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4章
癒しの彼女
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「いや~それにしてもすごいね。飯塚先輩、凄くいい体格してるのに、それをあっさり投げ飛ばしちゃんだから。人は見かけによらないねー」
椎名は動画を見返しながら、そう言って俺の肩をバシバシ叩いてくる。
「なあ、その動画ってどんだけ拡散されてんの…?」
俺は恐々と椎名に聞いてみる。
「んーわかんないけど相当拡散されてると思うよ?飯塚先輩って自己中のホラ吹きで凄い嫌われてたから。ほらコメントといいね数が100超えてるもん」
は?コメント?いいね数?
「まさか○Tubeに動画上がってんの!?」
「あはは、大丈夫だよ。限定公開枠だから。学校の生徒しか見えないって」
いや大丈夫じゃねえよ。情報社会怖すぎだろ。
下手したら全国に晒されるじゃねーか!
「いや~でも本当に怪我なくてよかったね。あの人暴力にかけては超一流っていう感じだったから」
椎名は周囲を確認すると顔を俺の耳元に近づけ小声で話す。
「ここだけの話。実は飯塚先輩って中学の時も暴力事件起こしてるんだよね」
「…マジで?」
「マジマジ。私同じ中学校だから知ってるけど、その時の被害者5箇所も骨折しちゃってさ。当時は大騒ぎだったんだよ」
「…」
今更だけど、本当にやばいやつを相手にしてたんだな。俺。
本当に無事でよかった。
実はまだ奴から正式な謝罪とかもらってないし、弁償の話もできていない。
思ってる以上に注意して対応した方が良さそうだ…。
「なあ、その話詳しく教えてくれない?」
「別にいいよ?でも、村井君もいろいろ教えてね?」
「もう!二人とも私も話に混ぜてよ!二人とも初対面なのに仲良すぎじゃない…?」
そんな俺たちのやりとりを見て篠崎が横で膨れていた。
結局そのまま3人で登校したが、思っていたほどは注目されなかった。
俺が気にしすぎただけのようでホッとしたが、やはり動画の件については朝から根掘り葉掘り色んな奴に聞かれた。
ただ、飯塚先輩の評判がよっぽど悪かったおかげか、意外なことにお前凄いな!と賞賛してくれる人や俺を心配してくれる人もいた。
今回の件で分かったがやっぱり、俺はクラスの連中を色眼鏡で見すぎていたようだ…。これからはもっとちゃんと人を見て対応していこうと思う。
が、一方で俺のことをよく思わない連中もやっぱり一定数いた。
その最たる例がクラスカースト最上位の柳田達である。
「お前最近調子に乗りすぎじゃね?」
「お前マジでムカつくよな。さりげなく綾香ちゃんと登校とかしやがって。身の程を知れ」
「陰キャのボッチがあんまり粋がんなよ?今回はかろうじて許してやるけど、これ以上は…分かってるよな?」
俺がお前らになんの許しを得るんだ?と思ったが口には出さない。
いつも通りの愛想笑いで誤魔化した。
が、もう奴らはそれで誤魔化されてくれてなさそうだった。
基本的に敵を作らなくていいならそれに越したことはない。こういう奴らに目をつけられないように目立たない様に過ごしていたつもりだったが…とうとう完全に目をつけられてしまったようだ。
ぼっちであるが故に数では勝てないのだ。
頭が痛い問題である。
昼になっても柳田たちがウザ絡みしてくるし、まだ動画の件を聞きにくる奴がいることもあり落ち着いて昼食が食べられないので、今日も教室を出て食べることにする。
今日は校舎裏…はいい思い出がないので、屋上に行ってみるか。
屋上に行ってみると幾ばくか人が来ていたが、気になるほどではなかった。
今日は屋上で食べる事にし、黙々と弁当を食べる俺。
今日学校に来てから初めて落ち着いたかもしれない。
「あれ?村井君?」
ガチャリと屋上の扉が開く音がすると後ろから声をかけられた。
そこには金髪ギャル(見た目だけ)の神代が立っていた。
「…神代も俺に動画の話聞きに来た、とかじゃないよな?」
「ん?なんの話?うち、ご飯食べに来ただけだけど?動画って何?」
「…」
そうだった。
神代は俺と同じでぼっちだった。
ぼっちは自然とそういう流行りの情報には疎くなるのだ。
どうやら神代は一切の情報を知らないらしい。
「ねえ、待って。その哀れみの目やめてもらえない!?」
「まあまあ。そうだ、せっかくだから、ぼっち同士仲良く食べようぜ」
「うちの話、無視!?その目やめて!?」
その神代の様子になんだかほっこりしてしまった。
まさか神代に癒やされる日が来るとは。
椎名は動画を見返しながら、そう言って俺の肩をバシバシ叩いてくる。
「なあ、その動画ってどんだけ拡散されてんの…?」
俺は恐々と椎名に聞いてみる。
「んーわかんないけど相当拡散されてると思うよ?飯塚先輩って自己中のホラ吹きで凄い嫌われてたから。ほらコメントといいね数が100超えてるもん」
は?コメント?いいね数?
「まさか○Tubeに動画上がってんの!?」
「あはは、大丈夫だよ。限定公開枠だから。学校の生徒しか見えないって」
いや大丈夫じゃねえよ。情報社会怖すぎだろ。
下手したら全国に晒されるじゃねーか!
「いや~でも本当に怪我なくてよかったね。あの人暴力にかけては超一流っていう感じだったから」
椎名は周囲を確認すると顔を俺の耳元に近づけ小声で話す。
「ここだけの話。実は飯塚先輩って中学の時も暴力事件起こしてるんだよね」
「…マジで?」
「マジマジ。私同じ中学校だから知ってるけど、その時の被害者5箇所も骨折しちゃってさ。当時は大騒ぎだったんだよ」
「…」
今更だけど、本当にやばいやつを相手にしてたんだな。俺。
本当に無事でよかった。
実はまだ奴から正式な謝罪とかもらってないし、弁償の話もできていない。
思ってる以上に注意して対応した方が良さそうだ…。
「なあ、その話詳しく教えてくれない?」
「別にいいよ?でも、村井君もいろいろ教えてね?」
「もう!二人とも私も話に混ぜてよ!二人とも初対面なのに仲良すぎじゃない…?」
そんな俺たちのやりとりを見て篠崎が横で膨れていた。
結局そのまま3人で登校したが、思っていたほどは注目されなかった。
俺が気にしすぎただけのようでホッとしたが、やはり動画の件については朝から根掘り葉掘り色んな奴に聞かれた。
ただ、飯塚先輩の評判がよっぽど悪かったおかげか、意外なことにお前凄いな!と賞賛してくれる人や俺を心配してくれる人もいた。
今回の件で分かったがやっぱり、俺はクラスの連中を色眼鏡で見すぎていたようだ…。これからはもっとちゃんと人を見て対応していこうと思う。
が、一方で俺のことをよく思わない連中もやっぱり一定数いた。
その最たる例がクラスカースト最上位の柳田達である。
「お前最近調子に乗りすぎじゃね?」
「お前マジでムカつくよな。さりげなく綾香ちゃんと登校とかしやがって。身の程を知れ」
「陰キャのボッチがあんまり粋がんなよ?今回はかろうじて許してやるけど、これ以上は…分かってるよな?」
俺がお前らになんの許しを得るんだ?と思ったが口には出さない。
いつも通りの愛想笑いで誤魔化した。
が、もう奴らはそれで誤魔化されてくれてなさそうだった。
基本的に敵を作らなくていいならそれに越したことはない。こういう奴らに目をつけられないように目立たない様に過ごしていたつもりだったが…とうとう完全に目をつけられてしまったようだ。
ぼっちであるが故に数では勝てないのだ。
頭が痛い問題である。
昼になっても柳田たちがウザ絡みしてくるし、まだ動画の件を聞きにくる奴がいることもあり落ち着いて昼食が食べられないので、今日も教室を出て食べることにする。
今日は校舎裏…はいい思い出がないので、屋上に行ってみるか。
屋上に行ってみると幾ばくか人が来ていたが、気になるほどではなかった。
今日は屋上で食べる事にし、黙々と弁当を食べる俺。
今日学校に来てから初めて落ち着いたかもしれない。
「あれ?村井君?」
ガチャリと屋上の扉が開く音がすると後ろから声をかけられた。
そこには金髪ギャル(見た目だけ)の神代が立っていた。
「…神代も俺に動画の話聞きに来た、とかじゃないよな?」
「ん?なんの話?うち、ご飯食べに来ただけだけど?動画って何?」
「…」
そうだった。
神代は俺と同じでぼっちだった。
ぼっちは自然とそういう流行りの情報には疎くなるのだ。
どうやら神代は一切の情報を知らないらしい。
「ねえ、待って。その哀れみの目やめてもらえない!?」
「まあまあ。そうだ、せっかくだから、ぼっち同士仲良く食べようぜ」
「うちの話、無視!?その目やめて!?」
その神代の様子になんだかほっこりしてしまった。
まさか神代に癒やされる日が来るとは。
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