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魔女狩りの日

深緑の女王4

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「貴様らの言いたいことは分かった。どれ、試してやろう」
「え?……試す?」
「貴様ら阿呆か?話し合いで済むわけがなかろう……ふむ、身の程知らずというわけか。低能め、わしを怒らせるつもりならば成功じゃな」
「お、おい。あんたさっきから何言ってるんだ!?」

支離滅裂なことをいうローズに、コトネは噛みついた。
ひたひたと裸足であるくローズは、そっとテンたちに手をかざした。

「貴様らの大言、嘘ではないことを証明できるか?」

ローズは指を少し動かした。
森の中に這っているツタが、テンたちに一直線に飛んでいく。
そして彼女たちの腕や脚、そして胴体までもに絡みつき、体の自由を奪った。

「な、なんだこれは!?」
「う、動けない!」
「ほらほら早く解かんと絞め殺されるぞ小娘ども」

愉快そうにローズは嫌らしく笑った。
彼女の言う通り、ツタは彼女たちを締めつけていく。

「う、うぅ……痛いよコトネ」
「しっかりしろミユ!」
「はははは!貧弱じゃのう!よくそれでフェスターの名前をわしの前で出せたものじゃ!」

ツタは締めつけはさらに激しくなる。
仲間たちの苦悶の声を聞き、オスカーは目を鋭くした。
彼女は体を黒い霧に変化させ、易々とツタの拘束から脱出する。
仲間たちのツタを爪で切り裂き、解放した。
そのまま空を飛び、ローズの背後で実体化する。
そして鋭い爪をローズの首筋に当てた。

「降参しろ」
「奇怪な技じゃな。面白い」
「客人に対してこの無礼……上に立つものとして恥を覚えるべきだ」
「客人?どこまでも図々しいのう貴様らは。そのツラの皮の厚さは褒めてやる」
「お喋りはいい、首を落とされたくなければ私たちの話を聞け」
「わしの首はそこまで安くないぞ小娘」
「……ん?」

なんとなくオスカーは体に違和感を覚えた。
体がだるくなり、頭痛がする。
ローズは強く息を吐いた。
その息に混じった花粉がテンたちを囲む。

「何をした?」
「毒じゃ、体の自由を奪い、最後には死ぬ。無論、わしのまわりにも飛ばしておいた」
「なに!?」
「勘が鈍いぞ小娘。戦いのセンスはないようじゃな」

オスカーはすぐに霧化して体を消した。
この状態ならば毒を吸い込む心配はない。
交渉の余地がないと分かったオスカーは、この場から逃げることを選択した。
離れた場所でミユとコトネが毒の花粉を吸い、地面に手をつけている。
オスカーは彼女たちのもとに飛んでいった。
そしてミユたちを抱えて、空を飛んで逃げようとする。

「馬鹿じゃのう貴様も。分かりやすい行動をとるな」

後ろから声をかけられて、オスカーは素早く振り向いた。
彼女の頬が強引に片手で掴まれる。
そして間髪入れず、オスカーは唇を奪われた。
接近してきたローズが彼女にキスをし、口から花粉を吐いたのだ。
ダイレクトに毒を飲まされ、オスカーは体の自由が効かなくなる。
苦しみながら倒れたオスカーの顔を踏むローズは、呆れ顔をしている。
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