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8.お母さん
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今日は、メイク特集用の撮影ため、朝からスタジオに来ている。
途中、機材トラブルなんかがあったせいで随分時間が押していて、次に別のコーナーの撮影予定のモデルさんたちもすでに集まってきているみたい。
その中には、エマちゃんや桜井くんもいる。
うぅっ、ふたりに見られてるかもって思ったら、なんだかいつも以上に緊張しちゃうよ。
いやいや、こんなことくらいで緊張してる場合じゃないでしょ。
ちゃんと集中しなくっちゃ!
……などとぐるぐる考えていたら、編集長のいつになく緊張した声がスタジオ内に響いた。
「おはようございます、雪乃さん」
その声を合図に、みんなが一斉にスタジオの入り口の方を振り向くと、ひとりの長身の女性がゆっくりと入ってくるのが見えた。
「どう? うちの子の撮影は順調かしら?」
「じ、実は機材トラブルがありまして……」
うわわっ、女優の雪乃さんだ。
あんまり芸能界に詳しくないわたしでも知っているくらい、有名な女優さんだよ。
たしか、昔はファッション誌のモデルもやっていたとか。
うちの子っていうことは……ひょっとして、雪乃さんのお子さんも『Honey Bee』のモデルってこと??
雪乃さんの視線の先を追っていくと……うん?
その視線の先には桜井くんがいて、雪乃さんの姿をとらえた桜井くんが、苦虫を噛み潰したような表情をしている。
え、ちょっと待って。それじゃあ、雪乃さんが桜井くんのお母さんってこと!?
エマちゃんの方を見ると、『なに、そんなことも知らなかったの?』っていうあきれた顔をされてしまった。
そんなの、知ってるわけないじゃん!
「なんだか緊張感のない現場ね」
そんなことを言いながら、桜井くんの方へと近づいていく雪乃さん。
「こんなところで仕事をしているから、あなたの仕事もどんどんいいかげんになっていくんじゃないの? あなたがどうしてもって言うから許可したけれど、どうやら間違いだったみたいね」
雪乃さん――お母さんになにを言われても、桜井くんはぎゅっとこぶしを握りしめて黙ったまま。
桜井くんは、いつだって一生懸命で完ぺきだって、わたしは知ってるよ?
なのに、周りのスタッフもなにも言わない。
雪乃さんが大物だから? だから誰も桜井くんを助けられないの?
「あのっ……!」
気づいたら、わたしは雪乃さんの目の前に走り寄っていた。
「ああ、あなた。たしかこの前洸といっしょだった子ね」
ちらりと雪乃さんがわたしの方を見る。
(なにやってるの!?)と慌てるスタッフの空気を感じる。
けど、もうここまで来ちゃったんだから、あと戻りなんてできないよ。
「さ……洸くんは、いいかげんな仕事なんか絶対にしません。それどころか、洸くんはこんなわたしからだって、いつも以上の力を引きだしてくれたんです。そんな人が、いいかげんな気持ちで仕事をするなんてこと、絶対にありえませんっ」
「あなたになにがわかるの? わたしは洸の母親で、この子のことはずっと見てきたの」
そういえば、『親に無理やり俳優の仕事をやめさせられた』って……。
それってつまり、雪乃さんが、桜井くんから俳優の仕事を取りあげたってこと?
「……本当にちゃんと見ていたんですか? 洸くんが、今までなにを考えて必死に仕事をしてきたのか、本当にわかってますか? 洸くんは、きっと今でも……」
「おい、もうやめろ!」
桜井くんがわたしの右手をぐいっと引いて、雪乃さんの前から引き離そうとしたけど、必死に抵抗する。
「やだ、やめない。桜井くんだって……お母さんに、ちゃんと言いたいこと言いなよ。いつだってチャラチャラしてるクセに、なんでこんな大事なことだけ言えないの? 俳優の仕事、本当はやめたくなかったんでしょ!?」
「偉そうな口ばかり叩いて。あなたのこともよく知ってるわ。最近じゃあファッションページにもほとんど出ていないじゃない。洸の気まぐれで少し仕事が増えたからって、あなたの評価があがったわけではないのよ」
雪乃さんの言葉が、心にグサッと突き刺さる。
わたしは顔をうつむかせると、唇をぎゅっとかんで涙をこらえた。
そんなこと、改めて言われなくたって、自分が一番よくわかってるよ。
だけど……。
桜井くんと仕事をして、モデルという仕事の楽しさを思い出すことができた。
エマちゃんにガツンと言われて、モデルという仕事に対する覚悟が足りないと思い知らされた。
わたしだって、今までの甘えた自分のまま立ち止まっているわけじゃない。
しっかりと顔をあげて雪乃さんの顔を見つめると、わたしはもう一度口を開いた。
「じゃあ……わたしがもし『Honey Bee』の表紙を飾ることができたら、洸くんの話、ちゃんと聞いてもらえますか?」
「なにバカなこと言ってんだよ。おまえ、自分でなに言ってるかわかってんのか!?」
桜井くんが、慌ててわたしのことを止めに入る。
だけど、そんな桜井くんにはおかまいなしに、雪乃さんはふふっと笑い声を立てた。
「意外とおもしろいことを言うのね。あなた、ちゃんと自分の実力をわかっているの? いいわ。もし本当にできたら、いくらでも洸の話を聞いてあげる。その代わり、もしできなければ、あなたはモデルを引退すること。期限は、そうね……一年でどうかしら」
「……わかりました。それでいいです」
雪乃さんに挑戦的な瞳を向けられ、一瞬怖気づきそうになった自分をなんとか奮い立たせると、雪乃さんにそう返事した。
「おいっ、マジでなに勝手に約束してんだよ!」
桜井くんが、つかんだままのわたしの右手をぐいぐい引っ張る。
「これは、わたしと雪乃さんの賭けだから。だから、桜井くんは関係ない」
静かにそう言いながら、わたしの腕を引く桜井くんの手を引きはがした。
「どう考えたって関係なくないだろ! ユイは……ユイがいなかったら俺……」
「とにかく、約束は守ってもらうわよ」
とても美しく、そしてとても冷たい笑みを浮かべると、雪乃さんはきびすを返した。
「こんな賭け、無効だからな!!」
雪乃さんの背中に向かって大声で叫ぶ桜井くんの声が、しんと静まり返ったスタジオ内にむなしく響く。
雪乃さんは、そんな桜井くんの方を振り返ることなく、スタジオをあとにした。
途中、機材トラブルなんかがあったせいで随分時間が押していて、次に別のコーナーの撮影予定のモデルさんたちもすでに集まってきているみたい。
その中には、エマちゃんや桜井くんもいる。
うぅっ、ふたりに見られてるかもって思ったら、なんだかいつも以上に緊張しちゃうよ。
いやいや、こんなことくらいで緊張してる場合じゃないでしょ。
ちゃんと集中しなくっちゃ!
……などとぐるぐる考えていたら、編集長のいつになく緊張した声がスタジオ内に響いた。
「おはようございます、雪乃さん」
その声を合図に、みんなが一斉にスタジオの入り口の方を振り向くと、ひとりの長身の女性がゆっくりと入ってくるのが見えた。
「どう? うちの子の撮影は順調かしら?」
「じ、実は機材トラブルがありまして……」
うわわっ、女優の雪乃さんだ。
あんまり芸能界に詳しくないわたしでも知っているくらい、有名な女優さんだよ。
たしか、昔はファッション誌のモデルもやっていたとか。
うちの子っていうことは……ひょっとして、雪乃さんのお子さんも『Honey Bee』のモデルってこと??
雪乃さんの視線の先を追っていくと……うん?
その視線の先には桜井くんがいて、雪乃さんの姿をとらえた桜井くんが、苦虫を噛み潰したような表情をしている。
え、ちょっと待って。それじゃあ、雪乃さんが桜井くんのお母さんってこと!?
エマちゃんの方を見ると、『なに、そんなことも知らなかったの?』っていうあきれた顔をされてしまった。
そんなの、知ってるわけないじゃん!
「なんだか緊張感のない現場ね」
そんなことを言いながら、桜井くんの方へと近づいていく雪乃さん。
「こんなところで仕事をしているから、あなたの仕事もどんどんいいかげんになっていくんじゃないの? あなたがどうしてもって言うから許可したけれど、どうやら間違いだったみたいね」
雪乃さん――お母さんになにを言われても、桜井くんはぎゅっとこぶしを握りしめて黙ったまま。
桜井くんは、いつだって一生懸命で完ぺきだって、わたしは知ってるよ?
なのに、周りのスタッフもなにも言わない。
雪乃さんが大物だから? だから誰も桜井くんを助けられないの?
「あのっ……!」
気づいたら、わたしは雪乃さんの目の前に走り寄っていた。
「ああ、あなた。たしかこの前洸といっしょだった子ね」
ちらりと雪乃さんがわたしの方を見る。
(なにやってるの!?)と慌てるスタッフの空気を感じる。
けど、もうここまで来ちゃったんだから、あと戻りなんてできないよ。
「さ……洸くんは、いいかげんな仕事なんか絶対にしません。それどころか、洸くんはこんなわたしからだって、いつも以上の力を引きだしてくれたんです。そんな人が、いいかげんな気持ちで仕事をするなんてこと、絶対にありえませんっ」
「あなたになにがわかるの? わたしは洸の母親で、この子のことはずっと見てきたの」
そういえば、『親に無理やり俳優の仕事をやめさせられた』って……。
それってつまり、雪乃さんが、桜井くんから俳優の仕事を取りあげたってこと?
「……本当にちゃんと見ていたんですか? 洸くんが、今までなにを考えて必死に仕事をしてきたのか、本当にわかってますか? 洸くんは、きっと今でも……」
「おい、もうやめろ!」
桜井くんがわたしの右手をぐいっと引いて、雪乃さんの前から引き離そうとしたけど、必死に抵抗する。
「やだ、やめない。桜井くんだって……お母さんに、ちゃんと言いたいこと言いなよ。いつだってチャラチャラしてるクセに、なんでこんな大事なことだけ言えないの? 俳優の仕事、本当はやめたくなかったんでしょ!?」
「偉そうな口ばかり叩いて。あなたのこともよく知ってるわ。最近じゃあファッションページにもほとんど出ていないじゃない。洸の気まぐれで少し仕事が増えたからって、あなたの評価があがったわけではないのよ」
雪乃さんの言葉が、心にグサッと突き刺さる。
わたしは顔をうつむかせると、唇をぎゅっとかんで涙をこらえた。
そんなこと、改めて言われなくたって、自分が一番よくわかってるよ。
だけど……。
桜井くんと仕事をして、モデルという仕事の楽しさを思い出すことができた。
エマちゃんにガツンと言われて、モデルという仕事に対する覚悟が足りないと思い知らされた。
わたしだって、今までの甘えた自分のまま立ち止まっているわけじゃない。
しっかりと顔をあげて雪乃さんの顔を見つめると、わたしはもう一度口を開いた。
「じゃあ……わたしがもし『Honey Bee』の表紙を飾ることができたら、洸くんの話、ちゃんと聞いてもらえますか?」
「なにバカなこと言ってんだよ。おまえ、自分でなに言ってるかわかってんのか!?」
桜井くんが、慌ててわたしのことを止めに入る。
だけど、そんな桜井くんにはおかまいなしに、雪乃さんはふふっと笑い声を立てた。
「意外とおもしろいことを言うのね。あなた、ちゃんと自分の実力をわかっているの? いいわ。もし本当にできたら、いくらでも洸の話を聞いてあげる。その代わり、もしできなければ、あなたはモデルを引退すること。期限は、そうね……一年でどうかしら」
「……わかりました。それでいいです」
雪乃さんに挑戦的な瞳を向けられ、一瞬怖気づきそうになった自分をなんとか奮い立たせると、雪乃さんにそう返事した。
「おいっ、マジでなに勝手に約束してんだよ!」
桜井くんが、つかんだままのわたしの右手をぐいぐい引っ張る。
「これは、わたしと雪乃さんの賭けだから。だから、桜井くんは関係ない」
静かにそう言いながら、わたしの腕を引く桜井くんの手を引きはがした。
「どう考えたって関係なくないだろ! ユイは……ユイがいなかったら俺……」
「とにかく、約束は守ってもらうわよ」
とても美しく、そしてとても冷たい笑みを浮かべると、雪乃さんはきびすを返した。
「こんな賭け、無効だからな!!」
雪乃さんの背中に向かって大声で叫ぶ桜井くんの声が、しんと静まり返ったスタジオ内にむなしく響く。
雪乃さんは、そんな桜井くんの方を振り返ることなく、スタジオをあとにした。
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