48 / 196
善人だけの世界
信仰外の信仰2
しおりを挟む
「これはモギリ草じゃないか。どうしてここに」
「驚きましたか?」
「ああ……ヤマトにしか生えないと聞いていたけど……」
「ヤマトから輸入したのですよ。今は交易ができるので」
「あんたのヤマト贔屓も相当だな……だがこんなものどうする気だ?この植物はすりつぶして侍が戦で飲む滋養強壮薬だぞ?僕は飲んだことないけど、これを飲むと鬼神の如き力を得るが寿命を縮めると聞いた」
「その通り。モギリ草は『命をもぐ』というのが由来の薬草です。モギリ草には心臓などの臓器を活性化させ、さらに脳に影響を与え潜在能力を引き出し、筋力や肌も強化するといった効果があります。もちろん無理やりそんな状態になれば、体は耐えきれませんよね」
「そんなもの……どうするのですか?」
不安そうに聞くミユに、デロリスは笑みを返す。
「もちろんこのまま口にしたりしませんよ、危険すぎますからね。しかし薄めてほかの薬と調合すると万能薬になるのですよ。元の効果が絶大ですからね。きちんと服用する量を守って飲めば風邪くらいならすぐ治ります。ミユさんもここにきた当初飲んだのですよ?」
「え?ああ、あのお薬ですか。ひと晩眠ったらスッキリしました」
「強力すぎる力は毒ではありません。使い手がしっかり理解すれば最良の薬にもなるのです」
「モギリ草にそんな効果があるとは……あんた薬師になっても食べていけるんじゃないか?」
「人々を守るための術は全て研究しています。薬学も医学もどんとこいです!」
おちゃらけるデロリスにほっこりした2人は、村人たちにやり方を教えてもらいながらモギリ草を採取する。
摘み取ってよいもの、悪いもの、それらを判断しながら畑仕事に取り組み、涼しげな洞窟の中で爽やかな汗を流す。
作業が終わると、デロリスの腹がぐぅと鳴った。
恥ずかしそうに腹をさする彼女をみんなで笑って、彼女たちはこの場を後にした。
「驚きましたか?」
「ああ……ヤマトにしか生えないと聞いていたけど……」
「ヤマトから輸入したのですよ。今は交易ができるので」
「あんたのヤマト贔屓も相当だな……だがこんなものどうする気だ?この植物はすりつぶして侍が戦で飲む滋養強壮薬だぞ?僕は飲んだことないけど、これを飲むと鬼神の如き力を得るが寿命を縮めると聞いた」
「その通り。モギリ草は『命をもぐ』というのが由来の薬草です。モギリ草には心臓などの臓器を活性化させ、さらに脳に影響を与え潜在能力を引き出し、筋力や肌も強化するといった効果があります。もちろん無理やりそんな状態になれば、体は耐えきれませんよね」
「そんなもの……どうするのですか?」
不安そうに聞くミユに、デロリスは笑みを返す。
「もちろんこのまま口にしたりしませんよ、危険すぎますからね。しかし薄めてほかの薬と調合すると万能薬になるのですよ。元の効果が絶大ですからね。きちんと服用する量を守って飲めば風邪くらいならすぐ治ります。ミユさんもここにきた当初飲んだのですよ?」
「え?ああ、あのお薬ですか。ひと晩眠ったらスッキリしました」
「強力すぎる力は毒ではありません。使い手がしっかり理解すれば最良の薬にもなるのです」
「モギリ草にそんな効果があるとは……あんた薬師になっても食べていけるんじゃないか?」
「人々を守るための術は全て研究しています。薬学も医学もどんとこいです!」
おちゃらけるデロリスにほっこりした2人は、村人たちにやり方を教えてもらいながらモギリ草を採取する。
摘み取ってよいもの、悪いもの、それらを判断しながら畑仕事に取り組み、涼しげな洞窟の中で爽やかな汗を流す。
作業が終わると、デロリスの腹がぐぅと鳴った。
恥ずかしそうに腹をさする彼女をみんなで笑って、彼女たちはこの場を後にした。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
男女比1:10000の貞操逆転世界に転生したんだが、俺だけ前の世界のインターネットにアクセスできるようなので美少女配信者グループを作る
電脳ピエロ
恋愛
男女比1:10000の世界で生きる主人公、新田 純。
女性に襲われる恐怖から引きこもっていた彼はあるとき思い出す。自分が転生者であり、ここが貞操の逆転した世界だということを。
「そうだ……俺は女神様からもらったチートで前にいた世界のネットにアクセスできるはず」
純は彼が元いた世界のインターネットにアクセスできる能力を授かったことを思い出す。そのとき純はあることを閃いた。
「もしも、この世界の美少女たちで配信者グループを作って、俺が元いた世界のネットで配信をしたら……」
こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
転校先は着ぐるみ美少女学級? 楽しい全寮制高校生活ダイアリー
ジャン・幸田
キャラ文芸
いじめられ引きこもりになっていた高校生・安野徹治。誰かよくわからない教育カウンセラーの勧めで全寮制の高校に転校した。しかし、そこの生徒はみんなコスプレをしていた?
徹治は卒業まで一般生徒でいられるのか? それにしてもなんで普通のかっこうしないのだろう、みんな!
「学校でトイレは1日2回まで」という校則がある女子校の話
赤髪命
大衆娯楽
とある地方の私立女子校、御清水学園には、ある変わった校則があった。
「校内のトイレを使うには、毎朝各個人に2枚ずつ配られるコインを使用しなければならない」
そんな校則の中で生活する少女たちの、おしがまと助け合いの物語
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる