスが原因かどうかも定かとは言えん、生きて帰ったのがたった二人というのではな!」
迷宮? レイスの目撃情報が出たのはここではないってことかな。
「良い機会だと言わんばかりに我々聖職者に罪を着せるのだ。どうも冒険者ギルドとはそりが合わん」
「レイスなどという悪しき存在はリフィスト様が滅して下さる。我々は祈りこそすれど、心配などする必要はないというのに……」
祈る、か。僕がここに入ったとき、二人は酒樽のようなものを囲んで馬鹿笑いしていたような。
大体、祈りで悪しき存在とやらが滅されるなら、このゴーストの量はなんだ。……まあ、ここの神父共が真面目に祈ってるようにも思えないけど。だからギルドが冒険者を派遣するんだろう。
ここの神父の怠慢も報告しておいた方が良いかもしれない。そういえば、シレンシア城下街――僕らが出発した街にも教会があった。そこの人たちはまともなのかな。
あまり有益な情報は得られなかったけれど、一応礼を言って椅子に座る。
鼓舞では魔力は回復しないみたいだ。エナジードリンクを飲んだときの感覚に近いかな。
定期的に椅子に解析をかけようとしてるけど、謎の脱力感に襲われて上手くいかない。鼓舞で一時的に元気なだけで、効果が切れたら動けなくなるような気がする。
神父共は僕の目も気にせずに酒盛りを再開した。あの酒を買う金はどこから出ているんだろう。神へのお布施? こんな教会に納めるような物好きがいるとは思えないけど。
暇になった。本もないし話し相手が欲しい……でも、あの天使は嫌だな。その暇を使って自己研鑽に励めとか言われそうだ。
解析のイメージトレーニングでもしておこう。意味があるかは別として、気休めにはなるし。
「おーす誠! お待たせ」
暫くして、龍牙が教会に入ってきた。神父共は一瞬こちらを見たが、僕の連れだとわかった途端酒盛りに戻る。
「レイスは見つからなかったけどよ、ゴーストの魂石はこんなに集まったぜ! ほら」
龍牙の持つ袋の中には、拳大の石――青く光る半透明の結晶が大量に入っていた。
「火力調整しないと討伐証明の魂石まで溶けちゃってな。最初の方は大変だったけどすぐに慣れたから楽しかったぜ。そっちは?」
「……あぁ、どうやらレイスの目撃情報があったのはここじゃないみたいだ」
「げ、マジか! どーりでゴーストしかいねーわけだ」
龍牙はがっくりと肩を落とした。けど、すぐに顔を上げて僕を見る。
「でもさ、こんだけ魂石が手に入ったんだ。換金すれば美味いもんとかいっぱい食えんじゃね?」
「別に買い食いなんてしなくても、城に戻れば夕食は出るんじゃないかな」
「わかってねーなぁ、買い食いにこそロマンが宿るってもんだろ? 結構腹も減ってきたしさ」
食事は行きの馬車で昼食――乗車前にサンドイッチのようなものを買った――を食べたきりだ。
ほとんど動いていないからか空腹感はないけど、曖昧に頷いておく。
「俺さー、あの串焼きみたいなの気になってんだよな! その近くにあった焼きうどんっぽいのも食いたいし――」
窓から差し込む光で予測は付いていたが、日が暮れかけていた。
……今日何をしていたかなんて考えても良いことがない。やめておこう。たまたまダメな日だっただけだ。
城に戻って魔力が回復していたら、少しは解析の練習をしようかな。そうすれば、必要魔力が少なくなったり最大魔力が多くなったり……或いは、その両方が起こったりするかもしれない。
馬車に乗り込むと、乗客は僕ら以外に一人だけだった。
龍牙みたいに魔術で吹っ飛ばせないと効率は悪いし、そこまでの力があるならもっと美味しい依頼があるのかな。
ゴーストの見た目も問題な気がする。龍牙はゲーム感覚で楽しめているのかもしれないけれど、あれはどこからどう見ても人だった。
しいて言うなら、目が虚ろで少し動きがおかしいくらいだ。
ふと前に座っている老人と目が合う。いや……髪が白いだけで顔は若かった。案外30代くらいだったりするのかな。どうもこの世界の人々は年齢がわかりにくい。まず黒髪が少ないし。
その男性は微笑みながら話しかけてきた。
「やぁ、君たちもゴーストを狩りに?」
「はい。本当はレイスを探しに来たんですけど……」
「おっと、敬語はいらないよ。それにしても災難だったね。ここにレイスはいない。いるはずがないのさ」
「おっさん、なんか知ってんのか!?」
考え事をしていた龍牙が食いつく。
「勿論。私は研究者で、魔力を使わない魔術なんかが専門なんだ。ゴーストやレイスが使うものも研究対象でね。生前との魔力量の差などについて調べたりしていた――っと、私の話になってしまったね」
男性は咳払いを一つ挟む。
「レイスがいるはずがない理由だったね。レイスっていうものは実は特殊な条件下でしか生まれないんだ。先のエルイム大討伐では、生前に魔力量の多かった者が軒並みレイスになっていたらしいけど……あれは例外だ」
「でも最近ゴーストが増えているからレイスもいるはずだって、ギルドの人が」
「ははは、ギルドの情報は遅れているよ。エルイムでもほとんど騎士団任せ、挙げ句には碌に調査もせず���死霊術師の仕業などという仮説を立てて満足している。お陰で私は助かったけどね……ほら、ギルドが手抜きなら研究し放題だろう?」
龍牙とその男性は暫くゴーストやらエルイム? やらの話題で盛り上がっていた。
だが、そんなことより。「魔力を使わない魔術」、男性は確かにそう言ったはずだ。
僕は多分魔力量が少ない。解析以外に魔術が使えたらどんなに良いだろう。
「あの、先程魔力を使わない魔術って……」
「ふむふむ……そうか。いや、一般的には多い方だと思うよ。そして、この魔術は『魔力が一切ない者』専用なんだ。魔力を消費する魔術が一切使えなくなるなんていうデメリットもある」
「でも僕は――」
「解析は大事にすべきだ。とても珍しいものだしね。手放すなんてとんでもない!」
僕は解析なんて使えなくても龍牙みたいに色々出来た方が良いんだけどな。
多分燃費の悪い魔術だし、地味だし、勇者のすることじゃない。
「魔力が少しでもあるなら、いずれ色々できるようになるだろう。それではそろそろ私は行くよ――」
気付けば馬車は止まっていた。相変わらず速い。
「君たちとの会話は楽しかったよ。さらばだ、勇者の諸君」
男性は馬車を降りるなり空気に溶けるようにして消えてしまった。不思議な人だ。
「おーい誠! 早く降りて来いよ、飯食いに行こうぜ!」
遠くから漂ってきた芳ばしい香りが鼻腔をくすぐる。……なんだか少しお腹がすいてきた。
夕食は少し減らしてもらえばいい。戻る前に少し屋台通りに寄るのもまた乙ってものかな。
「今行くよ」
僕に加速を飛ばして、早くも駆け出していた龍牙を追う。
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