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第二章 魔王様に会った

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勝手に、部屋を出ることにします。ゴロゴロしながらかなり待ってたんだけど、誰も来ないから。立派なお屋敷だから、お手伝いの人とか来るかも?って思ってたんだけどね。

部屋の扉、これまた、かなりの重厚感よ?黒いし、でかいし、彫り物凄いし。それを開けて、そーっと廊下をのぞき見る。はい、誰も居ません。確認して、部屋から出る。

絨毯とか敷いてある長い廊下をソロソロ歩いて、あ、曲がり角って思った時に気づいた。

あっちゃんが、曲がってる。

あっちゃんは、地面にタラって垂れてるけど、壁とかの障害物はガン無視で、廊下を律儀に曲がったりしないんだよ。その、あっちゃんが。

これって、もしかするの?

凄い、心臓速い。痛い。

道案内してくれてるみたいなあっちゃんをたどって、なんか、もう、ヤバイくらいに雰囲気のある廊下抜けて、重厚感しか感じられない扉をそーっと開けてみた。あっちゃんがその部屋に続いてたから。心臓、バクバクしながら、そーっと。

のぞいた部屋、窓辺に寄りかかってこっちを見てる、やる気無さそーな、垂れ目三白眼のオジサンと、あと何か二人くらいいる。

私は、窓辺に立つその人から、目が離せなくなった。

私に運命感じちゃった感ゼロ、一目でお前に惚れた!感も無し。へーって感じでこっち見てるその人に、だって、あっちゃんがクルクル巻き付いてる。

ここだよ、この人だよって。

この人が、先輩なんだ。面影なんて全く無い、渋めのオジサンになっちゃって、短髪オールバックになんてしちゃってるけど、

この人が、この人が。




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