先輩が死んだ、ら自分も死んで転生した～今は魔王様に寄生して生きてます～

第三章 転職した

3.

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やばい、さすがに図々しすぎた？ってくらいの沈黙のあと、それでもオスマン様が教えてくれたことによると。

世界中の魔素っていうのは、魔族領から発生していて、代々、『魔王』っていうのは、その魔素がスッゴく濃くなった所から生まれるらしい。今の姿で。ある程度の知識を持って。

衝撃の事実。アッシュ様に幼児時代も、少年時代も青年時代も存在しないなんて。全部見たかったのに。けどまあ、仕方ない。私だけじゃなく、誰も見られなかったってのが、救いだよね。うん。

そして、魔素について。魔族領から離れるほど魔素は薄くなる。更に、魔術を行使したりなんなりで魔素が消費されると、どんどん減っていって、更に薄くなる。そしたら最終的には、人族領では魔素を使う行為、魔術が使えなくなっちゃう。

それを補うために、代々の『魔王』は、人族に討たれてきたんだって。魔王様をバーンってして、世界中に魔素をバーっと行き渡らせる。

一時的に魔素に酔う人も出てくるかもだけど、日常生活に支障をきたすよりはマシってことか。確かに、魔術頼りの生活が当たり前の世の中で、それが使えなくなっちゃえば、人族は衰退しちゃうよね。エネルギー問題だ。

だけど、過去はどうあれ、アッシュ様をバーンするのはダメ。それくらいなら、人族は大人しく滅亡しよう？

それに、私みたいに魔力がない人族なんて、いっぱいいる。私やハルばあさんみたいに魔素を取り込めなくても、畑耕して生きてけばいいんだよ。滅亡したくなかったら。