上 下
38 / 196
善人だけの世界

マッサージをしてもらおう

しおりを挟む
「あー……そこいい。もっと強くして」

とある薄暗いマッサージ店で、テンは手が4本ある亜人の女から体も揉まれていた。
フェスターは煙草の煙をくゆらせながら、瓶に入ったビールを飲んでいる。

「アンデッドのくせにマッサージなんぞしなくていいだろ」
「今日歩き回ってクタクタなんだよねぇ、あっそこもっと押して」
「はいはい。テンちゃん体こわってるから入念にするね」
「あ、やっぱりこわってた?あの人の無茶にいつも付き合わされてるからだよ絶対」
「なにさせられてるの?」
「この前なんて『どのくらい血が出るのか知りたい』とか言って延々注射で吸い取られたし、『肉体の組織と細胞を調べたい』とか言って指を切り落とされたんだよ?」
「うわぁ、それは酷いね」
「お前アンデッドなんだからいいだろ。指もちゃんとくっつけたしよ」
「乙女心が分かってないんだよ。あ!それと私のうんこを調べたいとか言ったんだよ!?袋渡してきて『これにしろ』なんて言われてさ!信じられる?」
「女の子にうんこしろはちょっときついね」
「でしょ?常識がないんだよフェスターは」
「うるせぇな。気になるだろうが」

口論を続けながらも、テンの体はほぐされていった。
肩から腰、腕に脚も慣れた手つきで女は揉む。

「さて下準備終わり!テンちゃん服を脱いで」
「え?なんで?」
「オイル塗るからだよ。リラックス効果があるの!」
「そ、そうなんだ……じゃあフェスターはあっち行っててよ」
「あ?お前の貧相な体に興味なんてねぇよ、のぼせ上がるな」
「いいから出てってよ」

フェスターはぶつぶつ言っていたが、マッサージ師にも促されたので渋々部屋を出て、待合室のソファーに座る。
服を全て脱ぎ全裸になったテンは、再びベッドにうつ伏せになった。

「はーい、テンちゃん力抜いて」
「う、うん」

女は自家製オイルを手のひらに広げる。
4つの手でテンの細い体に触れ、ねっとりした手つきでオイルを彼女の体に浸透させていく。
ひんやりとした冷たい感触に、テンはピクンと体を震えさせる。

「ふふふ、かわいい」
「ね、ねぇこれってマッサージなんだよね?」
「もちろんだよ!気持ちよくなってきたでしょ?」
「う、うん?」

女は2本の腕をテンの乳房に、そしてもう2本を太ももに当てた。
どちらの手も彼女の肉をまさぐり始める。

「ね、ねぇなんでおっぱい触るの?」
「血行促進のため。血の巡りをよくしてるんだよ。おっぱいは血が溜まりやすいからね……」
「そ、そうなんだ。初めて知った……」
「そうなんだよ!じゃもっとほぐしちゃうねぇ」

女はご満悦で微笑み、テンの体を好き勝手触っていった。
「そこは触らないで」とか「そんなに強くしないで」とテンに注意を受けたが、女は「血行促進のためだから」と頑として譲らない。
結局されるがままにマッサージを受けるテンであったが、幾度も嬌声を上げそうになり、ついには自分の手で口を押さえ始めてしまった。

「我慢しなくていいんだよ?」
「いやこれやっぱり……マッサージじゃな……」
「マッサージだよ」

女は明るい声ながらも有無も言わせない圧力を持って言い切った。

「久しぶりのかわいい女の子、はりきっちゃうからね!」

女はそう宣言して、まずテンの手を口から離した。
そして彼女の性感帯を責める。
テンは持ち前の怪力で抵抗しようとしたが、あまりの快楽に筋力が機能しない。
自由になった口からは、喘ぎ声しか出なかった。

「ちょやめ!あんっ!そこは!あんっ!そこはダメだって!あんっ!フェスター!助けてぇ!!ああんっ!!ああああっ!!!」

壁一枚挟んだ部屋にいるフェスターは、パートナーがよがり感じている声を聞きながらのんびり煙草を吸っていた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました

フルーツパフェ
大衆娯楽
 とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。  曰く、全校生徒はパンツを履くこと。  生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?  史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

[恥辱]りみの強制おむつ生活

rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。 保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。

我慢できないっ

滴石雫
大衆娯楽
我慢できないショートなお話

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...