165 / 182
第165話 【生配信回】ドラゴンを喰らう!③
しおりを挟む
丈二が放った魔槍の一撃は、竜鱗を貫き、赤竜の胸部に突き刺さった。
体格差ゆえ致命傷にまでは至らない。しかし、丈二の魔槍はここからが本領発揮だ。
「電撃呪縛!」
槍に帯電していた魔力が、刃先から赤竜の体内へ放たれる。
さながら竜の咆哮のような轟音。
この魔槍の魔力回路には、特定の魔法効果は刻まれていない。所持者が使用する魔力の威力を大きく増幅して刃先から放つ効果がある。
天才とまでは言えないが、もともと魔法に才能のある丈二だ。相手の特性に応じて最適で最大の攻撃を繰り出すことができる。
とはいえ増幅したとしても、さすがにひとり分の魔力。緑竜を仕留めたときほどの威力は出ない。
だがそれでも充分だ。高熱や冷気なら、赤竜は耐えられただろう。しかし電撃だけはどうにもならない。神経に流れた電気は体を一時麻痺させ、強制的に行動を抑える。生物である以上、逃れることはできない。
そして、それに伴う激痛は、魔法を扱う集中力さえ途切れさせる。
この一瞬、赤竜の一切の攻撃が途絶えたのだ。
"止まった!"
"武器名と魔法名叫ぶノリ、嫌いじゃないぜ!"
"チャンス!"
"いけいけいけー!"
"たたみかけろ!"
赤竜はすぐ復活し、丈二に爪を振り下ろそうとする。
もう遅い。丈二はすでに槍を抜いて退避している。
代わりに、結衣が踏み込もうとしていた。爆発魔法を受け続け、距離が離れてしまっている。彼女の間合いではない。だが赤竜は脅威を感じたか、一歩退いて迎撃の構え。
その背後を、吾郎たちが強襲。赤竜の注意が散漫になる。
そして紗夜は弓矢を構えていた。全力の変身魔法で、弓はすでに大型化。勢い余って魔法少女の姿に変わっている。
引き絞るのは、ミリアム謹製の大型の矢――屠竜の矢。
『超越の7人』のひとり、竜退治の専門家『屠竜騎士』ギリオンの名を冠した矢だ。
"紗夜ちゃん変身してる!?"
"本気モードだ!"
"いけ、貫け!"
放たれた一矢は、先に丈二が槍で穿った胸の傷跡に直撃した。
赤竜の背後の岩壁に、屠竜の矢が突き刺さる。
"やった!"
"貫いたぞ!"
"急所!? 急所だよな!? 心臓だよな!?"
――グガッ!? アァアア!?
赤竜が吐血する。
心臓を貫かれた赤竜は、しかし、未だ倒れない。魔力の光が輝く。みるみるうちに、胸の傷が再生していく。
"治療魔法か!"
"こいつ、まだ戦う気かよ!"
"待てよ? 肉を裂いても、治療魔法を使えば再生するなら……"
"閃いた!"
"えっ!? 食料が無限に!?"
"↑いい加減にしろ、お前ら"
自ら治療して立ち上がってくるとしても、その間は魔法攻撃はない。その他の攻撃――尻尾や爪や牙、さらにブレスは変わらず繰り出される。
しかし、もう恐れることはない。
丈二の一撃が決まった時点から、おれたちは陣形を整えていたのだ。
多様な攻撃に翻弄されるのは、今度は赤竜のほうだ。
「訓練通りやれよ、沢渡! 城島!」
『武田組』が同時に三方から仕掛ける。
彼らの持つ剣『ドラゴントゥース』は、竜鱗を貫き、肉を切り裂いていく。発動中の治療魔法が、傷をすぐ治していってしまうが、裂かれる痛みは消せないし、流れた血だって戻らない。
致命傷にはならなくても、もはや無視できない煩わしさだろう。赤竜は『武田組』を排除しようと、勢いをつけて体を一回転。巨大な尻尾で一掃しようとする。
瞬間、おれは飛び出した。『武田組』は囮の役目を果たしてくれた。
大きく跳躍しつつ、背負った大剣を両手で抜く。
"モンスレさん!?"
"なんか背負ってると思ってたが、あれ剣だったのか!"
「もらったぁああ!」
尾撃に全力の斬撃を合わせる。
――ガアァアアア!!!
赤竜の悲鳴が耳をつんざく。
切断された尻尾があらぬ方向へ飛んでいく。
勢い余って地面に突き刺さった大剣を引き抜き、再び構える。
これが竜殺しの剣。
アダマントと竜の希少素材を組み合わせ、さらに、超一流の職人のみが知るという製法で鍛え上げた伝説級の剣だ。
その刃の斬撃のみならず、剣圧で竜鱗を切り裂いたという逸話さえある。
かつて、ギリオンが愛用していた物を借りたことがあるが、それと比べても遜色ない、見事な仕上がりだ。ミリアムはやはり、素晴らしい技術者だ。
"部位破壊完了!"
"これが、噂のドラゴンバスターか"
"ただの無骨な大剣っぽいのに、一番威力があるんじゃないのか"
"なんのギミックもなくて地味だけど"
"いいや、ただ強いだけの剣もいいもんだ"
"なんのギミックがなくても最強ってのはロマンだろ"
赤竜は変わらず治療魔法をかけ続けるが、尻尾は再生しない。傷口がふさがり、血が止まるだけだ。切り傷や刺し傷は治せても、失った部位は戻らないのだ。
魔法攻撃に続いて、これで尾撃も潰した。もはや赤竜の攻撃手段は半減だ。
すかさず結衣や丈二が、それぞれの武器の機能を発揮して追撃。さらにロザリンデとフィリア、『武田組』が魔法攻撃で援護。
このままでも押しきれなくはないが、長期戦になればなにが起こるかわからない。他の竜が乱入してくる可能性だってある。
おれは魔力を集中する。
「次でトドメを刺す! フィリアさん、魔力を貸してくれ!」
「もちろんです!」
フィリアが攻撃の手を止めて、駆けつけてくれる。
他のみんなが赤竜を翻弄している隙に、ふたりで竜殺しの剣の柄を握りしめる。
ふたり分の魔力が刃に伝導し、光り輝いていく。
剣の威力を引き上げる強化魔法だ。
狙うは、確実に息の根を止められる急所――頭だ。
「いくよ、フィリアさん!」
「はい、いきます!」
ふたりで剣を握ったまま、赤竜へ飛びかかる。
赤竜は咄嗟に、こちらへ向けて口を開いた。炎のブレス。
怯みはしない。
吹き付けられた業火へ、剣を振り下ろす。
凄まじい剣圧が炎を切り裂く。
その勢いのままおれとフィリアは前進しながら空中で一回転。
赤竜の眉間に、竜殺しの剣を叩き込んだ――!
体格差ゆえ致命傷にまでは至らない。しかし、丈二の魔槍はここからが本領発揮だ。
「電撃呪縛!」
槍に帯電していた魔力が、刃先から赤竜の体内へ放たれる。
さながら竜の咆哮のような轟音。
この魔槍の魔力回路には、特定の魔法効果は刻まれていない。所持者が使用する魔力の威力を大きく増幅して刃先から放つ効果がある。
天才とまでは言えないが、もともと魔法に才能のある丈二だ。相手の特性に応じて最適で最大の攻撃を繰り出すことができる。
とはいえ増幅したとしても、さすがにひとり分の魔力。緑竜を仕留めたときほどの威力は出ない。
だがそれでも充分だ。高熱や冷気なら、赤竜は耐えられただろう。しかし電撃だけはどうにもならない。神経に流れた電気は体を一時麻痺させ、強制的に行動を抑える。生物である以上、逃れることはできない。
そして、それに伴う激痛は、魔法を扱う集中力さえ途切れさせる。
この一瞬、赤竜の一切の攻撃が途絶えたのだ。
"止まった!"
"武器名と魔法名叫ぶノリ、嫌いじゃないぜ!"
"チャンス!"
"いけいけいけー!"
"たたみかけろ!"
赤竜はすぐ復活し、丈二に爪を振り下ろそうとする。
もう遅い。丈二はすでに槍を抜いて退避している。
代わりに、結衣が踏み込もうとしていた。爆発魔法を受け続け、距離が離れてしまっている。彼女の間合いではない。だが赤竜は脅威を感じたか、一歩退いて迎撃の構え。
その背後を、吾郎たちが強襲。赤竜の注意が散漫になる。
そして紗夜は弓矢を構えていた。全力の変身魔法で、弓はすでに大型化。勢い余って魔法少女の姿に変わっている。
引き絞るのは、ミリアム謹製の大型の矢――屠竜の矢。
『超越の7人』のひとり、竜退治の専門家『屠竜騎士』ギリオンの名を冠した矢だ。
"紗夜ちゃん変身してる!?"
"本気モードだ!"
"いけ、貫け!"
放たれた一矢は、先に丈二が槍で穿った胸の傷跡に直撃した。
赤竜の背後の岩壁に、屠竜の矢が突き刺さる。
"やった!"
"貫いたぞ!"
"急所!? 急所だよな!? 心臓だよな!?"
――グガッ!? アァアア!?
赤竜が吐血する。
心臓を貫かれた赤竜は、しかし、未だ倒れない。魔力の光が輝く。みるみるうちに、胸の傷が再生していく。
"治療魔法か!"
"こいつ、まだ戦う気かよ!"
"待てよ? 肉を裂いても、治療魔法を使えば再生するなら……"
"閃いた!"
"えっ!? 食料が無限に!?"
"↑いい加減にしろ、お前ら"
自ら治療して立ち上がってくるとしても、その間は魔法攻撃はない。その他の攻撃――尻尾や爪や牙、さらにブレスは変わらず繰り出される。
しかし、もう恐れることはない。
丈二の一撃が決まった時点から、おれたちは陣形を整えていたのだ。
多様な攻撃に翻弄されるのは、今度は赤竜のほうだ。
「訓練通りやれよ、沢渡! 城島!」
『武田組』が同時に三方から仕掛ける。
彼らの持つ剣『ドラゴントゥース』は、竜鱗を貫き、肉を切り裂いていく。発動中の治療魔法が、傷をすぐ治していってしまうが、裂かれる痛みは消せないし、流れた血だって戻らない。
致命傷にはならなくても、もはや無視できない煩わしさだろう。赤竜は『武田組』を排除しようと、勢いをつけて体を一回転。巨大な尻尾で一掃しようとする。
瞬間、おれは飛び出した。『武田組』は囮の役目を果たしてくれた。
大きく跳躍しつつ、背負った大剣を両手で抜く。
"モンスレさん!?"
"なんか背負ってると思ってたが、あれ剣だったのか!"
「もらったぁああ!」
尾撃に全力の斬撃を合わせる。
――ガアァアアア!!!
赤竜の悲鳴が耳をつんざく。
切断された尻尾があらぬ方向へ飛んでいく。
勢い余って地面に突き刺さった大剣を引き抜き、再び構える。
これが竜殺しの剣。
アダマントと竜の希少素材を組み合わせ、さらに、超一流の職人のみが知るという製法で鍛え上げた伝説級の剣だ。
その刃の斬撃のみならず、剣圧で竜鱗を切り裂いたという逸話さえある。
かつて、ギリオンが愛用していた物を借りたことがあるが、それと比べても遜色ない、見事な仕上がりだ。ミリアムはやはり、素晴らしい技術者だ。
"部位破壊完了!"
"これが、噂のドラゴンバスターか"
"ただの無骨な大剣っぽいのに、一番威力があるんじゃないのか"
"なんのギミックもなくて地味だけど"
"いいや、ただ強いだけの剣もいいもんだ"
"なんのギミックがなくても最強ってのはロマンだろ"
赤竜は変わらず治療魔法をかけ続けるが、尻尾は再生しない。傷口がふさがり、血が止まるだけだ。切り傷や刺し傷は治せても、失った部位は戻らないのだ。
魔法攻撃に続いて、これで尾撃も潰した。もはや赤竜の攻撃手段は半減だ。
すかさず結衣や丈二が、それぞれの武器の機能を発揮して追撃。さらにロザリンデとフィリア、『武田組』が魔法攻撃で援護。
このままでも押しきれなくはないが、長期戦になればなにが起こるかわからない。他の竜が乱入してくる可能性だってある。
おれは魔力を集中する。
「次でトドメを刺す! フィリアさん、魔力を貸してくれ!」
「もちろんです!」
フィリアが攻撃の手を止めて、駆けつけてくれる。
他のみんなが赤竜を翻弄している隙に、ふたりで竜殺しの剣の柄を握りしめる。
ふたり分の魔力が刃に伝導し、光り輝いていく。
剣の威力を引き上げる強化魔法だ。
狙うは、確実に息の根を止められる急所――頭だ。
「いくよ、フィリアさん!」
「はい、いきます!」
ふたりで剣を握ったまま、赤竜へ飛びかかる。
赤竜は咄嗟に、こちらへ向けて口を開いた。炎のブレス。
怯みはしない。
吹き付けられた業火へ、剣を振り下ろす。
凄まじい剣圧が炎を切り裂く。
その勢いのままおれとフィリアは前進しながら空中で一回転。
赤竜の眉間に、竜殺しの剣を叩き込んだ――!
24
お気に入りに追加
689
あなたにおすすめの小説
私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアルティリアは、婚約者からある日突然婚約破棄を告げられた。
彼はアルティリアが上から目線だと批判して、自らの妻として相応しくないと判断したのだ。
それに対して不満を述べたアルティリアだったが、婚約者の意思は固かった。こうして彼女は、理不尽に婚約を破棄されてしまったのである。
そのことに関して、アルティリアは実の父親から責められることになった。
公にはなっていないが、彼女は妾の子であり、家での扱いも悪かったのだ。
そのような環境で父親から責められたアルティリアの我慢は限界であった。伯爵家に必要ない。そう言われたアルティリアは父親に告げた。
「私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。私はそれで構いません」
こうしてアルティリアは、新たなる人生を送ることになった。
彼女は伯爵家のしがらみから解放されて、自由な人生を送ることになったのである。
同時に彼女を虐げていた者達は、その報いを受けることになった。彼らはアルティリアだけではなく様々な人から恨みを買っており、その立場というものは盤石なものではなかったのだ。
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
【完結】悪気がないかどうか、それを決めるのは私です
楽歩
恋愛
「新人ですもの、ポーションづくりは数をこなさなきゃ」「これくらいできなきゃ薬師とは言えないぞ」あれ?自分以外のポーションのノルマ、夜の当直、書類整理、薬草管理、納品書の作成、次々と仕事を回してくる先輩方…。た、大変だわ。全然終わらない。
さらに、共同研究?とにかくやらなくちゃ!あともう少しで採用されて1年になるもの。なのに…室長、首ってどういうことですか!?
人見知りが激しく外に出ることもあまりなかったが、大好きな薬学のために自分を奮い起こして、薬師となった。高価な薬剤、効用の研究、ポーションづくり毎日が楽しかった…はずなのに…
※誤字脱字、勉強不足、名前間違い、ご都合主義などなど、どうか温かい目で(o_ _)o))中編くらいです。
二人目の妻に選ばれました
杉本凪咲
恋愛
夫の心の中には、いつまでも前妻の面影が残っていた。
彼は私を前妻と比べ、容赦なく罵倒して、挙句の果てにはメイドと男女の仲になろうとした。
私は抱き合う二人の前に飛び出すと、離婚を宣言する。
カフェノートで二十二年前の君と出会えた奇跡(早乙女のことを思い出して
なかじまあゆこ
青春
カフェの二階でカフェノートを見つけた早乙女。そのノートに書かれている内容が楽しくて読み続けているとそれは二十二年前のカフェノートだった。 そして、何気なくそのノートに書き込みをしてみると返事がきた。 これってどういうこと? 二十二年前の君と早乙女は古いカフェノートで出会った。 ちょっと不思議で切なく笑える青春コメディです。それと父との物語。内容は違いますがわたしの父への思いも込めて書きました。
どうぞよろしくお願いします(^-^)/
兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜
藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。
__婚約破棄、大歓迎だ。
そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った!
勝負は一瞬!王子は場外へ!
シスコン兄と無自覚ブラコン妹。
そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。
周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!?
短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています
カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。
心が読める令嬢は冷酷非道?な公爵様に溺愛されました
光子
恋愛
亡くなった母の代わりに、後妻としてやって来たお義母様と、連れ子であるお義姉様は、前妻の子である平凡な容姿の私が気に食わなかった。
新しい家族に邪魔者は不要だと、除け者にし、最終的には、お金目当てで、私の結婚を勝手に用意した。
ーー《アレン=ラドリエル》、別名、悪魔の公爵ーー
敵味方関係無く、自分に害があると判断した者に容赦なく罰を与え、ある時は由緒正しい伯爵家を没落させ、ある時は有りもしない罪をでっち上げ牢獄に落とし、ある時は命さえ奪うーーー冷酷非道、血も涙も無い、まるで悪魔のような所業から、悪魔の公爵と呼ばれている。
そんな人が、私の結婚相手。
どうせなら、愛のある結婚をして、幸せな家庭を築いてみたかったけど、それももう、叶わない夢……。
《私の大切な花嫁ーーー世界一、幸せにしよう》
「え……」
だけど、彼の心から聞こえてきた声は、彼の噂とは全く異なる声だった。
死んでしまったお母様しか知らない、私の不思議な力。
ーーー手に触れた相手の心を、読む力ーーー
素直じゃない口下手な私の可愛い旦那様。
旦那様が私を溺愛して下さるなら、私も、旦那様を幸せにしてみせます。
冷酷非道な旦那様、私が理想的な旦那様に生まれ変わらせてみせます。
不定期更新。
この作品は私の考えた世界の話です。魔物もいます。魔法も不思議な力もあります。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。
愛されなければお飾りなの?
まるまる⭐️
恋愛
リベリアはお飾り王太子妃だ。
夫には学生時代から恋人がいた。それでも王家には私の実家の力が必要だったのだ。それなのに…。リベリアと婚姻を結ぶと直ぐ、般例を破ってまで彼女を側妃として迎え入れた。余程彼女を愛しているらしい。結婚前は2人を別れさせると約束した陛下は、私が嫁ぐとあっさりそれを認めた。親バカにも程がある。これではまるで詐欺だ。
そして、その彼が愛する側妃、ルルナレッタは伯爵令嬢。側妃どころか正妃にさえ立てる立場の彼女は今、夫の子を宿している。だから私は王宮の中では、愛する2人を引き裂いた邪魔者扱いだ。
ね? 絵に描いた様なお飾り王太子妃でしょう?
今のところは…だけどね。
結構テンプレ、設定ゆるゆるです。ん?と思う所は大きな心で受け止めて頂けると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる