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吸血鬼姉妹
満月に照らされて14
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「オスカー!いい加減にしなさい!怒るわよ!」
「怒っているのはこっちだ!」
空の上でクロエとオスカーは殴り合う。
オスカーは霧化というアドバンテージを持っているが、クロエが左手の指に挟み込んでいる赤い十字架を警戒して思うように変化できない。
この十字架がある以上、霧化しても強制的に生身に戻されてしまうからだ。
「ぐっ……」
十字架での攻撃を警戒するあまり、オスカーはクロエの蹴りを横腹に喰らってしまった。
攻撃を受けて硬直したオスカーの頬を、クロエは目いっぱい殴りつけた。
オスカーは吹き飛ばされ、遠く下にある家屋に突っ込んだ。
「……勝てるわけないじゃない。私はあなたのお姉様よ?」
クロエは妹がいる家屋の床に足をつける。
「お前は姉なんかじゃない……」
「酷いわね、私たちは血を分けた姉妹よ?もういいわ、また鎖をつけてあげるから。あなたは私のもとで大人しくしていればいいの」
「戯言を!!」
オスカーがクロエに向かおうとした瞬間、家屋が炎に包まれ全焼する。
「よーし!まとめて焼けたか!?」
「さすがフェスター!一気に2人を倒すなんて!」
喜ぶテンとフェスターは、炎から出てきたクロエとオスカーに殴られた。
「いたっ!!」
「クソ……」
「倒せてないじゃん!」
「まぁあのくらいじゃ無理か」
「『無理か』じゃないよバカ!」
「誰がバカだこの野郎!俺の半分も脳みそないくせに!」
「クロエ!お前だけは許さない!」
「私も許してないわよ。お父様もお母様も……もちろんあなたも。死ぬまで飼い殺しにしてあげる。それがあなたがすべき贖罪よ」
「ほざけ!!」
オスカーは霧化して、姉に襲いかかった。
「馬鹿ね……」
クロエは拳の皮を噛みちぎって血液を滲ませた。
右手のフックを放ち、オスカーが後ろに避けたところを左手の十字架で攻撃しようとした。
オスカーは両手で左手を止める。
手が塞がったところで、クロエの前蹴りが腹に刺さる。
「がっ!」
「あなたは私に勝てないのよ……昔から私のほうが優秀だったはずなの!!」
クロエは十字架をオスカーの心臓に刺そうとする。
「……あなた」
「くらえっ!」
クロエの左手はテンによって止められた。
テンはそのまま、右手でクロエを殴りつける。
「邪魔を……するなぁぁ!!」
クロエは雄叫びを上げ、テンの頭を鷲掴みにする。
そして彼女の顔を地面に思い切り叩きつけた。
地面には大きなヒビが入る。
「怒っているのはこっちだ!」
空の上でクロエとオスカーは殴り合う。
オスカーは霧化というアドバンテージを持っているが、クロエが左手の指に挟み込んでいる赤い十字架を警戒して思うように変化できない。
この十字架がある以上、霧化しても強制的に生身に戻されてしまうからだ。
「ぐっ……」
十字架での攻撃を警戒するあまり、オスカーはクロエの蹴りを横腹に喰らってしまった。
攻撃を受けて硬直したオスカーの頬を、クロエは目いっぱい殴りつけた。
オスカーは吹き飛ばされ、遠く下にある家屋に突っ込んだ。
「……勝てるわけないじゃない。私はあなたのお姉様よ?」
クロエは妹がいる家屋の床に足をつける。
「お前は姉なんかじゃない……」
「酷いわね、私たちは血を分けた姉妹よ?もういいわ、また鎖をつけてあげるから。あなたは私のもとで大人しくしていればいいの」
「戯言を!!」
オスカーがクロエに向かおうとした瞬間、家屋が炎に包まれ全焼する。
「よーし!まとめて焼けたか!?」
「さすがフェスター!一気に2人を倒すなんて!」
喜ぶテンとフェスターは、炎から出てきたクロエとオスカーに殴られた。
「いたっ!!」
「クソ……」
「倒せてないじゃん!」
「まぁあのくらいじゃ無理か」
「『無理か』じゃないよバカ!」
「誰がバカだこの野郎!俺の半分も脳みそないくせに!」
「クロエ!お前だけは許さない!」
「私も許してないわよ。お父様もお母様も……もちろんあなたも。死ぬまで飼い殺しにしてあげる。それがあなたがすべき贖罪よ」
「ほざけ!!」
オスカーは霧化して、姉に襲いかかった。
「馬鹿ね……」
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右手のフックを放ち、オスカーが後ろに避けたところを左手の十字架で攻撃しようとした。
オスカーは両手で左手を止める。
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「邪魔を……するなぁぁ!!」
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そして彼女の顔を地面に思い切り叩きつけた。
地面には大きなヒビが入る。
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