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第二幕 番外編
納涼・雀荘に巣食う怪異〜呪いのリャンピン牌〜⑥*
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事務所の床に手をついて、肩で息をする。尻のあわいに冷たくて、ねっとりと濡れた何かが落ちてきた。
「ひぅ……っ! なに、なんっ」
休む間もなく、肛門を中心に塗り拡げられる。ぬるぬるとした液体は、達したばかりの萎えたペニスをひんやりと伝ってゆく。
「カゲぇっ!? これ、なに」
「……ライターオイルだ」
「は!? はっ!?」
「冗談だ。普通に、携帯用に持ってるローションだな」
「わっ、笑えん冗談やめろ! ローションを持ち歩くな!」
「ただのヤクザギャグだろ? そうカッカするな」
ツッコミが追いつかん、こいつほんっま……。ムカつきすぎて涙が出たが、それでもさっきの心細い状況よりは、ほんの少しだけマシな気がした。
「あ、あ……もうあかんてぇ……っ」
景虎の指が、尻の中に入り込んでくる。他人の店でこういうことをやるのは良くない、庄助は一生懸命説得したが、反社会的勢力に人の道や常識を説くのは、そもそもが間違っているのかもしれない。
指を二本入れられて中で開かれると、粘ついた音とともに、中の粘膜が外気に晒される。
「いい眺めだな、腹の中のピンク色がよく見える」
「……や……っ」
景虎の喋る吐息が、太腿に当たる。ありえないほど近くで見られている。あまりに恥ずかしくて、言葉をなくした。
開かれて閉じられない穴の中、二本の指の間を縫うように、おそらく反対側の手の指がもう一本侵入してくる。
「ぅっ、あ……イヤや……! カゲの変態、卑怯者……っくぅ」
「こんなところで尻だけ突き出してるほうが悪いだろ」
「せやから、これは事故で……っふ、あ!」
腹側を景虎の指が、探るように圧迫する。浅めの場所にある前立腺を、三本目の指が的確にとらえた。
「いつもより膨らんでる」
「そ……っ、あっ! んやっ、押すな、あきゅっ!」
ヤバい。庄助は思った。気持ちよくてヤバいのはもちろんのこと、さっきから気づかないようにしていた尿意が、腹側を圧迫されることによって明確になってきた。
「カゲッ、か……わかっ、わかったから……もっお……あぁうっ!」
ズキンと膀胱を刺すように、快感と痛みがのぼってくる。いやだと頭を振ったけれど、誰も見ていない。真っ暗な部屋の中で唯一光るスマホのライトが、涙で滲んだ。
捏ねられるたびに、胎内の肉がきゅうきゅうと収縮するのを見られている。きっといつもより遠慮なく。
「わかるか庄助? 中の肉が絡んで抜く時に指と一緒にちょっと出てくるんだ。めちゃくちゃエロい……」
「実況すなクソが……っ! なあ、ガチでトイレ行きたいから、はやく、もう助けてっ……!」
「なんだ、ウンコしたいのか?」
「ひ、人のケツほじりながら怖いこと言うな! ちがう! おしっ……しょんべんや!」
「……仕方ないな、わかった」
いきなり指を抜かれて、庄助の下半身は跳ね上がった。ローションが腿を流れ落ちてゆくのが不快だったが、さすがに景虎もわかってくれたようだ。これで助かる。
最悪な一日になってしまったけど、それももう終わる。家に帰ってあったかいご飯を、もう準備するのめんどいからウーバー頼もう。
一人で納得して頷く庄助の腰に、硬いものが押し当てられた。
「……カゲ、お前」
唇が震えて、こめかみから汗が一筋流れた。景虎のことは変なやつだとは思うが、本気で拒否すればわかってくれると思っていた。それなのに。いや多分、顔が見えていないから、本気度が伝わっていないのかもしれない。
「もっとじっくり、お前のケツの穴の中を見たかったが……庄助がそういうなら仕方ない。一発で勘弁してやるよ」
ぬめった尻を割り広げて、照準を合わせるように、景虎はそれを押し付けた。
「ひぅ……っ! なに、なんっ」
休む間もなく、肛門を中心に塗り拡げられる。ぬるぬるとした液体は、達したばかりの萎えたペニスをひんやりと伝ってゆく。
「カゲぇっ!? これ、なに」
「……ライターオイルだ」
「は!? はっ!?」
「冗談だ。普通に、携帯用に持ってるローションだな」
「わっ、笑えん冗談やめろ! ローションを持ち歩くな!」
「ただのヤクザギャグだろ? そうカッカするな」
ツッコミが追いつかん、こいつほんっま……。ムカつきすぎて涙が出たが、それでもさっきの心細い状況よりは、ほんの少しだけマシな気がした。
「あ、あ……もうあかんてぇ……っ」
景虎の指が、尻の中に入り込んでくる。他人の店でこういうことをやるのは良くない、庄助は一生懸命説得したが、反社会的勢力に人の道や常識を説くのは、そもそもが間違っているのかもしれない。
指を二本入れられて中で開かれると、粘ついた音とともに、中の粘膜が外気に晒される。
「いい眺めだな、腹の中のピンク色がよく見える」
「……や……っ」
景虎の喋る吐息が、太腿に当たる。ありえないほど近くで見られている。あまりに恥ずかしくて、言葉をなくした。
開かれて閉じられない穴の中、二本の指の間を縫うように、おそらく反対側の手の指がもう一本侵入してくる。
「ぅっ、あ……イヤや……! カゲの変態、卑怯者……っくぅ」
「こんなところで尻だけ突き出してるほうが悪いだろ」
「せやから、これは事故で……っふ、あ!」
腹側を景虎の指が、探るように圧迫する。浅めの場所にある前立腺を、三本目の指が的確にとらえた。
「いつもより膨らんでる」
「そ……っ、あっ! んやっ、押すな、あきゅっ!」
ヤバい。庄助は思った。気持ちよくてヤバいのはもちろんのこと、さっきから気づかないようにしていた尿意が、腹側を圧迫されることによって明確になってきた。
「カゲッ、か……わかっ、わかったから……もっお……あぁうっ!」
ズキンと膀胱を刺すように、快感と痛みがのぼってくる。いやだと頭を振ったけれど、誰も見ていない。真っ暗な部屋の中で唯一光るスマホのライトが、涙で滲んだ。
捏ねられるたびに、胎内の肉がきゅうきゅうと収縮するのを見られている。きっといつもより遠慮なく。
「わかるか庄助? 中の肉が絡んで抜く時に指と一緒にちょっと出てくるんだ。めちゃくちゃエロい……」
「実況すなクソが……っ! なあ、ガチでトイレ行きたいから、はやく、もう助けてっ……!」
「なんだ、ウンコしたいのか?」
「ひ、人のケツほじりながら怖いこと言うな! ちがう! おしっ……しょんべんや!」
「……仕方ないな、わかった」
いきなり指を抜かれて、庄助の下半身は跳ね上がった。ローションが腿を流れ落ちてゆくのが不快だったが、さすがに景虎もわかってくれたようだ。これで助かる。
最悪な一日になってしまったけど、それももう終わる。家に帰ってあったかいご飯を、もう準備するのめんどいからウーバー頼もう。
一人で納得して頷く庄助の腰に、硬いものが押し当てられた。
「……カゲ、お前」
唇が震えて、こめかみから汗が一筋流れた。景虎のことは変なやつだとは思うが、本気で拒否すればわかってくれると思っていた。それなのに。いや多分、顔が見えていないから、本気度が伝わっていないのかもしれない。
「もっとじっくり、お前のケツの穴の中を見たかったが……庄助がそういうなら仕方ない。一発で勘弁してやるよ」
ぬめった尻を割り広げて、照準を合わせるように、景虎はそれを押し付けた。
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