6 / 37
第1章:異世界転生!辺境伯家の発明少年
第6話「風の鍬と村人たちの反応」
しおりを挟む
エルヴィンが試作した「風の鍬」が成功したことで、彼は次の行動に移すことを決めた。試作品が期待通りの効果を発揮することが分かった今、実際に村人たちに使ってもらい、農作業の負担を軽減することができるかどうか確かめたいと思ったのだ。
「よし、村のみんなにこれを試してもらおう!」
翌日、エルヴィンは新しく作った「風の鍬」を持って再び村を訪れることにした。父カールの許可を得て、侍女のマリアと共に屋敷を出発する。村への道すがら、エルヴィンの心は期待と少しの不安で揺れていた。自分の作った道具が本当に役に立つかどうか——彼にとって初めての「現場での実験」だった。
村に着くと、エルヴィンはさっそく畑で作業をしている農夫たちに声をかけた。農民の代表であるロイドという中年の男性が、エルヴィンの姿を見つけて近づいてくる。ロイドはたくましい体格で、日焼けした肌と優しい笑顔が印象的な人物だ。彼はシュトラウス家に長年仕えており、父カールからも信頼を寄せられている村の有力者だった。
「おや、坊ちゃま!こんなところまでわざわざ来てくださるとは。今日はどういったご用でしょう?」
エルヴィンは「風の鍬」をロイドに見せながら、少し緊張した様子で口を開いた。
「ロイドさん、僕が新しく作った鍬なんだけど、これをみんなに試してもらいたいんだ。土を耕すのが少しでも楽になるように、魔道文字で『風』の力を込めてあるんだよ」
ロイドは驚いた表情を浮かべながら、興味深そうに「風の鍬」を眺めた。彼は魔道具について詳しいわけではないが、エルヴィンが5歳の子供ながらも自分で魔道具を作っていると聞き、その才能には興味を持っているようだった。
「坊ちゃまが作られた鍬ですか。そりゃあ、面白そうですね……ぜひ試してみましょう!」
ロイドは快く鍬を受け取り、土が固い一角に向かって鍬を振り下ろした。すると、鍬の先端から微かな風が吹き出し、固かった土がふんわりとほぐれた。ロイドは驚きの表情を浮かべ、もう一度、もう一度と繰り返し鍬を振り下ろしてみた。
「こ、これは……!確かに土が柔らかくなっている!なんてこった、これなら作業がずいぶん楽になりますぞ!」
その様子を見ていた他の農民たちも、次々と集まってきて「風の鍬」に興味津々の様子だった。ロイドが彼らに説明すると、みんな一斉に使ってみたがる。
「坊ちゃま、本当にありがとうございます!これなら作業がずっと楽になる!」
「土がほぐれやすくなってる……今までの鍬とは全然違う!」
エルヴィンは農民たちが喜ぶ姿を見て、胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。自分の作った道具が、実際に人々の役に立っていることが、何よりも嬉しかった。
エルヴィンは「風の鍬」をいくつか追加で作って、村に寄付することを決めた。屋敷に戻ってからすぐに試作を重ね、魔力鉱の備蓄を考慮しながら慎重に鍬を製作した。執事のロバートや庭師のエドワード、そしてマリアも手伝ってくれ、少しずつ鍬の数が揃っていった。
出来上がった「風の鍬」を持って再び村に訪れた時、農民たちは大喜びでエルヴィンに感謝を述べた。
「坊ちゃま、こんなにも役に立つ鍬を作ってくださって、本当にありがとうございます!」
「おかげさまで、畑仕事がずいぶんと楽になりました。坊ちゃまは、まるで魔法使い様のようですな!」
エルヴィンは、村人たちからの感謝の言葉を受けて、照れくさそうに笑った。実際には、まだまだ未熟なところも多いが、自分の手で作ったものがこうして人々の生活に役立つという経験は、彼にとって何よりも大きな自信となった。
その帰り道、エルヴィンはマリアと一緒に並んで歩きながら、次のアイデアについて考えを巡らせていた。
「坊ちゃま、本当に素晴らしいですわ。村の皆さんがあんなに喜んでいるのを見て、私もなんだか胸が温かくなりました」
「ありがとう、マリア。でも、もっとできることがある気がするんだ。もっと効率よく魔力を使って、もっと便利な道具を作りたい」
エルヴィンはそう言って、自分の小さな手を見つめた。魔道具の製作にはまだ慣れていないが、少しずつ工夫して改良していけば、もっといろいろなことができるはずだと信じていた。
「……ねえ、マリア。今までの魔道具って、決まった魔道文字ばかり使っているよね?でも、もし新しい魔道文字が作れたら、もっと役に立つ魔道具が作れるんじゃないかな?」
エルヴィンはふと、図書室で見つけた「未知の魔道文字」に関する記述を思い出した。まだ研究されていない魔道文字があるというのなら、いずれ自分でそれを探し出し、新しい魔道具を作ってみたい——彼の中に、そんな夢が静かに芽生え始めていたのだ。
マリアはエルヴィンの言葉に驚いた様子を見せながらも、温かい笑みを浮かべて頷いた。
「新しい魔道文字……坊ちゃま、きっといつかそれを見つけることができますわ。坊ちゃまなら、きっと素晴らしい発明家になれますもの」
「ありがとう、マリア!僕、もっと勉強してみるよ!」
エルヴィンはマリアの励ましに勇気をもらい、再び決意を新たにした。今の自分にはまだ未知のことが多いが、一つ一つ学んで、いつか本当に役に立つ魔道具を作りたい。そのために、彼は新しい魔道文字の探求という長い道のりを歩み始めたのだった。
その後、エルヴィンはますます魔道具の研究に打ち込むようになり、図書室での勉強や試作品の製作に明け暮れる日々を過ごした。そして彼は次第に「魔道文字の組み合わせ方」や「魔力の流し方」について、少しずつ理解を深めていく。
ある日、ふと「既存の魔道文字をほんの少し変形させることで、違った効果が生まれるのではないか?」というアイデアが頭に浮かんだ。以前「風の鍬」を改良した時のことが思い出されたのだ。エルヴィンは、さらに魔道文字について深く掘り下げる必要があると感じた。
「もっと多くの書物を読んで、もっと魔道具について知りたい……」
エルヴィンは自室にこもり、夜遅くまで勉強を続けた。魔道具に関する書物には基本的な魔道文字しか載っていないが、古い書物の中には「異国の魔道文字」や「古代の失われた文字」についての記述も少しだけ見つけることができた。それを手がかりに、彼はさらに深く魔道文字の可能性を探ろうとしていた。
「未知の魔道文字、か……」
エルヴィンは、心の奥に抱いた小さな夢に向かって、少しずつ歩みを進めていく。まだ幼い彼にとって、この探求の道は果てしなく遠く、厳しいものかもしれない。しかし、彼の目は輝きに満ち、夢を追いかける喜びで満たされていた。
こうして、エルヴィンの「発明家」としての道は、少しずつ広がり始めていった。
「よし、村のみんなにこれを試してもらおう!」
翌日、エルヴィンは新しく作った「風の鍬」を持って再び村を訪れることにした。父カールの許可を得て、侍女のマリアと共に屋敷を出発する。村への道すがら、エルヴィンの心は期待と少しの不安で揺れていた。自分の作った道具が本当に役に立つかどうか——彼にとって初めての「現場での実験」だった。
村に着くと、エルヴィンはさっそく畑で作業をしている農夫たちに声をかけた。農民の代表であるロイドという中年の男性が、エルヴィンの姿を見つけて近づいてくる。ロイドはたくましい体格で、日焼けした肌と優しい笑顔が印象的な人物だ。彼はシュトラウス家に長年仕えており、父カールからも信頼を寄せられている村の有力者だった。
「おや、坊ちゃま!こんなところまでわざわざ来てくださるとは。今日はどういったご用でしょう?」
エルヴィンは「風の鍬」をロイドに見せながら、少し緊張した様子で口を開いた。
「ロイドさん、僕が新しく作った鍬なんだけど、これをみんなに試してもらいたいんだ。土を耕すのが少しでも楽になるように、魔道文字で『風』の力を込めてあるんだよ」
ロイドは驚いた表情を浮かべながら、興味深そうに「風の鍬」を眺めた。彼は魔道具について詳しいわけではないが、エルヴィンが5歳の子供ながらも自分で魔道具を作っていると聞き、その才能には興味を持っているようだった。
「坊ちゃまが作られた鍬ですか。そりゃあ、面白そうですね……ぜひ試してみましょう!」
ロイドは快く鍬を受け取り、土が固い一角に向かって鍬を振り下ろした。すると、鍬の先端から微かな風が吹き出し、固かった土がふんわりとほぐれた。ロイドは驚きの表情を浮かべ、もう一度、もう一度と繰り返し鍬を振り下ろしてみた。
「こ、これは……!確かに土が柔らかくなっている!なんてこった、これなら作業がずいぶん楽になりますぞ!」
その様子を見ていた他の農民たちも、次々と集まってきて「風の鍬」に興味津々の様子だった。ロイドが彼らに説明すると、みんな一斉に使ってみたがる。
「坊ちゃま、本当にありがとうございます!これなら作業がずっと楽になる!」
「土がほぐれやすくなってる……今までの鍬とは全然違う!」
エルヴィンは農民たちが喜ぶ姿を見て、胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。自分の作った道具が、実際に人々の役に立っていることが、何よりも嬉しかった。
エルヴィンは「風の鍬」をいくつか追加で作って、村に寄付することを決めた。屋敷に戻ってからすぐに試作を重ね、魔力鉱の備蓄を考慮しながら慎重に鍬を製作した。執事のロバートや庭師のエドワード、そしてマリアも手伝ってくれ、少しずつ鍬の数が揃っていった。
出来上がった「風の鍬」を持って再び村に訪れた時、農民たちは大喜びでエルヴィンに感謝を述べた。
「坊ちゃま、こんなにも役に立つ鍬を作ってくださって、本当にありがとうございます!」
「おかげさまで、畑仕事がずいぶんと楽になりました。坊ちゃまは、まるで魔法使い様のようですな!」
エルヴィンは、村人たちからの感謝の言葉を受けて、照れくさそうに笑った。実際には、まだまだ未熟なところも多いが、自分の手で作ったものがこうして人々の生活に役立つという経験は、彼にとって何よりも大きな自信となった。
その帰り道、エルヴィンはマリアと一緒に並んで歩きながら、次のアイデアについて考えを巡らせていた。
「坊ちゃま、本当に素晴らしいですわ。村の皆さんがあんなに喜んでいるのを見て、私もなんだか胸が温かくなりました」
「ありがとう、マリア。でも、もっとできることがある気がするんだ。もっと効率よく魔力を使って、もっと便利な道具を作りたい」
エルヴィンはそう言って、自分の小さな手を見つめた。魔道具の製作にはまだ慣れていないが、少しずつ工夫して改良していけば、もっといろいろなことができるはずだと信じていた。
「……ねえ、マリア。今までの魔道具って、決まった魔道文字ばかり使っているよね?でも、もし新しい魔道文字が作れたら、もっと役に立つ魔道具が作れるんじゃないかな?」
エルヴィンはふと、図書室で見つけた「未知の魔道文字」に関する記述を思い出した。まだ研究されていない魔道文字があるというのなら、いずれ自分でそれを探し出し、新しい魔道具を作ってみたい——彼の中に、そんな夢が静かに芽生え始めていたのだ。
マリアはエルヴィンの言葉に驚いた様子を見せながらも、温かい笑みを浮かべて頷いた。
「新しい魔道文字……坊ちゃま、きっといつかそれを見つけることができますわ。坊ちゃまなら、きっと素晴らしい発明家になれますもの」
「ありがとう、マリア!僕、もっと勉強してみるよ!」
エルヴィンはマリアの励ましに勇気をもらい、再び決意を新たにした。今の自分にはまだ未知のことが多いが、一つ一つ学んで、いつか本当に役に立つ魔道具を作りたい。そのために、彼は新しい魔道文字の探求という長い道のりを歩み始めたのだった。
その後、エルヴィンはますます魔道具の研究に打ち込むようになり、図書室での勉強や試作品の製作に明け暮れる日々を過ごした。そして彼は次第に「魔道文字の組み合わせ方」や「魔力の流し方」について、少しずつ理解を深めていく。
ある日、ふと「既存の魔道文字をほんの少し変形させることで、違った効果が生まれるのではないか?」というアイデアが頭に浮かんだ。以前「風の鍬」を改良した時のことが思い出されたのだ。エルヴィンは、さらに魔道文字について深く掘り下げる必要があると感じた。
「もっと多くの書物を読んで、もっと魔道具について知りたい……」
エルヴィンは自室にこもり、夜遅くまで勉強を続けた。魔道具に関する書物には基本的な魔道文字しか載っていないが、古い書物の中には「異国の魔道文字」や「古代の失われた文字」についての記述も少しだけ見つけることができた。それを手がかりに、彼はさらに深く魔道文字の可能性を探ろうとしていた。
「未知の魔道文字、か……」
エルヴィンは、心の奥に抱いた小さな夢に向かって、少しずつ歩みを進めていく。まだ幼い彼にとって、この探求の道は果てしなく遠く、厳しいものかもしれない。しかし、彼の目は輝きに満ち、夢を追いかける喜びで満たされていた。
こうして、エルヴィンの「発明家」としての道は、少しずつ広がり始めていった。
97
お気に入りに追加
307
あなたにおすすめの小説
元悪役令嬢はオンボロ修道院で余生を過ごす
こうじ
ファンタジー
両親から妹に婚約者を譲れと言われたレスナー・ティアント。彼女は勝手な両親や裏切った婚約者、寝取った妹に嫌気がさし自ら修道院に入る事にした。研修期間を経て彼女は修道院に入る事になったのだが彼女が送られたのは廃墟寸前の修道院でしかも修道女はレスナー一人のみ。しかし、彼女にとっては好都合だった。『誰にも邪魔されずに好きな事が出来る!これって恵まれているんじゃ?』公爵令嬢から修道女になったレスナーののんびり修道院ライフが始まる!
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
転生令息は攻略拒否!?~前世の記憶持ってます!~
深郷由希菜
ファンタジー
前世の記憶持ちの令息、ジョーン・マレットスは悩んでいた。
ここの世界は、前世で妹がやっていたR15のゲームで、自分が攻略対象の貴族であることを知っている。
それはまだいいが、攻略されることに抵抗のある『ある理由』があって・・・?!
(追記.2018.06.24)
物語を書く上で、特に知識不足なところはネットで調べて書いております。
もし違っていた場合は修正しますので、遠慮なくお伝えください。
(追記2018.07.02)
お気に入り400超え、驚きで声が出なくなっています。
どんどん上がる順位に不審者になりそうで怖いです。
(追記2018.07.24)
お気に入りが最高634まできましたが、600超えた今も嬉しく思います。
今更ですが1日1エピソードは書きたいと思ってますが、かなりマイペースで進行しています。
ちなみに不審者は通り越しました。
(追記2018.07.26)
完結しました。要らないとタイトルに書いておきながらかなり使っていたので、サブタイトルを要りませんから持ってます、に変更しました。
お気に入りしてくださった方、見てくださった方、ありがとうございました!
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
あの、神様、普通の家庭に転生させてって言いましたよね?なんか、森にいるんですけど.......。
▽空
ファンタジー
テンプレのトラックバーンで転生したよ......
どうしようΣ( ̄□ ̄;)
とりあえず、今世を楽しんでやる~!!!!!!!!!
R指定は念のためです。
マイペースに更新していきます。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
【完結】婚約破棄されて修道院へ送られたので、今後は自分のために頑張ります!
猫石
ファンタジー
「ミズリーシャ・ザナスリー。 公爵の家門を盾に他者を蹂躙し、悪逆非道を尽くしたお前の所業! 決して許してはおけない! よって我がの名の元にお前にはここで婚約破棄を言い渡す! 今後は修道女としてその身を神を捧げ、生涯後悔しながら生きていくがいい!」
無実の罪を着せられた私は、その瞬間に前世の記憶を取り戻した。
色々と足りない王太子殿下と婚約破棄でき、その後の自由も確約されると踏んだ私は、意気揚々と王都のはずれにある小さな修道院へ向かったのだった。
注意⚠️このお話には、妊娠出産、新生児育児のお話がバリバリ出てきます。(訳ありもあります)お嫌いな方は自衛をお願いします!
2023/10/12 作者の気持ち的に、断罪部分を最後の番外にしました。
2023/10/31第16回ファンタジー小説大賞奨励賞頂きました。応援・投票ありがとうございました!
☆このお話は完全フィクションです、創作です、妄想の作り話です。現実世界と混同せず、あぁ、ファンタジーだもんな、と、念頭に置いてお読みください。
☆作者の趣味嗜好作品です。イラッとしたり、ムカッとしたりした時には、そっと別の素敵な作家さんの作品を検索してお読みください。(自己防衛大事!)
☆誤字脱字、誤変換が多いのは、作者のせいです。頑張って音読してチェックして!頑張ってますが、ごめんなさい、許してください。
★小説家になろう様でも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる