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第九章 図書館に行った

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現代日本の図書館というものを知っている身からしても、なかなか力入ってると思える蔵書数。ファンタジーにお洒落な館内を、目的のブツを求めてウロウロしてみたのだけれど、無い。

そもそも、論文の類い、学術書とかが、圧倒的に少ない。それらしいのを何とかかき集めて読んで見るけど、不死の不の字も見当たらない。

あと、こっちは真剣なのに、アッシュ様が邪魔する。いや、邪魔はしてないけど、向かいの席でじーってこっち見てくるから、ソワソワする。

図書館デートの甘酸っぱさとか、前世過ぎて忘れてた、と思ったら、私、前世でそんなデートしたことなかった。図書館デートのマナーであろう、チラッ、ソワッてしながらの読書。相当、高度な読解力を求められてる。

アッシュ様の視線を避けて、他の席を眺めてたら視界に入った、並んで座ってイチャイチャしてる、どこかの学校の制服を着た男の子と女の子。

ソレだ!

私も、本を持ってアッシュ様の隣に移動した。向かい合わせじゃなかったんだよ。隣り合わせに座ってイチャイチャするのが正解!図書館デートの何たるかを全然理解していなかった。

ん?て顔したアッシュ様が、私の視界の先を追って、

「ああ、魔法学院の子達か」

って言った。

…ソッチだ!




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