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第二幕
5.虎に耽溺④*
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足を割って開かせ、尻にローションを塗り込む。小さく息を漏らしながら、庄助は不安そうな顔をした。身体は待ち焦がれているくせに、うぶな反応をするのが好い。
「もう、そ……っち、すんの? ……っあ」
「駄目か? 庄助の内臓に触りたい」
「怖い言い方すんな……!」
小さいその穴に、指をゆっくりと挿し込んでゆく。深く侵入するたびに拒むように窄まり、そのたびに庄助は苦しげに息を吐いた。
酸素を細切れに吸い込みながら、庄助はうっとりとした目で景虎の両胸の刺青の模様を見つめている。
荒々しい意匠の虎、その2匹を飼いならす強い男が、今こうして自分を抱いている。そのことに耽溺しそうになる。
ヤクザ映画によくあるラブシーン。屈強な極道者に抱かれている女たちもまた、こんな気持ちになっていたのだろうか。
「……っぐ、んはっ……う」
周囲が静かすぎて、もうずっと喉から漏れる声を奥歯で噛み潰し続けている。
先程から景虎に指で捏ね回されている尻の穴からぼたぼたと垂れたローションが、布団のシーツを汚した。
「好きだ、庄助」
耳元で囁かれて鳥肌がたった。
そのまま耳の軟骨を噛まれ、胎内に埋まった指をゆっくりと出し入れされる。
前立腺の膨らみを、周りからじわじわと追い立てるように押されて、腰が揺れた。
今までのセックスで何度も刺激されているそこは、徐々に、しかし確実に快感を拾い上げるようになっている。
「あ……っ、かげ」
庄助の鎖骨に歯を立てると一旦指を抜き、そのまま滑るように唇は下に降りていく。
胸筋、乳首、腹の柔らかい肉を包む皮膚に口づけ、その下の張りつめたペニスだけをわざと無視するように、景虎の唇は下りてゆく。
何をされるのかと戸惑う尻の肉を、景虎は太腿ごとかき分けるように両手で開いた。
「や……っ!?」
驚いて足を閉じたが、割れ目を開かれてしまった後ではもう遅かった。庄助が力を入れると、色づく小さな窄まりは、ぎゅうっと蕾のように口を閉ざした。
景虎は、庄助の小さくて慎ましいこの穴が好きだ。金髪に眉ピアスを開けて、威嚇のように派手な外見をした庄助の、子供のようなピンク色の尻の穴。そのギャップがいかにも馬鹿っぽくて可愛い。
「お……おいっ見んな! 殴んぞ!」
景虎の顔が、普段隠れたその場所を間近で覗き込むのを、庄助は腰をひねって拒もうとした。
きつく閉じる皺の間から、つうっとローションが漏れて伝う。あろうことか景虎は、それを舐め取るように舌の先を這わせた。
「きゃひっ……!」
生温い感触に、庄助は飛び上がって驚いた。
「なっ、え……!? おまっ、そんな、とこ」
体液と混ざるローションを、舌先で皺の隙間に塗り込む。庄助はあまりのことに一瞬混乱したが、じたばたと暴れて拒否し始めた。
「もう、そ……っち、すんの? ……っあ」
「駄目か? 庄助の内臓に触りたい」
「怖い言い方すんな……!」
小さいその穴に、指をゆっくりと挿し込んでゆく。深く侵入するたびに拒むように窄まり、そのたびに庄助は苦しげに息を吐いた。
酸素を細切れに吸い込みながら、庄助はうっとりとした目で景虎の両胸の刺青の模様を見つめている。
荒々しい意匠の虎、その2匹を飼いならす強い男が、今こうして自分を抱いている。そのことに耽溺しそうになる。
ヤクザ映画によくあるラブシーン。屈強な極道者に抱かれている女たちもまた、こんな気持ちになっていたのだろうか。
「……っぐ、んはっ……う」
周囲が静かすぎて、もうずっと喉から漏れる声を奥歯で噛み潰し続けている。
先程から景虎に指で捏ね回されている尻の穴からぼたぼたと垂れたローションが、布団のシーツを汚した。
「好きだ、庄助」
耳元で囁かれて鳥肌がたった。
そのまま耳の軟骨を噛まれ、胎内に埋まった指をゆっくりと出し入れされる。
前立腺の膨らみを、周りからじわじわと追い立てるように押されて、腰が揺れた。
今までのセックスで何度も刺激されているそこは、徐々に、しかし確実に快感を拾い上げるようになっている。
「あ……っ、かげ」
庄助の鎖骨に歯を立てると一旦指を抜き、そのまま滑るように唇は下に降りていく。
胸筋、乳首、腹の柔らかい肉を包む皮膚に口づけ、その下の張りつめたペニスだけをわざと無視するように、景虎の唇は下りてゆく。
何をされるのかと戸惑う尻の肉を、景虎は太腿ごとかき分けるように両手で開いた。
「や……っ!?」
驚いて足を閉じたが、割れ目を開かれてしまった後ではもう遅かった。庄助が力を入れると、色づく小さな窄まりは、ぎゅうっと蕾のように口を閉ざした。
景虎は、庄助の小さくて慎ましいこの穴が好きだ。金髪に眉ピアスを開けて、威嚇のように派手な外見をした庄助の、子供のようなピンク色の尻の穴。そのギャップがいかにも馬鹿っぽくて可愛い。
「お……おいっ見んな! 殴んぞ!」
景虎の顔が、普段隠れたその場所を間近で覗き込むのを、庄助は腰をひねって拒もうとした。
きつく閉じる皺の間から、つうっとローションが漏れて伝う。あろうことか景虎は、それを舐め取るように舌の先を這わせた。
「きゃひっ……!」
生温い感触に、庄助は飛び上がって驚いた。
「なっ、え……!? おまっ、そんな、とこ」
体液と混ざるローションを、舌先で皺の隙間に塗り込む。庄助はあまりのことに一瞬混乱したが、じたばたと暴れて拒否し始めた。
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