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後日談

26 後日談おまけ

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「…なんだ、嬢ちゃんは寝ちまったのか?」

「はい…」

「はしゃいでたからなぁ。…よっぽど嬉しかったんだろうな。兄ちゃんも、最後の最後でよく頑張った。」

「…」

かつては、考えもしなかったこと。己の言動一つに、お嬢様が心を動かすことなど。己の行いに、泣いて怒って、そして、笑って下さる─

「…神に、感謝を。」

「んあ?感謝捧げんなら、神様じゃなくて、協力してやった俺らにだろうが?それか、辛抱強く粘った『お嬢様』にか?」

「…本日、皆様方にお世話になったことは感謝いたしますが、」

「あー、良いって良いって!んで、お前ら、今日泊まるとこあんのか?」

「あ、いえ、それが、宿をとっている最中に、お嬢様に置いて行かれしまいまして、まだ…」

「ああ、なるほどな。…んじゃ、ほらよ、これやる。」

「え?」

「ここの二階の部屋の鍵。今夜はここにしけこむつもりで取ったんだが、嬢ちゃんの健気さに絆されちまったからな。兄ちゃんに譲ってやる。」

「え、いえ、しかし、それでは、あなたがお困りでは?」

「ああ、いんだよ、俺は。女引っ掛けるつもりで、嬢ちゃんに引っかかっちまったからな。女もいねぇし、そこら辺の奴らの部屋に転がり込むからよ。」

「それは…」

「今からどこかに宿をとろうなんて無謀はやめとけよ?寝ちまってる嬢ちゃん連れてウロウロするつもりか?」

「…」

「まぁ、大人しく受け取っときな。」

「…ご厚意に感謝を。」

「ああ。じゃあな、頑張れよ、兄ちゃん。」

「?頑張る…?」

「なんだぁ?まだ気づいてねぇのか?ここの上は宿だよ。」

「っ!?」

「男、見せろよ?兄ちゃん。」

「っ!?!?!?」








(完)
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