72 / 182
第72話 計画的に告白しようとは考えてるんです
しおりを挟む
「なんでおれがフィリアさんを好きって知ってるんです?」
「それはもう、見ていれば。ごめんなさいね、お節介なお話で」
「いえ……いいのですけど……」
「本当、老婆心てこのことね。見ていられなくなってしまうの。お互いに想い合っていたのに、好きの一言が言えないばかりに、繋がりが途切れてしまった人もいたから……あなたたちには、そうなって欲しくなくて」
華子婆さんの声は、古い思い出を懐かしむような、どこか寂しさを滲ませたものだった。
おれたちの仕事が危険を伴うものだと知っているからこそ、言わずにはいられなかったのだろう。
「それに、ね。やっぱり、人と人とが繋がるのは素敵なことだもの。それがわたしの大切なお友達同士ならなおさらだわ」
おれは周囲を見渡してしまう。今は他に誰もいないことはわかっているのに。
「実は、何度か勢いで告白しそうになったことはあります」
「しなかったのは、どうして?」
「考えもなく勢いで突っ込むと大抵失敗するので……。フィリアさんの気持ちも、ハッキリとはわかりませんし……」
「ふうん……」
華子婆さんは意味深な笑みを浮かべるのみだ。
「一応、計画的に告白しようとは考えてるんです」
「絶対にイエスって言ってもらえるように、ベタ惚れさせちゃう計画?」
「いや、そんな大袈裟――でも、ないか。計画ですもんね」
「どんな計画なの?」
「まだ、白紙です……」
「あらあら」
「でも、はい。ちゃんと考えておきます」
「ええ、そうしてくれたら、わたしも安心だわ」
華子婆さんは穏やかに笑う。
そんなところで、スマホにリマインダー通知があった。
「あ、すみません。そろそろ行ってきます」
「ええ、いってらっしゃい」
おれは家を出て、迷宮前のプレハブ事務所へ向かった。
「いらっしゃいましたか、一条さん」
「お疲れ様、拓斗くん」
丈二と美幸に出迎えられる。
美幸はすっかり仕事が板につき、いかにも冒険者ギルドの受付嬢といった雰囲気だ。男性冒険者からの受けもよく、たまにナンパもされるそうだ。
「ふたりとも数日ぶり。あれからどんな様子?」
「各種情報は冊子にまとめて、各パーティにお配りしておりますよ」
その冊子を渡してくれる。
確認済みの魔物の特徴、弱点、食用の可否に、いくつかのレシピ。把握している範囲の地図には、水場に封魔銀鉱脈の位置が書かれていて、食べられる野草や果物の記載もある。ほぼすべて写真付きだ。
「ありがとう、吸血鬼の件も書いてくれてるね」
「もちろん超重要事項として記載しました。それらしき気配を察したらすぐ引き返して報告するようにも」
「よかった。例の毒の解毒剤は?」
「もう少しかかりそうです。下級吸血鬼の絶対数が少ないとあっては、無駄になるかもしれませんが」
「必要になるよりはマシだよ」
「ですね」
「美幸さん、第2階層大規模調査依頼って、もう出しましたよね? どれくらい集まってくれました?」
「こちらが選抜したパーティはほとんど受けてくれるみたい。そういえば例の吾郎さん、選抜パーティに選ばれなくて悔しがってたわ」
「あはは。メンバーがまだレベル2じゃなかったからね。でもまあ、調査開始は少し先だし、まだチャンスはあるかも」
「そう伝えておいたわ。今日も特訓だって、メンバーの子たちを引きずって行ったのよ」
「張り切ってるなあ、吾郎さん」
「拓斗くんにライバル心を抱いてるのね」
「ライバルなら、よかった。おれ、嫌われてるのかと思ってたんですよ」
「拓斗くん、基本鋭いのに自分に向けられる感情には鈍いところあるから……」
美幸さんは頬杖をついて、ため息ひとつ。意味深な視線を向けられる。呆れさせてしまったかもしれない。
もっとおれが鋭ければ、フィリアの気持ちもわかっただろうし、華子婆さんにも心配されることもなかっただろう。
告白計画、ちゃんと考えておかないとな……。
でもその前に、第2階層にある不安を払拭しておきたい。
「さて、そろそろ行こうか丈二さん」
「ええ、いつでも」
丈二は冒険用のバックパックを持ち上げてみせた。おれは家から背負ってきている。
今日の装備は、あえて銃器。剣や槍は持ってきていない。今回の目的では、いずれ使い物にならなくなってしまうから、もったいない。
そしてフィリアはパーティから外れてもらっている。今頃は紗夜に請われて、魔法を教えてあげていることだろう。
「しかし上級吸血鬼への対策が、封魔銀とは。先に鉱脈を見つけられていて運がよかったですね」
「上手く持ち帰れるかが問題だけどね」
おれたちはさっそく迷宮へ出発した。
◇
紗夜は魔法講座で配られたテキストに記載の魔法は、もう全部使えるようになっていた。
そこでフィリアに、次の段階の魔法について個人講義をお願いしたのだ。
結衣も一緒に来てくれていて、周囲の魔物を警戒したり、必要なら動画の撮影もしてくれている。
でも、もう頼まれても魔法少女の衣装は着ない。荷物に持たされてしまったし、結衣があわよくばと狙っているのもわかるが、あんな恥ずかしい衣装はもうやだ。
どうせなら、黒を基調とした、とんがり帽子とローブで格好良く決めたい。自分の戦闘スタイルには合わない格好だけど。
「はい、よくできました葛城様。やはり才能がありますっ!」
両手を胸元で合わせつつ、フィリアが褒めてくれる。
習ったのは、火球を飛ばす初歩の攻撃魔法。いよいよ魔法使いらしくなってきてワクワクする。
「ありがとうございますっ、えへへっ、フィリア先生の教え方がいいからですっ」
褒められると本当に嬉しい。
今はもういない姉に、褒められたときもそうだった。
「それじゃ次は――えっ!?」
一瞬目を疑った。フィリアの背後、かなり遠くだが、よく見知った人影が通り過ぎたのだ。
「……お姉ちゃん……?」
フィリアも結衣も怪訝そうな顔をする。けれど、そんなこと気にしていられない。
「お姉ちゃん! 待って、お姉ちゃん!」
すぐさま紗夜は走り出した。
わかっている。姉はもう死んでいる。
でも……でも! ここは迷宮だ。アニメみたいに魔物がいて、魔法もある。まるで異世界。
だったら、アニメみたいに、死んだ人が異世界転生しているかもしれない。
そして、転生してたなら、ここに来ることだって、あるかもしれない!
「葛城様! いけません、落ち着いてください!」
追いかけてくるフィリアの声を無視して、紗夜は走った。
「それはもう、見ていれば。ごめんなさいね、お節介なお話で」
「いえ……いいのですけど……」
「本当、老婆心てこのことね。見ていられなくなってしまうの。お互いに想い合っていたのに、好きの一言が言えないばかりに、繋がりが途切れてしまった人もいたから……あなたたちには、そうなって欲しくなくて」
華子婆さんの声は、古い思い出を懐かしむような、どこか寂しさを滲ませたものだった。
おれたちの仕事が危険を伴うものだと知っているからこそ、言わずにはいられなかったのだろう。
「それに、ね。やっぱり、人と人とが繋がるのは素敵なことだもの。それがわたしの大切なお友達同士ならなおさらだわ」
おれは周囲を見渡してしまう。今は他に誰もいないことはわかっているのに。
「実は、何度か勢いで告白しそうになったことはあります」
「しなかったのは、どうして?」
「考えもなく勢いで突っ込むと大抵失敗するので……。フィリアさんの気持ちも、ハッキリとはわかりませんし……」
「ふうん……」
華子婆さんは意味深な笑みを浮かべるのみだ。
「一応、計画的に告白しようとは考えてるんです」
「絶対にイエスって言ってもらえるように、ベタ惚れさせちゃう計画?」
「いや、そんな大袈裟――でも、ないか。計画ですもんね」
「どんな計画なの?」
「まだ、白紙です……」
「あらあら」
「でも、はい。ちゃんと考えておきます」
「ええ、そうしてくれたら、わたしも安心だわ」
華子婆さんは穏やかに笑う。
そんなところで、スマホにリマインダー通知があった。
「あ、すみません。そろそろ行ってきます」
「ええ、いってらっしゃい」
おれは家を出て、迷宮前のプレハブ事務所へ向かった。
「いらっしゃいましたか、一条さん」
「お疲れ様、拓斗くん」
丈二と美幸に出迎えられる。
美幸はすっかり仕事が板につき、いかにも冒険者ギルドの受付嬢といった雰囲気だ。男性冒険者からの受けもよく、たまにナンパもされるそうだ。
「ふたりとも数日ぶり。あれからどんな様子?」
「各種情報は冊子にまとめて、各パーティにお配りしておりますよ」
その冊子を渡してくれる。
確認済みの魔物の特徴、弱点、食用の可否に、いくつかのレシピ。把握している範囲の地図には、水場に封魔銀鉱脈の位置が書かれていて、食べられる野草や果物の記載もある。ほぼすべて写真付きだ。
「ありがとう、吸血鬼の件も書いてくれてるね」
「もちろん超重要事項として記載しました。それらしき気配を察したらすぐ引き返して報告するようにも」
「よかった。例の毒の解毒剤は?」
「もう少しかかりそうです。下級吸血鬼の絶対数が少ないとあっては、無駄になるかもしれませんが」
「必要になるよりはマシだよ」
「ですね」
「美幸さん、第2階層大規模調査依頼って、もう出しましたよね? どれくらい集まってくれました?」
「こちらが選抜したパーティはほとんど受けてくれるみたい。そういえば例の吾郎さん、選抜パーティに選ばれなくて悔しがってたわ」
「あはは。メンバーがまだレベル2じゃなかったからね。でもまあ、調査開始は少し先だし、まだチャンスはあるかも」
「そう伝えておいたわ。今日も特訓だって、メンバーの子たちを引きずって行ったのよ」
「張り切ってるなあ、吾郎さん」
「拓斗くんにライバル心を抱いてるのね」
「ライバルなら、よかった。おれ、嫌われてるのかと思ってたんですよ」
「拓斗くん、基本鋭いのに自分に向けられる感情には鈍いところあるから……」
美幸さんは頬杖をついて、ため息ひとつ。意味深な視線を向けられる。呆れさせてしまったかもしれない。
もっとおれが鋭ければ、フィリアの気持ちもわかっただろうし、華子婆さんにも心配されることもなかっただろう。
告白計画、ちゃんと考えておかないとな……。
でもその前に、第2階層にある不安を払拭しておきたい。
「さて、そろそろ行こうか丈二さん」
「ええ、いつでも」
丈二は冒険用のバックパックを持ち上げてみせた。おれは家から背負ってきている。
今日の装備は、あえて銃器。剣や槍は持ってきていない。今回の目的では、いずれ使い物にならなくなってしまうから、もったいない。
そしてフィリアはパーティから外れてもらっている。今頃は紗夜に請われて、魔法を教えてあげていることだろう。
「しかし上級吸血鬼への対策が、封魔銀とは。先に鉱脈を見つけられていて運がよかったですね」
「上手く持ち帰れるかが問題だけどね」
おれたちはさっそく迷宮へ出発した。
◇
紗夜は魔法講座で配られたテキストに記載の魔法は、もう全部使えるようになっていた。
そこでフィリアに、次の段階の魔法について個人講義をお願いしたのだ。
結衣も一緒に来てくれていて、周囲の魔物を警戒したり、必要なら動画の撮影もしてくれている。
でも、もう頼まれても魔法少女の衣装は着ない。荷物に持たされてしまったし、結衣があわよくばと狙っているのもわかるが、あんな恥ずかしい衣装はもうやだ。
どうせなら、黒を基調とした、とんがり帽子とローブで格好良く決めたい。自分の戦闘スタイルには合わない格好だけど。
「はい、よくできました葛城様。やはり才能がありますっ!」
両手を胸元で合わせつつ、フィリアが褒めてくれる。
習ったのは、火球を飛ばす初歩の攻撃魔法。いよいよ魔法使いらしくなってきてワクワクする。
「ありがとうございますっ、えへへっ、フィリア先生の教え方がいいからですっ」
褒められると本当に嬉しい。
今はもういない姉に、褒められたときもそうだった。
「それじゃ次は――えっ!?」
一瞬目を疑った。フィリアの背後、かなり遠くだが、よく見知った人影が通り過ぎたのだ。
「……お姉ちゃん……?」
フィリアも結衣も怪訝そうな顔をする。けれど、そんなこと気にしていられない。
「お姉ちゃん! 待って、お姉ちゃん!」
すぐさま紗夜は走り出した。
わかっている。姉はもう死んでいる。
でも……でも! ここは迷宮だ。アニメみたいに魔物がいて、魔法もある。まるで異世界。
だったら、アニメみたいに、死んだ人が異世界転生しているかもしれない。
そして、転生してたなら、ここに来ることだって、あるかもしれない!
「葛城様! いけません、落ち着いてください!」
追いかけてくるフィリアの声を無視して、紗夜は走った。
12
お気に入りに追加
689
あなたにおすすめの小説
地球にダンジョンができたと思ったら俺だけ異世界へ行けるようになった
平尾正和/ほーち
ファンタジー
地球にダンジョンができて10年。
そのせいで世界から孤立した日本だったが、ダンジョンから採れる資源や魔素の登場、魔法と科学を組み合わせた錬金術の発達により、かつての文明を取り戻した。
ダンジョンにはモンスターが存在し、通常兵器では倒せず、ダンジョン産の武器が必要となった。
そこでそういった武器や、新たに発見されたスキルオーブによって得られる〈スキル〉を駆使してモンスターと戦う冒険者が生まれた。
ダンジョン発生の混乱で家族のほとんどを失った主人公のアラタは、当時全財産をはたいて〈鑑定〉〈収納〉〈翻訳〉〈帰還〉〈健康〉というスキルを得て冒険者となった。
だが冒険者支援用の魔道具『ギア』の登場により、スキルは大きく価値を落としてしまう。
底辺冒険者として活動を続けるアラタは、雇い主であるAランク冒険者のジンに裏切られ、トワイライトホールと呼ばれる時空の切れ目に飛び込む羽目になった。
1度入れば2度と戻れないその穴の先には、異世界があった。
アラタは異世界の人たちから協力を得て、地球との行き来ができるようになる。
そしてアラタは、地球と異世界におけるさまざまなものの価値の違いを利用し、力と金を手に入れ、新たな人生を歩み始めるのだった。
才能オールF冒険者の俺は遭難してバリア魔法が覚醒した~胸糞NTRされたヒロインが嫁になった上、むかつくあいつはざまあされる~
ぐうのすけ
ファンタジー
※注意 胸糞NTRのダークファンタジー要素有り
現代に異界が出現して魔力が溢れ人類は覚醒した。
それから5年が経ち、冒険者高校の卒業をまじかに控えた仙道優也は無能と馬鹿にされながらも異界探索に向かう。
そこで突如、大量のモンスターが発生しクラスメートを襲う。モンスターの群れに飛び込みクラスメートを助ける優也だったがクラスメートは優也をおとりにしてその場から逃げ出した。
遭難し、力尽きかけた優也の前にタワーが出現し、そこに避難する。
「そうか、クズを助けても意味がない!俺が馬鹿だった!」
攻撃スキルを持たない優也のスキルが覚醒し、成長していく。
キツネ耳の不思議な女性、雪女のような女性、幼馴染、ギルドの受付嬢を助け、ハーレムを築いていく。
一方優也をバカにしていたクラスメートの勇也は衰退し追い詰められていく
最弱のオールFランクが覚醒して成り上がる現代ダークファンタジーが今始まる!
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
勇者召喚に巻き込まれたモブキャラの俺。女神の手違いで勇者が貰うはずのチートスキルを貰っていた。気づいたらモブの俺が世界を救っちゃってました。
つくも
ファンタジー
主人公——臼井影人(うすいかげと)は勉強も運動もできない、影の薄いどこにでもいる普通の高校生である。
そんな彼は、裏庭の掃除をしていた時に、影人とは対照的で、勉強もスポーツもできる上に生徒会長もしている——日向勇人(ひなたはやと)の勇者召喚に巻き込まれてしまった。
勇人は異世界に旅立つより前に、女神からチートスキルを付与される。そして、異世界に召喚されるのであった。
始まりの国。エスティーゼ王国で目覚める二人。当然のように、勇者ではなくモブキャラでしかない影人は用無しという事で、王国を追い出された。
だが、ステータスを開いた時に影人は気づいてしまう。影人が勇者が貰うはずだったチートスキルを全て貰い受けている事に。
これは勇者が貰うはずだったチートスキルを手違いで貰い受けたモブキャラが、世界を救う英雄譚である。
※他サイトでも公開
家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~
芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。
駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。
だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。
彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。
経験値も金にもならないこのダンジョン。
しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。
――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?
無能は不要とSランクパーティを追放された最弱ジョブの【アイテム師】。だが奴らは【複製】【融合】【付与】などチートスキル持ちの最強だと知らない
大田明
ファンタジー
フェイト・レイフォースはSランクパーティ、輝く風(シャイニングウィンド)に所属する【アイテム師】。
【アイテム師】とはこの世界で最弱と呼ばれる【ジョブ】。
フェイトは自分なりにパーティに貢献してきたつもりであったが……リーダのゲイツを始め、他のメンバーたちもフェイトはパーティに必要無いと、突然追放を宣言する。
理由は【アイテム師】だから。
ゲイツは最弱である【アイテム師】などという無能は必要ないと断言し、フェイトをダンジョン深くに放置して仲間たちと帰還してしまう。
だがフェイトは無能とは程遠い、超有能人材。
これまではゲイツたちに気を使っていたが、自分の力を解放しようと決意する。
普通の【アイテム師】では習得できるはずのないチートスキル、【複製】【融合】【付与】。
これらの力を発揮した時、フェイトの力は最強へと進化する。
いきなり始まるフェイトの最強人生。
ゲイツたちはまだ知らない。
有能で最強の人材を逃がし、そしてこれから待ち受ける自分たちの運命に。
これは最弱でありながら最強となった【アイテム師】の物語である。
異世界勇者召喚失敗か?
どら焼き
ファンタジー
失敗国王✕ダメ王子✕クソ勇者
とてつもない化学反応がすると、危険が危険だとわかるから退避だ!
大縁 増田(おおべ ますた)は、実は超有名の一族になっていないといけないはずの者だった。
今から1500年前に、大妖怪、大邪霊、大悪魔を朝廷(政府)の帝(みかど)の拒否できない命令によって、誰もやりたがらない討伐と封印の仕事をすることになった、大縁(おおべ)家。
この命令のを完遂した暁には、千五百年の宰相の地位就任と千五百年の日本の領地からの税の半分(つまり国家予算の半分)を千五百年与えるという約束をしたが、命がらがらなんとか先祖が封印した後は、大っぴらに賄賂を出さなかったという、聞けば無茶苦茶な理由で僻地へと強制勤務にさせられた大縁(おおべ)家。
なぜ?千五百年の国家予算の半分なんて話しになったのか?
それは、妖怪封印によって一族はエネルギーをずっと無理矢理出すことになり、やらなくてもいい不幸の生活をさせられる、補填、保障であった。
そして長き時間が経ち、ついに封印が解ける時がやって来た。
逃げる?いやお断りだね。
今の世界とそっくりだが、違う世界かもしれない地球で起こる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる