ぬきさしならへんっ!

夢野咲コ

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番外編

シラフじゃできへんっ♡③*

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「うあ、はあっ、もう……はやく……」
「なんだ」
「ちんこも、さわってほしいぃ……」
 あまりに淫らな声音でそう言うので、景虎は驚いた。よほど時間をかけていじめないと言わないような台詞が、今日はすんなりと出てきた。やはり酒の力によるところが大きいのか。
 普段のように、意地を張ってイヤイヤ言う庄助もいいが、淫乱さを隠さない庄助もこれはこれでいい。

「脚、開けよ。触ってやるからよく見せてみろ」
「……変態」
 庄助はそう言うと、上体を起こした。座って景虎と向かい合う形になると、ゆっくりと脚を開く。
 垂れ落ちたカウパーが糸を引いて淫靡だ。庄助のペニスは、腹に付きそうなくらい上を向いていた。
「ひ……んっ」
 裏筋を人差し指でなぞると、ぴくんと身体ごとペニスが動いた。とろとろとこぼれ落ちてくる液を絡めて、指の背で先っぽを刺激する。それだけで庄助の太腿は震え、うっかり達しそうになってしまう。
「ん、く……や、きもちい……っ」
 髪と同様に金色に脱色した眉をひそめ、詰まる息の合間に声を絞り出している。すっかり下を向いてしまった顔を、顎に指をひっかけてこちらを向かせる。庄助の茶色っぽい瞳が情欲にとろけて潤む。

「エロい顔になってる」
「お前も……やんけっ、は……っ、あ!」
 顔を見ながらペニスを上下に刺激する。いつもなら恥ずかしがってそれだけでフニャッと泣きそうな顔になるのに、強気に睨みつけてくる様は新鮮でなかなかいい。鼻っ柱をへし折って泣かせたくなる。景虎は左手で庄助の幹を握り込むと、ゆったりと動かした。
「おっ……ん、カゲ……なあっ」
 景虎は、必死に肩に掴まろうとしてくる庄助の手を制した。甘えた声が行き場をなくして吐息になる。
「しがみついたらお前のチンポが見えない。楽しませてくれるんだろ? 覚悟決めろ」
「っあ……! あわ……!」
 後ろに手をつかせ、腰を突き出させる。際限なく溢れてくるカウパー液を押し戻すように、尿道口を軽く抉る。
 引ける腰を捕まえて何度も何度も、ひくひくと蠢くその中に粘ついた汁を押し返すように塗り込める。それらは次々に溢れてきて、景虎の指を汚した。
「あぎっ、んぁ……っ! や……イキたいぃ、ちんこ擦って、カゲ……っ」
「素直だな。いいぞ、思いっきりイけよ」
「んん~~っ……」
 口の端から垂れた唾液を余さず舐め取られると、庄助は恥ずかしいような嬉しいような、何とも言えない気持ちになる。

 景虎は快感で蕩けそうな庄助のペニスを掴み、皮を限界まで下に引き下げると、そのまま右の手のひらでぐりぐりと亀頭を撫でた。まるですり潰すような動きだった。
「ゔぁひ……っ!?」
 敏感な先端を容赦なく手のひらで刺激したまま、反対の手で茎を擦られて、庄助はそれだけで呆気なく達してしまった。
 まるで景虎の手の下で暴発するみたいだった。皮を剝かれてぱんぱんに張り詰めた庄助の亀頭から、大量に精液がこぼれ出る。
「あ゙っ……ゃひ、あ゙っあぁ゙~~!」
 情けない声を止められなかった。粘膜剥き出しの先端でイクのは快感が強すぎて辛かった。根本をじわじわと擦られて達するのと全然違う。内腿が攣りそうになるのを、指先が真っ白になるほどシーツを握りしめて必死で堪えた。

「がぅ……っ!」
 絞り出すように根本からしごかれて、庄助ははやくも空っぽになってしまうんじゃないかと思った。このあと絶対景虎のを挿れられるのは避けられないのに、いっぱいイってしまって余力がなくなるのは辛い。
「待って、まっ……カゲっ、カゲぇ、もうイッた、イッてる! いまぁっ」
 身体やそこら中をべたべたに精液で汚して、庄助は景虎に縋りついた。抱きしめられて肩に顎を載せて景虎の匂いを吸い込むと、ほんの少し安堵する。
「擦ってほしいんだろ」
「そっ、やけど……、もっ……あ゙! わっ、ん……っ!」
 また性懲りもなく先端に触れると、庄助はびくんと飛び上がったあと、首を振った。
 聞こえないくらいのほんの小さな声で、懇願するように、やめて……と言われて、景虎の背中に、興奮でゾクゾクと鳥肌が立った。そういうふうに言われると逆にいじめたくなるのを、庄助はわかっているのだろうか。
「ィぎ……! もうやめっ、やめ……!」
 向かい合って庄助の腰に脚を絡ませ、逃げられないようにホールドすると、裏側まで真っ赤な耳に息を吹きかけた。
「覚悟決めろって言ったよな?」
 手首に近い部分で亀頭を擦り、先端だけを握り込む。そのまま、多量のカウパー液のぬめりを借りてちゅくちゅくと動かすと、庄助は景虎の腕を掴んだ。

「や゙ぁっ! マジで、やっ……それ、したらっ出る、ほんまに……出るってっ、し、しょんべ、んがっ!」
「いいな、見せてくれ」
 景虎の手の甲にバリバリと爪を立てて必死に抵抗したが、そんなものあってないかのように、平然と手を動かし続けた。
 腰をのぼってくる強烈な尿意に似た何かが恐ろしくて、庄助はいやだいやだとまくしたてる。しつこく擦られた亀頭が、燃えるように熱い。
「無理、っむりぃ! やめ、カゲっ、ごめっ……俺が悪かっ……! ぁふあ゙、ごめんって! 謝っ……っイ」
 庄助のペニスの先から音もなく体液がぴゅくぴゅくと吹き出した。透明でさらさらとしたそれは精液とはまた違うようだ。間欠泉のように勢いよく不規則に、景虎の腹やシーツの上に撒き散らされるそれを、どこか他人事のような虚ろな目で庄助は見ていた。

「っうぅ……あヒ……」
 庄助の目尻から涙が落ちた。限界まで我慢した尿意とともに精液を出すような、なんとも不思議な感覚だった。何も出なくなっても、腰が痺れたような感覚が残っている。
 腹や腿に落ちた無色透明な液は温く、濡れた範囲がことのほか広く不快だったが、ティッシュペーパーで拭う体力もなかった。庄助はものも言わず、上がった呼吸のまま景虎に身を預けた。
「水分をたくさん取ると、男でも潮を吹くらしいな」
「……はぇ……しお」
「ちょっとは抜けたか? アルコール」
「しお……」
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