68 / 90
第四章 領主夫人、母となる
12.波乱の晩餐
しおりを挟む
結局、言いたい言葉は最後まで飲み込んだお茶の席。気まずいままにお開きとなったその数時間後、また、避けては通れない晩餐への招待という形で、アイシャと顔を合わせることになったのだが─
「あら?セルジュったら、ロードルート先生とまだ連絡を取り合っているの?」
「…はい。」
「そう。セルジュは、ロードルート先生のお気に入りだったから…」
「…そのようなことは、」
「そうだわ!今度、セルジュが王都へ出て来る時には、一緒に先生のご機嫌伺いに行きましょう?生徒会の皆で伺えば、先生もきっと喜んで下さるわ!」
四人で座るテーブルに、アイシャのはしゃいだ声だけが響く。
(…本当、どうすればいいのよ、この空気。)
こちらも一応、晩餐が始まった当初はそれなりに努力した。いつもの夫婦二人きりとは違う、主賓二人を交えての席。それなりに頑張って話題を提供し、話も振っていた。けれど、どう頑張ってもアイシャは「私の知らないセルジュ」の話にシフトししようとするし、元から口数の少ないガイラスは積極的に会話に加わろうとはしない。
(…全く、子どもじゃないんだから…)
アイシャの行動の意味、それは恐らく、「私がしていたこと」の再現。セルジュとガイラスを侍らせて、三人での会話を楽しむ、私を会話から締め出したいんだろうけれど。
(…大失敗じゃない?結局、ガイラスも会話に入れなくなってるし。)
それでも時々、頑張ってガイラスには話を振っているアイシャだが、元より、セルジュとガイラスには親交がない。共通する話題も無いために、結果として、アイシャの会話にセルジュが相槌を打つだけという図式が成り立ってしまっている。
居たたまれない空気の中、ふと思い出した記憶があった。それを、話題としてガイラスに振ってみる。
「…あの、騎士団長閣下。」
「…何だろうか?アンブロス夫人。」
「以前、閣下からお聞きしたことのある翼竜のことなんですが…」
「翼竜?」
「はい。」
言いながら、思い出す。過去、魔物の脅威を伝えるために彼らが私に語ったこと。
「…十数年前、王都が翼竜に襲撃されたお話、されていましたよね?」
「ああ。あれか。…確かに、そのような話をした覚えがある。」
「その翼竜って、どう処分されたんでしょうか?」
「なに…?」
訝し気な視線、言葉遣いに気を配りながら、何とか聞きたいことを口にする。
「確か、翼竜は氷魔術により撃退されたって仰っていましたよね?でしたら、その亡骸も比較的きれい、…原型は留めていたんでしょう?」
「…」
「あー、えっと、ですので、その討伐された翼竜の亡骸は、その後、どうされたのかなと…」
どう言葉を選んでも物騒にしかならない話に、セルジュへと視線を向ける。セルジュが一つ頷いて、代わりに言葉を紡ぐ。
「騎士団長閣下。アンブロス領では、現在、討伐した魔物の素材について、有効な活用方法が無いかを模索しております。過去、王都で同様の事例があればご教示頂けないでしょうか?」
「…魔物の素材…」
思わずという風に呟かれた言葉。一瞬、呆気にとられたように見えたガイラスは、けれど、直ぐにその表情を消し去る。
「…王都の翼竜に関しては、未だ凍結されたまま、王城の地下に保管されていると聞く。」
「では…」
「ああ…、卿らの参考にはならないだろう。」
言って、暫く考え込んだ様子のガイラスが再び口を開いた。
「ただ…、以前、その翼竜を研究調査したいという申し出をして来た者がいた。」
「研究…?」
「ああ。…確か、魔物の生態を研究対象としている学者だったか。…殿下が研究の許可を出していたな。」
「では…」
少しだけ生まれた期待。もし、魔物の生態、身体の構造にも詳しい人がいれば─
「あの!騎士団長閣下、その方をご紹介頂くことは可能でしょうか?」
「ああ。構わない。…王都に戻り次第、」
言いかけたガイラスの言葉は、突如響いた大きな物音に阻まれた。
(え…?)
視界に映るのは、ガイラスの隣、椅子を押し倒して立ち上がったアイシャの姿。
「…アイシャ?どう、」
「ごめんなさい、ガイラス。私、気分が良くないみたい。」
「…では、」
「セルジュ、部屋まで送って下さるかしら?」
(は…?)
あまりにも無作法な言動、百歩譲って突然の体調不良を認めるとしても、ここでセルジュを指名する意味が分からない。
「…アイシャ、部屋に戻るなら、私が、」
「いいえ。ガイラスは巫女様と大切なお話の最中でしょう?…行きましょう、セルジュ?」
立ち上がりかけたガイラスの言葉を遮って、セルジュの名を呼ぶアイシャ。セルジュが動かないのを見てとると、そのまま、晩餐室を出て行こうとする。
「待て、アイシャ…!」
「…閣下。私が追いかけます。」
「いや、しかし、卿に迷惑をかけるわけには…」
「部屋までお連れするだけですから。…部屋付きの者に任せてまいります。」
「…すまない。」
心底申し訳なさそうにするガイラスに軽く頭を下げて、セルジュがアイシャの後を追う。その一連の流れを茫然と見送って、ふと、向けられている視線に気づいた。
「…夫人にも、妻が失礼な真似をした。すまない。」
「…いいえ。」
それ以外、どう答えればいいと言うのか。
(…と言うか、この場はこれからどうすれば…?)
給仕の人間が居るとはいえ、気まずい空気に二人残されて、頭をフル回転させる。
(…ああ、そうだった。)
思い出したのは話の続き。
「…あの、それで、先ほどの生物学者?の方については…?」
「…ああ。王都に戻り次第、連絡先を確かめて知らせよう。」
「ありがとうございます…」
あっさりと終了した会話。これ以上、特に語り合うこともなく、目の前の食事を一刻も早く終えることだけを考えてしまう。
(…ごめん、ベティさん。)
この日のために下準備から気合を入れてくれていた料理長のベティさんに、内心で頭を下げる。
伏せたままの顔、再び視線を感じて顔を上げれば─
「…」
「…あの、何か?」
ガイラスのもの言いたげな視線。その視線の意味を問う。
「…アンブロス夫人…」
「?」
「…あなたは、今、幸せだろうか…?」
「…」
何故、彼が私にそんなことを尋ねるのか。尋ねるまでもないだろう愚問に笑う。
「…私、幸せじゃないように見えます?」
「…いや。」
「幸せですよ。…これ以上ないほど。」
「…そう、か…」
呟くガイラスの顔によぎった何か。その正体を知りたいと思わなくもないが─
気づかぬ振りで笑う。
「この世界に来て、今が一番幸せです。」
「あら?セルジュったら、ロードルート先生とまだ連絡を取り合っているの?」
「…はい。」
「そう。セルジュは、ロードルート先生のお気に入りだったから…」
「…そのようなことは、」
「そうだわ!今度、セルジュが王都へ出て来る時には、一緒に先生のご機嫌伺いに行きましょう?生徒会の皆で伺えば、先生もきっと喜んで下さるわ!」
四人で座るテーブルに、アイシャのはしゃいだ声だけが響く。
(…本当、どうすればいいのよ、この空気。)
こちらも一応、晩餐が始まった当初はそれなりに努力した。いつもの夫婦二人きりとは違う、主賓二人を交えての席。それなりに頑張って話題を提供し、話も振っていた。けれど、どう頑張ってもアイシャは「私の知らないセルジュ」の話にシフトししようとするし、元から口数の少ないガイラスは積極的に会話に加わろうとはしない。
(…全く、子どもじゃないんだから…)
アイシャの行動の意味、それは恐らく、「私がしていたこと」の再現。セルジュとガイラスを侍らせて、三人での会話を楽しむ、私を会話から締め出したいんだろうけれど。
(…大失敗じゃない?結局、ガイラスも会話に入れなくなってるし。)
それでも時々、頑張ってガイラスには話を振っているアイシャだが、元より、セルジュとガイラスには親交がない。共通する話題も無いために、結果として、アイシャの会話にセルジュが相槌を打つだけという図式が成り立ってしまっている。
居たたまれない空気の中、ふと思い出した記憶があった。それを、話題としてガイラスに振ってみる。
「…あの、騎士団長閣下。」
「…何だろうか?アンブロス夫人。」
「以前、閣下からお聞きしたことのある翼竜のことなんですが…」
「翼竜?」
「はい。」
言いながら、思い出す。過去、魔物の脅威を伝えるために彼らが私に語ったこと。
「…十数年前、王都が翼竜に襲撃されたお話、されていましたよね?」
「ああ。あれか。…確かに、そのような話をした覚えがある。」
「その翼竜って、どう処分されたんでしょうか?」
「なに…?」
訝し気な視線、言葉遣いに気を配りながら、何とか聞きたいことを口にする。
「確か、翼竜は氷魔術により撃退されたって仰っていましたよね?でしたら、その亡骸も比較的きれい、…原型は留めていたんでしょう?」
「…」
「あー、えっと、ですので、その討伐された翼竜の亡骸は、その後、どうされたのかなと…」
どう言葉を選んでも物騒にしかならない話に、セルジュへと視線を向ける。セルジュが一つ頷いて、代わりに言葉を紡ぐ。
「騎士団長閣下。アンブロス領では、現在、討伐した魔物の素材について、有効な活用方法が無いかを模索しております。過去、王都で同様の事例があればご教示頂けないでしょうか?」
「…魔物の素材…」
思わずという風に呟かれた言葉。一瞬、呆気にとられたように見えたガイラスは、けれど、直ぐにその表情を消し去る。
「…王都の翼竜に関しては、未だ凍結されたまま、王城の地下に保管されていると聞く。」
「では…」
「ああ…、卿らの参考にはならないだろう。」
言って、暫く考え込んだ様子のガイラスが再び口を開いた。
「ただ…、以前、その翼竜を研究調査したいという申し出をして来た者がいた。」
「研究…?」
「ああ。…確か、魔物の生態を研究対象としている学者だったか。…殿下が研究の許可を出していたな。」
「では…」
少しだけ生まれた期待。もし、魔物の生態、身体の構造にも詳しい人がいれば─
「あの!騎士団長閣下、その方をご紹介頂くことは可能でしょうか?」
「ああ。構わない。…王都に戻り次第、」
言いかけたガイラスの言葉は、突如響いた大きな物音に阻まれた。
(え…?)
視界に映るのは、ガイラスの隣、椅子を押し倒して立ち上がったアイシャの姿。
「…アイシャ?どう、」
「ごめんなさい、ガイラス。私、気分が良くないみたい。」
「…では、」
「セルジュ、部屋まで送って下さるかしら?」
(は…?)
あまりにも無作法な言動、百歩譲って突然の体調不良を認めるとしても、ここでセルジュを指名する意味が分からない。
「…アイシャ、部屋に戻るなら、私が、」
「いいえ。ガイラスは巫女様と大切なお話の最中でしょう?…行きましょう、セルジュ?」
立ち上がりかけたガイラスの言葉を遮って、セルジュの名を呼ぶアイシャ。セルジュが動かないのを見てとると、そのまま、晩餐室を出て行こうとする。
「待て、アイシャ…!」
「…閣下。私が追いかけます。」
「いや、しかし、卿に迷惑をかけるわけには…」
「部屋までお連れするだけですから。…部屋付きの者に任せてまいります。」
「…すまない。」
心底申し訳なさそうにするガイラスに軽く頭を下げて、セルジュがアイシャの後を追う。その一連の流れを茫然と見送って、ふと、向けられている視線に気づいた。
「…夫人にも、妻が失礼な真似をした。すまない。」
「…いいえ。」
それ以外、どう答えればいいと言うのか。
(…と言うか、この場はこれからどうすれば…?)
給仕の人間が居るとはいえ、気まずい空気に二人残されて、頭をフル回転させる。
(…ああ、そうだった。)
思い出したのは話の続き。
「…あの、それで、先ほどの生物学者?の方については…?」
「…ああ。王都に戻り次第、連絡先を確かめて知らせよう。」
「ありがとうございます…」
あっさりと終了した会話。これ以上、特に語り合うこともなく、目の前の食事を一刻も早く終えることだけを考えてしまう。
(…ごめん、ベティさん。)
この日のために下準備から気合を入れてくれていた料理長のベティさんに、内心で頭を下げる。
伏せたままの顔、再び視線を感じて顔を上げれば─
「…」
「…あの、何か?」
ガイラスのもの言いたげな視線。その視線の意味を問う。
「…アンブロス夫人…」
「?」
「…あなたは、今、幸せだろうか…?」
「…」
何故、彼が私にそんなことを尋ねるのか。尋ねるまでもないだろう愚問に笑う。
「…私、幸せじゃないように見えます?」
「…いや。」
「幸せですよ。…これ以上ないほど。」
「…そう、か…」
呟くガイラスの顔によぎった何か。その正体を知りたいと思わなくもないが─
気づかぬ振りで笑う。
「この世界に来て、今が一番幸せです。」
74
お気に入りに追加
2,103
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
怒れるおせっかい奥様
asamurasaki
恋愛
ベレッタ・サウスカールトンは出産時に前世の記憶を思い出した。
可愛い男の子を産んだその瞬間にベレッタは前世の記憶が怒涛のことく甦った。
日本人ので三人の子持ちで孫もいた60代女性だった記憶だ。
そして今までのベレッタの人生も一緒に思い出した。
コローラル子爵家第一女として生まれたけど、実の母はベレッタが4歳の時に急な病で亡くなった。
そして母の喪が明けてすぐに父が愛人とその子を連れて帰ってきた。
それからベレッタは継母と同い年の義妹に虐げられてきた。
父も一緒になって虐げてくるクズ。
そしてベレッタは18歳でこの国の貴族なら通うことが義務付けられてるアカデミーを卒業してすぐに父の持ってきた縁談で結婚して厄介払いされた。
相手はフィンレル・サウスカールトン侯爵22歳。
子爵令嬢か侯爵と結婚なんて…恵まれているはずがない!
あのクズが持ってきた縁談だ、資金援助を条件に訳あり侯爵に嫁がされた。
そのベレッタは結婚してからも侯爵家で夫には見向きもされず、使用人には冷遇されている。
白い結婚でなかったのは侯爵がどうしても後継ぎを必要としていたからだ。
良かったのか悪かったのか、初夜のたったの一度でベレッタは妊娠して子を生んだ。
前世60代だった私が転生して19歳の少女になった訳よね?
ゲームの世界に転生ってやつかしら?でも私の20代後半の娘は恋愛ゲームやそういう異世界転生とかの小説が好きで私によく話していたけど、私はあまり知らないから娘が話してたことしかわからないから、当然どこの世界なのかわからないのよ。
どうして転生したのが私だったのかしら?
でもそんなこと言ってる場合じゃないわ!
あの私に無関心な夫とよく似ている息子とはいえ、私がお腹を痛めて生んだ愛しい我が子よ!
子供がいないなら離縁して平民になり生きていってもいいけど、子供がいるなら話は別。
私は自分の息子の為、そして私の為に離縁などしないわ!
無関心夫なんて宛にせず私が息子を立派な侯爵になるようにしてみせるわ!
前世60代女性だった孫にばぁばと言われていたベレッタが立ち上がる!
無関心夫の愛なんて求めてないけど夫にも事情があり夫にはガツンガツン言葉で責めて凹ませますが、夫へのざまあはありません。
他の人たちのざまあはアリ。
ユルユル設定です。
ご了承下さい。
九尾の狐に嫁入りします~妖狐様は取り換えられた花嫁を溺愛する~
束原ミヤコ
キャラ文芸
八十神薫子(やそがみかおるこ)は、帝都守護職についている鎮守の神と呼ばれる、神の血を引く家に巫女を捧げる八十神家にうまれた。
八十神家にうまれる女は、神癒(しんゆ)――鎮守の神の法力を回復させたり、増大させたりする力を持つ。
けれど薫子はうまれつきそれを持たず、八十神家では役立たずとして、使用人として家に置いて貰っていた。
ある日、鎮守の神の一人である玉藻家の当主、玉藻由良(たまもゆら)から、神癒の巫女を嫁に欲しいという手紙が八十神家に届く。
神癒の力を持つ薫子の妹、咲子は、玉藻由良はいつも仮面を被っており、その顔は仕事中に焼け爛れて無残な化け物のようになっていると、泣いて嫌がる。
薫子は父上に言いつけられて、玉藻の元へと嫁ぐことになる。
何の力も持たないのに、嘘をつくように言われて。
鎮守の神を騙すなど、神を謀るのと同じ。
とてもそんなことはできないと怯えながら玉藻の元へ嫁いだ薫子を、玉藻は「よくきた、俺の花嫁」といって、とても優しく扱ってくれて――。
異世界で悪役令嬢として生きる事になったけど、前世の記憶を持ったまま、自分らしく過ごして良いらしい
千晶もーこ
恋愛
あの世に行ったら、番人とうずくまる少女に出会った。少女は辛い人生を歩んできて、魂が疲弊していた。それを知った番人は私に言った。
「あの子が繰り返している人生を、あなたの人生に変えてください。」
「………はぁああああ?辛そうな人生と分かってて生きろと?それも、繰り返すかもしれないのに?」
でも、お願いされたら断れない性分の私…。
異世界で自分が悪役令嬢だと知らずに過ごす私と、それによって変わっていく周りの人達の物語。そして、その物語の後の話。
※この話は、小説家になろう様へも掲載しています
【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!
ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、
1年以内に妊娠そして出産。
跡継ぎを産んで女主人以上の
役割を果たしていたし、
円満だと思っていた。
夫の本音を聞くまでは。
そして息子が他人に思えた。
いてもいなくてもいい存在?萎んだ花?
分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。
* 作り話です
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
公爵令嬢ルナベルはもう一度人生をやり直す
金峯蓮華
恋愛
卒業パーティーで婚約破棄され、国外追放された公爵令嬢ルナベルは、国外に向かう途中に破落戸達に汚されそうになり、自害した。
今度生まれ変わったら、普通に恋をし、普通に結婚して幸せになりたい。
死の間際にそう臨んだが、気がついたら7歳の自分だった。
しかも、すでに王太子とは婚約済。
どうにかして王太子から逃げたい。王太子から逃げるために奮闘努力するルナベルの前に現れたのは……。
ルナベルはのぞみどおり普通に恋をし、普通に結婚して幸せになることができるのか?
作者の脳内妄想の世界が舞台のお話です。
聖女の姉ですが、宰相閣下は無能な妹より私がお好きなようですよ?
渡邊 香梨
ファンタジー
コミックシーモア電子コミック大賞2025ノミネート! 11/30まで投票宜しくお願いします……!m(_ _)m
――小説3巻&コミックス1巻大好評発売中!――【旧題:聖女の姉ですが、国外逃亡します!~妹のお守りをするくらいなら、腹黒宰相サマと駆け落ちします!~】
12.20/05.02 ファンタジー小説ランキング1位有難うございます!
双子の妹ばかりを優先させる家族から離れて大学へ進学、待望の一人暮らしを始めた女子大生・十河怜菜(そがわ れいな)は、ある日突然、異世界へと召喚された。
召喚させたのは、双子の妹である舞菜(まな)で、召喚された先は、乙女ゲーム「蘇芳戦記」の中の世界。
国同士を繋ぐ「転移扉」を守護する「聖女」として、舞菜は召喚されたものの、守護魔力はともかく、聖女として国内貴族や各国上層部と、社交が出来るようなスキルも知識もなく、また、それを会得するための努力をするつもりもなかったために、日本にいた頃の様に、自分の代理(スペア)として、怜菜を同じ世界へと召喚させたのだ。
妹のお守りは、もうごめん――。
全てにおいて妹優先だった生活から、ようやく抜け出せたのに、再び妹のお守りなどと、冗談じゃない。
「宰相閣下、私と駆け落ちしましょう」
内心で激怒していた怜菜は、日本同様に、ここでも、妹の軛(くびき)から逃れるための算段を立て始めた――。
※ R15(キスよりちょっとだけ先)が入る章には☆を入れました。
【近況ボードに書籍化についてや、参考資料等掲載中です。宜しければそちらもご参照下さいませ】
辺境伯令嬢の私に、君のためなら死ねると言った魔法騎士様は婚約破棄をしたいそうです
茜カナコ
恋愛
辺境伯令嬢の私に、君のためなら死ねると言った魔法騎士様は婚約破棄をしたいそうです
シェリーは新しい恋をみつけたが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる