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後日談
25 後日談
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「よぉ、嬢ちゃん、一人か?」
「…『嬢ちゃん』。その呼ばれ方は初めてかも…。」
「あ?寂しく一人酒してんなら、俺らが相手してやるよ。奢ってやっから、好きなもん飲め飲め。」
「…」
「なんだ?警戒してんのか?大丈夫だって、心配すんな。嬢ちゃん、見たとこ冒険者成り立てってとこだろ?誰でも新人の内は先輩の世話になるもんなんだよ。」
「え、うーん。これは悩む。なんか、本当に、ただの親切っぽいところが、ナンパじゃないかも?と悩ませる。」
「ハハッ!嬢ちゃん、警戒心あるんだか、無いんだかわかんねぇな!まあ、そんなこたどうでもいいか、飲もうぜ!」
「あー、すみません。タイムリミット、迎えが来ました。」
「あ?」
「…」
「…」
「…何だぁ、お前?…嬢ちゃん、あんたの知り合いか?」
「はい、まあ。」
「…」
「…」
「…なに?何でこの兄ちゃんは黙ったまま何も言わねぇんだ?てか、何か、プルプルしてねえか?」
「…ちょっと、今、おしお、…喧嘩中でして。」
「へぇ…?」
「いや、だって、聞いて下さいよ!ジェイク、あ、彼、ジェイクって言うんですけど、護衛対象だからって、よその女にヘラヘラして、挙げ句、腕に抱きつかれたりしてんですよ!振り払いもしないし!」
「あー…」
「っ!違っ!違います!お嬢様!私は、依頼主に対する節度ある距離を心がけておりました!決して、そのような不埒な思いは!」
「あー、駄目駄目、兄ちゃん、こういう時はさ、大人しく頭下げとくしかないんだって。言い訳とか無意味だから。火に油注ぐだけ。…てか、嬢ちゃんは、ホンモノの『お嬢様』なわけ?」
「元、ですけどね。…ジェイク、また、『お嬢様』って言った。」
「っ!も、申し訳ありません!ナディアさ、」
「ナディア様も禁止ー。罰ゲーム、『様づけ禁止』でしょう?」
「っ!?」
「…まあ、私もちょっと、大人げなかったかな。…ジェイクにお嬢様扱いされるのは嫌だって自分で言っておいて、他の子がジェイクにお嬢様扱いされてるの見て嫉妬しちゃった。…ごめんね?」
「っ!お嬢、」
「ナディアって呼んで?呼んでくれたら、私、ジェイクと一緒に帰る。」
「っ!?」
「…呼んでもらえないんだったら…」
「ん?あ、あー、そうだな、兄ちゃんが嬢ちゃんの願い叶えてやれないんだったら、嬢ちゃんはここで俺らと酒盛り、朝までコース、だな?」
「フフッ。だって。どうする?ジェイク。」
「っ!?」
「…『嬢ちゃん』。その呼ばれ方は初めてかも…。」
「あ?寂しく一人酒してんなら、俺らが相手してやるよ。奢ってやっから、好きなもん飲め飲め。」
「…」
「なんだ?警戒してんのか?大丈夫だって、心配すんな。嬢ちゃん、見たとこ冒険者成り立てってとこだろ?誰でも新人の内は先輩の世話になるもんなんだよ。」
「え、うーん。これは悩む。なんか、本当に、ただの親切っぽいところが、ナンパじゃないかも?と悩ませる。」
「ハハッ!嬢ちゃん、警戒心あるんだか、無いんだかわかんねぇな!まあ、そんなこたどうでもいいか、飲もうぜ!」
「あー、すみません。タイムリミット、迎えが来ました。」
「あ?」
「…」
「…」
「…何だぁ、お前?…嬢ちゃん、あんたの知り合いか?」
「はい、まあ。」
「…」
「…」
「…なに?何でこの兄ちゃんは黙ったまま何も言わねぇんだ?てか、何か、プルプルしてねえか?」
「…ちょっと、今、おしお、…喧嘩中でして。」
「へぇ…?」
「いや、だって、聞いて下さいよ!ジェイク、あ、彼、ジェイクって言うんですけど、護衛対象だからって、よその女にヘラヘラして、挙げ句、腕に抱きつかれたりしてんですよ!振り払いもしないし!」
「あー…」
「っ!違っ!違います!お嬢様!私は、依頼主に対する節度ある距離を心がけておりました!決して、そのような不埒な思いは!」
「あー、駄目駄目、兄ちゃん、こういう時はさ、大人しく頭下げとくしかないんだって。言い訳とか無意味だから。火に油注ぐだけ。…てか、嬢ちゃんは、ホンモノの『お嬢様』なわけ?」
「元、ですけどね。…ジェイク、また、『お嬢様』って言った。」
「っ!も、申し訳ありません!ナディアさ、」
「ナディア様も禁止ー。罰ゲーム、『様づけ禁止』でしょう?」
「っ!?」
「…まあ、私もちょっと、大人げなかったかな。…ジェイクにお嬢様扱いされるのは嫌だって自分で言っておいて、他の子がジェイクにお嬢様扱いされてるの見て嫉妬しちゃった。…ごめんね?」
「っ!お嬢、」
「ナディアって呼んで?呼んでくれたら、私、ジェイクと一緒に帰る。」
「っ!?」
「…呼んでもらえないんだったら…」
「ん?あ、あー、そうだな、兄ちゃんが嬢ちゃんの願い叶えてやれないんだったら、嬢ちゃんはここで俺らと酒盛り、朝までコース、だな?」
「フフッ。だって。どうする?ジェイク。」
「っ!?」
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